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2022.04.16

RSウイルス感染症の『シナジス』

RSウイルス感染症を
ご存知でしょうか。

主に寒い時期に流行し、
呼吸器(気管支や肺)が炎症を起こす
病気です。

2歳までにほぼ全員の赤ちゃんが
一度は感染するとも言われていて

赤ちゃんが入院になる感染症の中では
一番多いかもしれません。

感染力はとても高く、
免疫ができにくいため
何度でも繰り返し罹ります。

回数が増えるごとに症状は軽くなり
2歳以上になると鼻と咳の風邪程度で
すむことがほとんどですが
月齢が低ければ低いほど
重症化しやすい怖い病気でもあります。

早産児、未熟児、先天的な疾患など
投与の対象となる赤ちゃんは
RSウイルス感染症の予防注射(シナジス)を
保険適応で受けることができます。

シナジスは
ワクチンだと思っている人も
多いと思いますが、

シナジスは、RSウイルスに対する
抗体そのものを注射するお薬で
体内で抗体を作るために接種する
ワクチンとは違います。

接種した抗体の効果は1ヶ月なので
RSウイルス感染症が流行する
秋から春にかけて、半年間
毎月1回、痛い筋肉注射を
繰り返すことになります。

先日、
妊娠32wで早産されたママから

「早産で生まれたけど、
今はそんなこと忘れるぐらい
元気に育っています。
だんだん知恵がついてきて
注射されることが解ってきてるみたいだし
毎月の注射がかわいそう・・・。
ほんとにシナジスって
必要なのでしょうか?」

というご相談を受けました。

ママとしては、
恐怖と痛みでギャン泣きする
赤ちゃんを毎月小児科に連れていくのは
心が痛みますね。

避けてもいいのなら避けたい。
当然の気持ちだと思います。

わが家の第11子、ととちゃんは
1歳になったばかりの晩秋、
RSウイルス感染症で入院しました。

最初は鼻風邪ひいちゃったね〜
ぐらいの軽い症状だったのですが

高熱と喘息のような苦しそうな咳。
ヒューヒューと苦しそうな呼吸に
変わっていきました。

そのうち、
極端に顔色が悪くなり、
ぐったりと動かず、
泣きもしなくなり、
遠くをボーッと見つめるように。

第11子。
ママ歴も長いので。
RSウイルスだと直感し、
入院セット持参で救急受診しました。
(準備がよろしいことで)

案の定、狭い気管支が痰で詰まり
細気管支と肺に
細菌の二次感染を起こしており
そのまま即入院となりました。

入院してもRSウイルス感染症には
特効薬はありません。

対症療法しかなく
点滴で水分、電解質、糖分を補い、
加湿と酸素と気管支拡張剤の
持続吸入、鼻水の吸引を行うこと
ぐらいしかできません。

幸い、ととは
無事に回復して退院できましたが
それでも入院は2週間にも及びました。

子どもの「かぜ」はあなどれません。

とくにRSウイルス感染症は
ただの風邪症状から
数時間で一気に
呼吸状態が悪化していくことがあります。

呼吸器を冒すウイルスなので
早産児、未熟児、
また心疾患などの基礎疾患を持っている
赤ちゃんはとくに注意が必要です。

ととは正期産で3200gで生まれ
持病のない赤ちゃんだったにも関わらず
重篤化しました。

小児医療の現場では
新型コロナウイルスより
RSウイルスのほうがずっと
脅威なんじゃないかと思います。

RSウイルスの最大の恐ろしさは
呼吸抑制(無呼吸発作)を
誘発することです。

つまり、RSウイルスは
乳幼児突然死症候群(SIDS)の
ひとつの原因に
なっていると考えられているんです。

実際、乳幼児突然死症候群を
起こしてしまった赤ちゃんの20%に
なんらかのウイルス感染が検出され、
そのうちの3分の1が
RSウイルスであった、
という統計があります。

注射はかわいそうだし、
半年間も毎月、病院通いっていうのは
ママにとってもけっこうな
労力でもありますが
命には変えられませんから!

RSウイルス感染症は
2歳までにほとんどの子が
かかるポピュラーな病気。

だけど、一歩踏み外したら
めっちゃ怖い病気。

みんなかかる病気だし、
まぁいけるでしょ?
今元気だし!

と、甘んじることなく

シナジス接種の医学的適応
に当てはまるある赤ちゃんのママは
ぜひ、大切なわが子を守るため、
がんばって注射を受けに行って
いただきたいと思います!

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