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2022.03.30

夜間断乳っているのかな?

夜間断乳っているのかな?

最近「夜間断乳」
という言葉をよく聞きます。

漢字4文字。

堅苦しい漢字のネーミングから
「医学的に推奨されているママがすべきこと」
のようなイメージが先行して

夜間断乳はしなきゃならないの?

と長期授乳を継続しておられるママたちから
不安の声が聞こえてきます。

「夜間断乳」という言葉は
そもそも医学用語ではありません。

・夜中に何度も授乳をすると
赤ちゃんの深い睡眠を妨げ、
成長ホルモンの分泌を阻害することになる

・夜中に授乳するから朝まで寝ない子になる

・夜中の授乳は虫歯を誘発する

などなど。
だから夜間断乳が必要だ、という
理論が語られますが

医学的に、
赤ちゃんの育ちや生活にとっては
不自然だと思われる点が多数あって
助産師として戸惑いを感じています。

乳児期後半から1歳前後にかけて、
夜の授乳が増えてしまったという相談は
とても多いです。

おっぱいへの執着には個人差があり
なかには何を基準にして1回と数えるか
わからなくなるぐらい頻回に
夜中じゅうおっぱいを要求する子もいます。

研究によると
人工乳で育てられている赤ちゃんは、
母乳で育てられている赤ちゃんよりも
早い時期から深くて長い睡眠をするように
なることがわかっていますが

果たして本当に
夜中の授乳は子どもの睡眠を妨げ
成長発達に支障をきたすのでしょうか。

SIDS(乳幼児突然死症候群)の
危険因子のひとつに

「長くて深い睡眠」

が、掲げられているように

深くて長い睡眠は、
赤ちゃんにとって
ナチュラルな睡眠パターンではない
という見解があります。

なので、
ミルクで育てると長く寝てくれる!
だから夜間断乳!

と、前向きにとらえるのには
少し慎重になったほうがいいのかも
しれません。

経験的には、
おっぱい星人の眠りは浅くとも
それが仇となって成長発達に悪影響を及ぼすことは
ないと思います。

夜間授乳によって子どもが寝不足になったり
体調を崩すこともありません。

実際、うちのおっぱい星人(だった人たち)は
今は立派に高校生や中学生になってます。

では、ママ視点ではどうでしょう。

ママが夜間授乳によって寝不足を感じ、
「夜間断乳したら眠ってくれるよ?」
なんて聞きかじったら
めちゃくちゃ魅力的に感じますよね。

やってみようかな・・?

心がグラっと
傾きそうになるかもですね。

けど、どうなんだろう・・・
そう簡単に夜中のおっぱい、
やめられるのでしょうか?

昼間に夜間断乳することを繰り返し
言い聞かせしたとしても
夜中は寝ぼけているから
大好きなおっぱいが目の前にあるのに
もらえない理由を子どもは冷静に
受け止められるのかな?
納得できるのかな?

乳児ちゃん前半の場合は純粋に空腹が理由で
夜中1〜2回の授乳があります。

これは、栄養学的に必要なおっぱいです。
ママのおっぱい的にも
乳腺炎のリスクを抱える大冒険になるので
夜間断乳はしないほうがいいと
思います。

大きくなってくると、
身体の成長のためのおっぱいではなく、
心の安定剤としての夜間授乳が増えますが

その頻回授乳は
ママにとって赤ちゃんにとって
無駄なことなのでしょうか?
非効率なことなのでしょうか?
避けるべきことなのでしょうか?

子どもは大きくなるにつれ
新しい世界へと羽ばたきます。
ママから離れ、見たいもの、聞きたいもの、
触りたいものからたくさんの刺激を受け、
小さな頭の中で情報処理をしていくのです。
それって、本当にたいへんなこと!

新しいことを知ることは
ワクワクする反面、とても疲れます。

だから夜中に、
昼間受けた刺激を処理しきれなくなり
グズります。

不安な気持ちを大好きなおっぱいで癒し、
心を充電し、明日への活力とするという
れっきとした「理由」があって
何度も繰り返しおっぱいを求めるのです。

1時間ごとにグズられて
そのたびにおっぱいを要求されて
疲労困憊だ!と思っているママたちに
ぜひ知っていただきたい研究結果があります。

ママの睡眠について調べた研究によると、
母乳栄養は人工栄養の母親と同じか、
より多くの睡眠を得ていることが分かっています。

調乳の手間がないことや、
すみやかに眠りに戻れること、
授乳中にも睡眠をとれることなどが
理由かもしれません。

なので、
わたし個人的には正直なところ
夜間断乳には賛成とは
言えないのですが

だからといって
夜間断乳を否定するつもりも
まったくありません。

子どもが離乳食を3回
ちゃんと食べられるような月齢以降で

ママが
「そうしたい!」「そのほうがいい!」
と思うのなら

子育てのひとつの方法として
夜間断乳は当然アリではないかと思います。

人それぞれ考え方や育児観、
気力体力にも差があるのが当たり前だし、
専門家であっても、小児科医だったり
助産師だったり保育士だったり、
それぞれの立場から
まったく真逆のアドバイス、ということも
あるからね。

結局のところ、
子育てには正解不正解はないんです。

いろんな意見に耳を傾けてみることは
大切だけど、
それに振り回されないようにしましょうね。

最終的には

「自分はどうしたいのか」
「そんな子に育って欲しいのか」

というママの視点で
自分流の子育てを模索していくのが一番ですね!

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