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2022.03.18

卒業生へのメッセージ〜独特な発達障害児の世界観

今年も中学3年生が
学舎を巣立っていきました。

卒業後に県立高校の合否発表があり、
うちの中3は全員合格だったそうで
本当によかったです!

ピリピリした空気が一転、
3年生がいなくなった中学校は
燃え尽きてポッカリ穴が空いたような
なんともいえない寂しい雰囲気が
漂っています。

と、同時に
2年生はいよいよ
最上級生&受験生になります!

「3年がおらんようになったら
さぁ受験やで!!って
ゴング鳴らされたみたいで
めっちゃプレッシャー・・」

だそうで^^;

3年生にはぜひとも、
卒業せずにずっと学校にいてもらって
時を止めてほしい・・・

と、わが家の中2は懇願しています。
(残ってほしい動機がとても不純)

ママにとっても、
子どもの成長とともに
1年があっという間に過ぎ去るようになり、

小学校は、
ついこないだ入学したはずなのに
知らない間に高学年になってて
ビックリだし、

中学校は、入学して
あっち向いて、こっち向いたら
ハイ受験!
展開早すぎてついていけません。

高校なんかもう、
タイムスリップしたみたいに一瞬で

そこからまばたき1回したら
もう20歳ですから!^^;

さて。卒業式当日、
会場の壁には在校生ひとりひとりから
卒業生へのメッセージが掲示されました。

「3年生のみなさん、今までありがとうございました」
「○○中学校のことを忘れないでください」
「これからもがんばってください」
「ご卒業おめでとうございます」

↑このあたりが
送る言葉としてのスタンダードですよね。

そんな中、
発達障害(自閉症スペクトラム障害)を持つ
わが家の中1、ななちゃんは

「果物」と「ねずみ」の絵を
描いたそうです。(^◇^;)

生徒会で掲示作業をしていた
中2の姉、ここちゃんに先生が

「さすがに卒業式に、
ななが描いたこの絵は
場違いすぎると思うんだよね。
当日までに書き直してもらおうかと
思ってる」

とおっしゃったそうです。

「それは先生、やめといたほうが
いいと思いますよ。
これがななの世界観やし、
妹なりの想いがあって描いたんだとしたら
否定されて書き直しを強要されたら
悲しい気持ちになると思う。
みんなと違う送り方でもよくないですか?」

ここちゃんの発想〜〜!!
ブラボーです!!
わが娘ながら素晴らしいと思いました。

そうです!
そのとおりです!

人生の節目の式典は
けじめとしてとても大切で
おふざけは御法度なのはわかります。

社会の秩序を保つためには
「なんでもアリ」じゃ問題でしょうし、
個性や多様性を受容しつつも
ある程度の規律や決め事は
必要だと思います。

ななが描いた『果物とねずみ』は
卒業式には場違いだったかもしれません。

だけど、卒業生への
誹謗中傷を書いたわけでもないし、
それを見た人が不快になる絵でも
ありません。

つまり、卒業式の進行を阻害する、
みんなの思い出の1ページに泥を塗るような
悪質なものでもありません。

だとすると、
これは「多様性」のひとつとして
認められてよい、彼女の個性的な世界観
ととらえることもできますね。

空は青だと誰が決めたのでしょう。
赤に見えたり、紫、緑・・・
人によって見え方、感じ方はいろいろで
どれが正解、どれが不正解はないですよね。

ななの卒業生へのメッセージも
それと同じことだと思うのです。

14歳のオトナな意見に
先生たちも納得。

「こうあるべき」
「そうなければならない」
「右にならえ」

〝べき論〟にとらわれず
それぞれさまざまな卒業生の送り方が
あってもいいんです。

ここ姉の粋な計らいで、
書き直しはナシになり^ ^
『果物とねずみ』はそのまま掲示されました♪

なぜ『果物とねずみ』だったのか?

後日、ななに聞いてみました。

彼女は式典が苦手なのだそうです。
発達障害があるななは、
人一倍感受性が豊かで、
感覚が過敏だったりします。

あの場の切ない雰囲気。

泣き出してしまう友達、
いつもと違う先生たちの様子を見たら
心がザワザワしてきて落ち着かず、
座っているのが苦痛になってくるそうです。

ほんまもうやめて~~~
嫌がらせですか~~~
降参です~~~~~~

制服脱ぎ捨て
その場から走って逃げ出したい気分になるんですね。

とどのつまり、
式典とは、ななにとっては
押し寄せてくるストレスと闘う耐久レースです。

もう限界・・・と思ったら
静かに講堂外にドロップアウトしかない!

きっと自分と同じように、
卒業式が人並み以上にしんどい人もいるはず。

厳粛なストレスの中に、
少しでもズッコケのリラックス要素を散りばめれば、
耐えられるかな?

場違いな『果物とねずみ』は、
彼女の自己防御行動であり、
感覚過敏を持つ誰かのための
愛情でもあったわけです。

自分を守るための術を持っているって
素晴らしいことだと思います。
自分自身をよく知っているからこそ
できることですよね。

そして類似の『苦手』を持つ仲間への
ささやかな心配りだなんて

うちの娘、
最高じゃないですか〜???

ほらやっぱり、
ここ姉が言ったように、
あの絵には、なななりの理由があったのです!

そもそもわたし自身も
式典が苦手です。

閉式を迎える頃には疲労困憊。
消耗しきってヨレヨレになります。

なので、
ななの絵の『理由』を聞いて
改めて、娘に尊敬の念を抱き感動しました。
すごくすごく嬉しい気持ちになりました!

こんな送り方があってもいいですよね。
なならしい、個性的な卒業生への
「おめでとう」の伝え方。

あの場にいた何割の人が
1枚だけ「なんでやねん?」なメッセージが
混じっていることに気づいたでしょう。

そのうち何人が
ななの心の内を読み解くことができたでしょう。

決して、一目瞭然にわかりやすい
「おめでとう」ではありません。
難解な暗号のようなメッセージだけど
彼女の斬新な感性を、わたしは母親として
ずっと大切に見守っていきたいと思います。

ななの気持ちが、
ひとりでも、誰か卒業生に届いていたらいいな
と、思います^ ^

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