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2015.03.19

つわりの特効薬

つわり。

まったくなかったという人もいたり、
水も受けつけなくなって入院になった人がいたり

人によって症状の程度はさまざまです。

先日ばぶばぶに来院されたママは
出産まで毎日嘔吐されていました。

お産が始まってもまだ吐き気はおさまらず
分娩台に上がっても吐くような状態だったそうです。

嘔吐した彼女に
分娩介助してくれていた助産師の
厳しい一言

あなた、また吐いてるの?
いいかげん我慢しないと!

吐きたくて吐いてるわけじゃないのに
なんて言い方するのでしょうね。

ただでさえ不安と恐怖でいっぱいの
はじめてのお産です。
彼女は助産師の心ない一言に意気消沈。
ネガティブな思い出しかない
暗い影を落とす出産体験となってしまったのでした。

妊娠中で何が辛いって、
出産よりもつわりが嫌だ!
っていう人は多いですよね。
わたしもその一人です。
ずっと船酔い状態が続いて食べても食べなくても
気持ち悪く、ときどき突如襲ってくる
発作的な吐き気に思わずうずくまる・・・

水を飲んでも全部吐く、というような
重症悪阻の人と比べたらたいしたことのない
つわりだとわかっているけど
それでも長い長い妊娠初期でした。
(それを10回もやったわたしって・・・(ー ー;))

つわりの特効薬、どうして存在しないの?
って思います。

これだけ医学が発展した世の中でも
つわりは時が過ぎるのをただ耐え忍んで待つことしか
できないのでしょうか。

つわりの発症メカニズムは不明だけど
妊娠初期に作られはじめる胎盤からの
妊娠性ホルモンのせいで
甲状腺ホルモンが刺激されることが
1つの誘因ではないか、と言われています。

日本では吐き気止めなどによる治療は、
あまり勧められていません。
日本人は慎重かつ真面目な国民性なので
おなかの赤ちゃんへの奇形のリスクなどを考慮して、
どうしてもという場合には、
漢方薬やビタミン剤などの点滴が
処方されるのが一般的です。

実は海外では
今から60年ぐらい前に
つわりの治療薬が発売されたことがありました。

成分は、ビタミンB6と抗ヒスタミン剤の混合。
ビタミンB6は吐き気を抑える作用があるとか
ないとか・・・
いろんな意見があって、その効果は明確では
ないとの声もあるし、
「ビタミンB6には制吐作用がある!」という
研究論文も存在していて
結局どっち?
よくわかりません。

つわり治療薬に入っているもうひとつの成分
含有している種の抗ヒスタミン剤は、
アメリカでは一般的な薬剤ですが、
日本では認可されていません。

かなり強い鎮静作用があり、
睡眠薬としてもよく使用されています。
その鎮静作用がつわりの症状に効くのではないか?
という見解でした。

日本では妊婦や授乳中のママへの
お薬の処方はとても慎重になされますよね。
単なる風邪薬でさえ、
できれば避けたいと思う人がほとんどでは
ないかと思います。

ましてや睡眠薬などの鎮静的作用を持つ
強力な薬剤は
処方されないのが当たり前です。
お薬の説明書にも「妊婦、授乳婦には禁忌」と
警告されています。

アメリカはおおらかな国だけど、
さすがに、このつわり治療薬によって
健康な赤ちゃんが生まれなくなるのではないか?
という危惧が高まるようになり、
先天異常を持った赤ちゃんが生まれるたびに
製薬会社は訴訟を起こされ
この薬が原因だと特定されることもないまま
つわり治療薬は今から30年ほど前に
使われなくなっていきました。

それ以後も先天異常児とつわり治療薬との関連性は
研究が続けられ、
30年の月日の末、
「つわり治療薬は胎児にとって安全である」
という結論に達し
現在ふたたび、認証され
妊娠悪阻の妊婦さんに使用されるようになっています。

分娩中まで吐き続けるなんて
かわいそうすぎる!

「我慢しなさい」とか「病は気から」とか
いう人もいるけど。

気力だけではどうにもならない
つわりもたくさんありますよね!

日本ではまだ認証されていない
このお薬。

絶対に安全なのであれば、
本当につらい妊婦さんには
処方される日がくるといいのに〜と思います。

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