ずいき
わが家の目の前は一面、
大きな畑が広がっています。
先日、この広い土地の一角で畑をされている
中野のおばあちゃんが
採れたてのサトイモを分けてくれました。
中野おばあちゃん、
お歳はたぶん80歳台半ばだと思います。
とてもお元気で、毎朝早くから夕方遅くまで
たった一人でせっせと畑仕事をしておられます。
となりのトトロに出てくる
「カンタのおばあちゃん」にそっくりで、
話しているだけで心がほっこりします。
小さいお芋はやらかいわ。
これは親芋ゆうてな。
ちょっと硬いけどな
栄養あってこれが一番美味しいんよ。
おなじみのサトイモと
似ているけどなんか違う食材
「親芋」。
親芋は、サトイモができるとき、
その株の中心にある大きな芋のことだそうです。
なかなか市場には出回らず
農家からおすそ分けでもらったり
するものらしいです。
でんぷんやたんぱく質を豊富に含み、
めっちゃおいしいお芋なので、
プロの料理人が好んで
使う食材でもあるそうです。
市場に出回らない野菜に出会えたり、
わたしの知らないことを親切に教えてくれる人に
囲まれていることが、いなか暮らしの醍醐味!
どんどん新しい知識を吸収し、
野菜に詳しくなっていく自分に
「素敵〜〜♪」とか思っちゃいます!
ついでにずいきも食べるか?
ちょいと切ったろか?
と、中野のおばあちゃん。
???
ずいき?
聞いたことあるような・・・
ないような・・・
「ずいき」という野菜。
ずいきとは「芋茎」と書きます。
サトイモの茎のこと。
夏から秋にかけてが旬で
市場でも売ってるらしいですが
どうやって食べるのかも知らないし、
ましてやそれがサトイモの茎だなんて
知りませんでした。
中野のおばあちゃんは
釜でザクザクっと
手早くずいきを切ってくれて
甘辛く炊いたんも美味しいしなぁ
酢の物もいけるんよ
持っていき〜!
昔はずいきは「古血を洗う」って
ゆわれとったんよ。
わたしら、子産んだときになぁ〜
お産のあとは必ず食べさせられよったわ。
『産後=ずいきを食べる』
その昔は、産後の代名詞のように言われていたずいきは
鉄分、カルシウム、食物繊維、カリウムなど
栄養たっぷりの滋養食なのだそうです。
血液の循環をよくするこのような食材は、
おいしい母乳を作ることや
産後の体力改善、ホルモンバランスの安定など、
妊娠中、産後に関わる大切な部分に
直接的に働きかけてくれるそうです。
言われてみれば
わたしは毎日ばぶばぶで
ママたちの身体の冷えを実感しています。
逆子や切迫早産で
悩んでいる妊婦さんの身体を診せてもらうと
冷えきっていることが多いし、
最近は急に寒くなってきて
血流の滞りからおっぱいトラブルを
頻発させるママの身体も然りです。
生理不順や生理痛、不妊、
子宮筋腫・・・
どれもこれも
血液の流れが関わっています。
だから、出産後の女性の体調不良を
昔の人は「血の道」と呼んだりしたのですね。
鉄分、カルシウムは貧血にもいいですし、
繊維質も豊富なので便秘にも効きます。
いいことずくめじゃないですか!
体内に古い血を残さないようにするために、
産後だけじゃなく、
ずいきは女性全般にオススメの野菜だと
中野のおばあちゃんの話を聞いて思いました。
いただいたずいき。
とにかくデカい。
まるで育ちすぎたアロエみたい〜〜。
これ、美味しいのかなぁ・・・
うーーん
せっかくもらったけど
料理したところで誰も食べないかな・・・
・・・申し訳ないけど捨てちゃうか。
女性の身体にイイ。
産後にもイイ。
お口に合わないかもしれんけど、
田舎生活ならではの経験と中
野おばあちゃんのご親切な気持ちを
無駄にするなんて
わたし、もしかしてイケてないんちゃう!?
2日経って
考えが変わりました。
どうやって料理するのか調べているうちに
わたしの認識の中で
フキとズイキがどうやら混同して
「自分的に美味しくない野菜」に
位置づけられていたらしいことが発覚!
「ずいきはクセがなくて美味しい」
「子どもも大好き」
とネットに書いてあるではないですか!
えーーそうなの?!
ばぶばぶに来ている
いなか出身のママにずいきについて
聞いてみたところ
戦時中の食べ物でしょ?
おばあちゃんは食べたらしいけど
うちのお母さんの時代には
もう食べなかったらしいですよ。
もちろんわたしも食べたことないですよー。
ふーん・・・
そうなんだ・・・。
そんな話を聞くとまたしても
チャレンジ精神がどこへやら。
影響されやすいわたしです。
けど、中野のおばあちゃんの顔を見ると
やっぱりやってみるべきだったーーー!!!
と、思いました。
結果として
美味しくなかったとしても
何事もやってみることに価値があるし、
やってみることで人生が豊かになるんですよね。
ああーーー
捨てちゃったこと
大後悔!!