
カラダで感じ学ぶこと

朝晩めっきり涼しくなり
この間まで「暑い暑い」
言っていたのが嘘のように
とても過ごしやすくなりました。
緑色だった木々が少しずつ色づきはじめ
時折吹く風に木の葉が
ちらちらと舞い降りるたびに
まるで宝物でも拾うように
目を輝かせ競い合って拾い集める
子どもたちの姿に癒されます。
うちの子たちが通っている保育園は
西側が道の駅、東側が大きな池、
南側と北側は一面のみかん山、
という大自然の中に建っています。
みかん山の頂上には
どんぐりの木があります。
子どもたちは目の前に広がる池を見下ろし
みかん山のてっぺんのどんぐりの木を
見上げるウッドテラスに座って
“どんぐりコロコロ”の歌を歌います。
♪ どんぐりコロコロ どんぶりこ
お池にはまって さあたいへん
どじょうが出てきて こんにちは
ぼっちゃんいっしょに 遊びましょ
どんぐりコロコロ よろこんで
しばらくいっしょに 遊んだが
やっぱりお山が 恋しいと
泣いてはどじょうを 困らせた ♪
お池にどじょうさんが住んでいて
お山のてっぺんにどんぐりの木があって
どんぶりこ〜!と、お山から転げ落ちてきた
どんぐりさんをお池のドジョウさんが温かく
迎え入れてくれるという歌詞のとおりの絶景が
保育園の周囲に広がります。
小さな1歳児も
高いお山のどんぐりの木に目を向けながら
身体をゆすり
リズムをとって大きな声で歌います!
この年齢の子どもたちの
いったい何人がお池を知っているでしょう?
たぶんほとんどの子どもが
お池も知らないままに
「お池にはまってさぁたいへん!」と
歌っているでしょう。
その点、うちの保育園の子どもたちは
どこでこの歌を歌ったとしても
園のウッドデッキでの景色を
思い浮かべながら歌うのでしょうね。
保育園では
毎日のようにお散歩に出かけています。
いくら自然いっぱいの環境の中に
園が建っていりといっても
その中にじっとしていては
感じることにも学ぶことにも限界があります。
その季節、季節の移り変わりを
目で見て、肌で感じて、耳で聴いて、
匂いを感じて、味で感じる・・・
人間の持っている五感をいっぱい使って
体得することこそが
本当の意味の自然に触れて
自然と遊ぶということだと思います。
みかん山で
みかんひとつ食べるということにしても
10月のはじめ頃に食べたみかんは
色が濃い緑色で、皮が固くてむくのに力がいり、
おまけにむいた手のひらに、
香りの強いにおいと汁がついて
ちょっと酸っぱい味でした。
でも行くたびに、みかんの味が変わり
色が変わり、皮をむくのがスムーズになり
手のひらに強い香りや汁も
あまりつかなくなっていきました。
吹く風、日の照り方、空の色・・・
挙げ始めたらキリがないほど
たくさんの変化に気づきます。
同じ「みかんを食べる」という行動でも
テーブルに置いてあるみかんを食べたときとでは
味も感じ方も大きく違います。
そして、山でみかんを食べるには
斜面の上に生えている木から
自分の力でもいでこないと
食べることができません。
つるりつるりと何度も滑りながら
もいだみかんを山の頂上で
食べる味は最高です!
そして毎日のように山に登れば
自然に体力がつきます。
靴の中で足の指にぐっと力を入れ
転ばないように、滑らないように
身体でうまくバランスを取りながら
ふんばります。
それが頭と身体と心を育て
視覚、聴覚、臭覚、味覚、触覚
五感を磨きます。
自然と積極的にかかわれば
多くのことを身体で感じ
多くのことを学べるはず・・・♪
身体で感じて育つ保育や教育、
楽しみながら取り入れていけたら
素敵ですよね!
うちの野生児たちは
これからもどんどん
いろんなところで出かけ、
いろんなことを学びます!