「頼る」と「頼られる」

ある朝
ばぶばぶ開院と同時に
１本の電話がかかってきました。

ひさこさん！
ひさこさん！
お願いがある！
１分だけわたしに時間をちょうだい！！

電話の向こうから
興奮した声。

なになに？
どうした？
何事だ？

たった今、妊娠検査薬したらね
陽性出たぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜！！
☆:.｡. o(≧▽≦)o .｡.:☆

念願の妊娠。
嬉しくて嬉しくて
誰かに今すぐ伝えたかったんだそうです。

「誰かに伝えたかった」ときに
わたしのことを思い出してくれたことが
嬉しくて。

ここ１年
いろいろあったわたしは
人間不信気味でした。

「自分がここにいていいのか？」
そんなことを考える日々だったので

「こんなわたしでも頼ってくれる人がいる」
それだけで自分の存在を
認められたような気がしました。

「あなたはここにいていいんだよ」
と言ってもらえた気がして
彼女の妊娠報告は
素直にとてもとても嬉しかったです！

「頼られる人」
「頼る人」

あなたはどちらですか？

わたしは人を頼るのは苦手で
なんでも1人でなんとかしてしまおうと
するタイプです。

助産師として頼られることで
自分の存在価値を見出して
自己満足に浸っていた気がします。

おっぱいケアでも
育児相談でも

実際たくさんのママたちが
わたしを「頼って」ばぶばぶに
来てくださいます。

そして「頼られる」とわたしもつい
嬉しくなって一方的に
助けすぎてしまいます。

ばぶばぶはいつでも
悩めるママたちの駆け込み寺でありたい！
と思っているのは
昔も今も変わらないけど

最近
「頼られること」と「頼ること」は
表裏の関係ながらも
ときには「頼ること」で「頼られる人」として
成長していくのかも？って
思うようになりました。

人望が厚い人は
積極的に周りに頼るんですって。
たとえば、大切な仕事などを
後輩や部下にやらせたりするわけです。

大切な仕事を他人に任せることで
相手に信頼感を与えます。

誰だって大切な仕事を任されたら
責任重大で緊張もするけど
それだけ自分を信頼してくれているということの証だから
嬉しいしモチベーションも上がりますよね。

だから
他人を頼る人は
周りからも頼られるということです。

頼り、頼られ、
信頼関係を築いていく・・・
人生ってそういうものなんですね。

頼られるというぬるま湯のような自己満足感は
その頼ってきた人を無意識のうちに

「ひさこさんナシでは子育てはできないもの」
「ひさこさんナシでは母乳育児はできないもの」

にしてしまう
危険性をはらんでいると思います。

「おっぱいトラブルです
助けてー！」

と求められたら

このような状況のときに
わたしがすべきことは

おっぱいトラブルを
手技でただ治してあげることだけじゃなく
おっぱいの自己管理方法や自己応急処置を
教えてあげることなんですよね。

頼ってきてくれた相手を
わたしがいなくてもきちんと前に進めるようにする。

わたしがいないと成立しないチームを
わたしがいなくても前に進めるようにする。

相手が「自立」できるような
手助けをしてあげることが
大事なのだと思うようになりました。

だけど、
これってとてもとても難しいです。
なぜならそれは必要とされていたわたし自身が
必要とされなくなることを意味するからです。

「だれかのためになにかをする」

この一つの理想形は
相手が助けたわたしの存在にすら気づかない
本当の無償なものだと思います。

それでも自分の存在価値を見失わず
周りの意見に左右されず
自分の意思を貫ける人になれたら・・・
そうありたい！

だけど
まだまだ人間として未熟なわたしは

誰かに必要とされていたいです！
困ったときに自分を頼ってほしいです！
でも、頼られた時に、頼られ続けたときに、
だれかを傷つけることはしたくないです！

書いてて笑えてきます〜。
なんて低次元なレベルで
必死でもがいてるんでしょうね。

どうすれば人を信頼して
上手に頼りつつ
現状を把握して問題解決する分析力を高め
縁の下の力持ちになれるのか？

ただ１１人産んだだけの
低い次元で溺れている
助産師ですが

どれだけ依存されても崩れない器を持ち
もっともっと圧倒的な力を
身につけられるよう
自分磨きをしていきたいと思います！

朝一番の妊娠報告。

わたしを頼ってきてくれた
彼女の大興奮がスマホ越しに伝わってきて
とても幸せな気分の１日のはじまりとなりました。^ ^