大切なモノは目に見えない
母子手帳は
妊娠、出産の経過から
赤ちゃんの成長発達、母子の健康を長期にわたって
継続して見守っていくために
医師や助産師によって記載される
医学的な記録冊子という
堅苦しい側面があるのと同時にめまぐるしい子どもの成長や、
その時々のパパママの気持ち、
子どもへのメッセージなどを
心のままに記していく
子育てドキュメント誌でもあります。妊娠初期、もらってきたばかりの
母子手帳はピカピカの新品。
どれも同じ“ただの母子手帳”です。そこから１ページずつ、
さまざまな記録だったり想いだったり
書き加えられていくごとに
“ただの母子手帳”は
あなただけの風合い、
あなただけの佇まい、
あなただけの趣き、
使いこむほどに
世界にたったひとつの
オリジナル母子手帳として進化し、
輝きを増していきます。
自分の気持ちを
文字にして伝える・・・
文字の力は大きいです。
わが子を想い、一字一句ママの手から
連ねられる言葉には
心を打つ重みがあります。
文字はその人の想像力をつかって
どんどん膨らますことができて
決してキレイな文字じゃなくても、
心に響きます。
高度な国語力も必要はないし
きれいな日本語も必要ありません。
あなたの想いがただ文字になるだけで
意味があるのだと思います。
子どもがいつかパパママと同等に
会話ができる年齢を迎えたとき
母子手帳の中で光を放つ
愛にあふれた文字の数々は
この世界で生きていく
無限の可能性を秘めた子どもちに
希望、勇気、感動を与えることでしょう。
やがて多感な時期を迎えた子どもが
人生に行き詰まり
自分自身の存在価値さえも
わからなくなるようなことが起きたときも
手書きの母子手帳をさりげなく
見せてあげてほしいと思います。
このデジタル時代だからこそ、
あえて手書きの文字。
白い紙の上に踊る一文字一文字を
丁寧に目で追っていくと
まるで包み込まれるように
自然と力が抜けて気持ちが
楽になったりします。
わたしたちが心穏やかに生きていく上で
とても大切なヒーリング
それが「言葉」や「文字」の力
なのですね。
有名な小説
サン・テグジュベリの
『星の王子さま』で
「大切なモノは目に見えない」
というフレーズがあります。
心の中にある
愛、思いやり、やさしさ・・・。
そういうモノって目に見えません。
「ほらコレ！」と手に取って
見せることはできません。
見えないモノを大事にするのは
尊いことですが、
「ママがあなたたちを想う気持ちは
目には見えないけど
いちいち言わなくてもわかるでしょ？」
そうであったとしても。
大切なことは目に見えないけれど、
その、目に見えないモノは
相手に伝わってこそだから。
言葉、文字、態度、まなざし
見えないモノを見えるように表現すること。
視覚化、聴覚化して相手に伝える努力。
それって、すごく大事なことだと思うんですね。
子どもに対してだけではなく
これはパートナーにも、
あなたが関わりお世話になっている人
すべてに対して言えることです。
大切なモノは見えないけれど
実はすぐそこに転がっています。
目先のモノばかりにとらわれないで
心の目でしっかりと
見極めていかなくてはいけませんね。
たくさんの小さな「大切」を拾い集めて
あなたのその想いを母子手帳に
「文字」にして綴ってください。
人を信頼すること。
愛される喜び。
それが生き抜く力を育み
子どもたちの健全な成長の
道しるべとなってくれると信じています。
