ユニバーサルスタジオに「牛」出現
わが家の高校生。
後期試験も無事終了し、
今年度の登校日もあとわずかになりました。
答案返却などで数日登校することはあるものの、
もう授業も終了しているので
学校に行くのは残すところたった5日間ほどです。
なので、もうすっかり春休み気分。
昨日、うちの高1は、
早朝から友達と連れ立ってUSJへ。
「年パス買ったから
元とらなあかんねん!」
だそうで、
高校生になってこの1年、
バイトをして交遊費をせっせと稼ぎ、
ちょっとした洋服だったり雑貨だったり
欲しいものはある程度、親に頼らず
自分の力で手に入れることができるまでに
成長しました。
バイト代は自分の預金通帳へ振り込まれ、
記載されている数字とにらめっこしながら
メインとなる学校生活に
影響しないよう考えて
うまくバイトのシフトを組み、
隙間に友達との時間も作りつつ、
いわゆる机に向かう勉強とは違った
自立した社会生活を送るための
実践的学習が始まりつつあります。
大人になったなぁ〜と
感動しているわたしに娘が言いました。
「今日な、
ユニバで牛の着ぐるみ着るねん!」
はぁ?牛?
なんやねん、それ?
大勢の友達と、
みんなで牛になって
USJを練り歩くのだそうです。(ー ー;)
ユニバで、なんで牛なんー!
ですが
本人たちはいたって嬉しそう♪♪
いわゆるコスプレは、
憧れのアニメとかゲームキャラなどに
扮して、キャラクターの性格や内面を
自分に同化させることで満足感を得たり、
非日常的な世界に浸って
ストレスを発散する心理が働くのだそうですが、
彼らが演じる(?)のは
“牛”やしな。
これってコスプレなん?
いや、仮装?
よくわかりませんが(だって牛やし!)
若い時代には
ハロウィンとかクリスマスなどにも
ついついはっちゃけすぎて
社会問題化されたりもしますが
日本人は基本的にお祭り好きですよね。
そのようなさまざまな季節の
イベントと同じように
非現実的世界である
USJだからこそ許される
高校生なりの
『人に迷惑をかけずにできる
最大限の自己主張』
なのでしょうか?
普段の生活のなかでは
みんな同じ制服を着て、
外見的には没個性。
それが今の高校生たちの現状です。
みんな日常生活において
さまざまな「役割」を担っています。
人の性格はその人が置かれている状況や
その人に割り当てられた役割によって変化する
と言われています。
例えばわたしなら
母・助産院院長・講演者・農業のおばちゃん・・・
ばぶばぶで仕事しているとき、
休みの日
畑に向かっているとき
それに応じて
着る服も変えるし、表情だって、
テンションだって
声のトーンだって変わります。
コスプレは
そんな日常の役割から
脱却することで心理的開放効果が
あるのかもしれませんね。
ごくフツーの日常のなか、
改めて人から注目されたり
「すごいねー!」って認められたりする機会って
なかなかありません。
誰かから認められると嬉しい!
逆に、誰からも認められなかったり
無視されたりしたら
とても悲しい気持ちになりますよね。
「牛」がゾロゾロ歩いていたら
絶対目を引くし、
「わぁ〜牛やぁー!」って
アミューズメントパーク内ならば間違いなく
温かく迎え入れてもらえるはずです。
実際「牛」たちは、
USJのお客さんから
好意的に話しかけられたり交流したりで、
大忙しだったそうです。
冷静に考えれば
ハッチャケ高校生の
着ぐるみ集団なだけなんですけど
「牛さん!
一緒に写真撮ってもらっていいですか?」
写真撮影に応じたら
「牛さんありがとうございます!」
お礼を言われ、
握手を求められたりして。
彼らはもはやただの高校生ではなく
牛のヒーローです!
見知らぬ人との交流、
ましてや笑顔で「ありがとう」なんて、
「牛」の・・・
いや、高校生たちの
存在を認めてくれる最高の言葉ですね!
存在を認めてもらうと
誰だって嬉しくなりますが、
それは単なる「気分」や「雰囲気」
だけではありません。
身体にさまざまな栄養素が必要であるように
心にも、栄養が必要。
存在を認めてもらうことは、
わたしたちの心を支える
大切な栄養素です。
ないと生きていけないぐらい、
重要なものだと思います。
心が元気になれば、身体も元気になる!
相乗効果ですね。
「めっちゃ牛やん〜!」
「かわいい〜!」
なかには
「アホやん〜」
「恥ずかしくないのかな?」
冷ややかな声もあるかもしれないけど
意味もなくアホなことができるのは
青春の証!
どんな声も、仲間意識さえあれば
自分たちに都合よく
絶賛の声へと変換することだって
できちゃうはず!
言葉がけがたくさんもらえるコスプレは、
実はとても素晴らしい趣味なのかもしれないな〜。
2月26日の
UFJで牛の大群に遭遇された方、
それは紛れもなく
わたしの飼っている牛・・・
いえ、娘でございます。