おっぱいマジシャン
大切な乳腺を守るため、たとえ“授乳用”であっても
授乳中のおっぱいには
がっちりワイヤー入りのブラは
なるべく避けてね、とお願いしています。
なので、ばぶばぶに通院中のママたちは
ブラトップやノンワイヤーの柔らかい
ハーフトップなどを
着用してくださっている人が多いです。
母乳がほとばしるように出る
分泌過多気味のママは
油断すると漏れてくる母乳で
胸元がたいへんなことになるので
ハーフトップの中に
母乳パットを忍ばせておられます。
昔からある
使い捨てのケミカルパットに加え、
最近ではかわいい布製パットも
登場していますよね。
それでも足りないぐらい
ダダ漏れおっぱいには、ハーフトップの中に
タオルをまるごと仕込んでおられるママも。
正しい授乳姿勢がとれていないゆえの
歪め飲み、浅吸いが主な原因となる
乳頭亀裂や水泡、白斑(乳口炎)などの
トラブルがある場合は
保湿プラス、ラップパックをしてもらったり
赤ちゃんの引っ張り飲みが主な原因となる
乳頭と乳輪の境目部分のパックリ傷には
キズパワーパットで保護してもらったり、
乳腺炎のときには
キャベツ湿布だったり
里芋、じゃがいも湿布だったり
冷えピタだったり、
断乳のときには
保冷剤だったり。
おっぱいケアを受けられる
ママたちの胸元からは
「ドラえもんかいなっ!」
「マジシャンかい?」
まるで四次元ポケットのように
いろんなものがわんさか出てきます。
みんなそれぞれ、
母乳育児が軌道に乗るまで
傷との戦いだったり、
乳腺炎とのにらめっこだったり
決して笑い事ではありません。
頻発するおっぱいトラブルは
本当にに辛いし、痛いし、
眠いし、自信喪失します。
そんな問題を抱えたママに
「前向きになれ」って言っても
そう簡単にポジティブにはなれなくて
あたりまえ。
でもだからといって
悲壮なテンションのママの空気に呑まれて
助産師まで気弱な調子でケアをしても
モチベーションは総倒れ。
意欲は失せる一方になってしまいます。
人生は
なんでもかんでもうまくいくことばかりじゃ
ないですよね。
時間をかけてできるようになること、
じっくり取り組むことで成功に導かれることが
たくさんあります。
母乳育児だってしかりです。
だから、気持ちの滅入るおっぱいトラブルだって
あえて、わたしは笑いに変えてしまいます!!
笑い事じゃないよ、
冗談にならないよ、
HISAKOさん!!
たとえ、ママに怒られたって、
そのポリシーは変えません!
だって世の中には
うまくできる、できない以前に
母乳育児そのものにチャレンジすることすら
叶わないママだっているんです。
望んでいるのに
我が子を胸に抱くことさえできないママだって
います。
そんな中、
母乳育児に向き合えるあなたは
なんて幸せ者なの!
って思うんですよね。
さぁ〜〜今日のおっぱいからは
いったい何が出てくるかな?!
出ました、ラップ!
出ました、絆創膏!
おっと、まだ出るぞ、
次は保冷剤!
おーっとラストは母乳パットだ〜!
辛いときこそ、笑いが大事です。
そうです、なんでも
笑いに変えてしまいます!
ある日
お笑い大好きなカノンちゃんママ
診察の順番が来て
お名前をお呼びすると
なんかニヤニヤと嬉しそう。
なんとなく
よからぬ空気を感じました。
「なんや?
カノンママ!
何か企んでるやろ?!
いえいえいえいえーー。
首を横に振るカノンママですが、
その態度と表情が明らかに挙動不審。
「じゃあおっぱいペロンと出してください」
いつものように促すと
ふふふふ〜〜〜〜♪♪( ̄ー ̄ )
いたずらっ子のような笑みを浮かべ
ペロンとめくったハーフトップの中から
出てくる出てくる・・・・・
世界の旗ーーーー!
手品でよく使われる、アレですわ。
もう大笑い!
てゆーか、目がテンです。
そういえば、前回のおっぱいケアで
「そのうちカラフルなシルクハンカチが
どんどんどんどん出てくるんちゃうー。
おっぱい手品やなー(笑)」
という会話を
しましたっけね。
わたしを喜ばせるために、
カノンママ、幼稚園児の上の子と一緒に
ネタとなる旗を折り紙とタコ糸で
手作りしたらしいんです。
そこまで笑いに忠実になっていただいて・・・
よくわからない感動と感激、
そして彼女のアホさ加減に
涙涙でした。
「HISAKOさん知ってる?
おりがみのトンがったところが
おっぱいにチクチク刺さって
仕込んでる間、けっこう辛かったよ」
そりゃそうでしょー。
おそらく、
彼女はそのうち
おっぱいの中にハトを仕込んでくることでしょう。
それともバニーガールが
ドロンと登場するかもね。
何が起こるかわからない、
摩訶不思議な
助産院ばぶばぶです。