イクメン カジメン
世間はお盆やすみですね。
帰省、イベント、外食・・・
授乳中のママたちはおっぱいトラブルが
起きやすい1週間です。
疲れをためないよう、元気に過ごしてくださいね。
ばぶばぶはお盆も通常どおり開院しています。
(乳腺炎が増えるから今年は休むのやめました!)
さて
今の時代、
「イクメン」という言葉は
みんなが知ってる公用語?
になりました。
2010年に当時の厚生労働大臣が
パパの育児参加や育児休業取得の促進を目的として
「イクメンプロジェクト」を立ち上げたのが
きっかけで、「イクメン」は
知名度が上がりました。
みんなフツーに使ってるけど、
パパが育児参加をしたり、
家事をするのは
今の時代、あたり前ですよね。
それを、わざわざ「イクメン」と名付て
称賛するというのは・・・
どうなのかな〜と思ったりします。
だって、わたしたち女性は、
どんなに育児をがんばったところで
「イクウーメン」なんて言われません。
家事も育児も、ときには仕事も。
全部両立するのが当然よね、という空気が
日本の社会風潮です。
実際、ママがどんなにバリバリ仕事をしていても
育児や家事から解放されることは
まず、ないもんなぁ・・・。
社会的に「あたり前」だから、
イクウーメンという言葉は
定着することがないのでしょう。
そもそも、育児や家事を
男性が「手伝う」という発想が
ズレてるんですよね。
それが「イクメン」「カジメン」という
称賛新語を作らせた理由なのかと思います。
育児も家事も
男性が主体的なのではなく
「手助け」という感じがします。
あくまでママが主体。
パパはその補佐的な役割。
手伝い程度しか期待されていません。
だから、
たとえパパの育児参加が補佐的であっても
1日にたった1つか2つ、
手伝ったというだけでも、
男性は「イクメン!」「えらいね!」と
褒め称えられます。
働くママたちは、家事も育児も
パパと「一緒にやる」「協力してやる」
ことを望んでいるから、
イクメンという、男性ばかりを褒め称える新語には
微妙なストレスを感じる人も少なくありません。
「ちょっとやったぐらいで
なんやねん?!」
「それぐらいあたり前やねん!」
と、思ってしまいますよね。
双方が同等の立場や力関係にある場合には
自分が相手に対して行うことと、
相手から自分にしてもらうことが
釣り合わないと不満を生み出します。
パパとママでは、
すでに育児と家事で
不公平が生じている家庭がほとんどです。
そこに加えて「イクメン」という言葉で
男性だけが評価されるんだもん。
なんだかなぁ〜ずるいよなぁって思うし、
このような中途半端なニュアンスを含む
「イクメン」という言葉が存在することで
ママはどんなにがんばっても
評価されない不公平さと、不満を増長させ、
その中でも「理想のイクメン像」を
求めるようになってしまいました。
ばぶばぶに来ている夫婦を見ていても
「理想」を求めることで
逆に夫婦をギクシャクさせることも
あるのかもしれないなぁと感じます。
同じ言葉でも、発する側と受け取る側で
とらえる意味が違ったりします。
理想のイクメン像を求める女性側と、
マイペースで自分らしい
子育てをしたいと思う男性側との間で、
温度差が生まれているように思います。
ママたちに「理想のイクメン像」を
聞いてみました。
・仕事ができて、しっかり稼いできてくれるけど、
家には早く帰ってきてくれて、
家事も育児も進んでやってくれるパパ。
・家事、育児レベルは
ママ同等仕上がりのパパ
・自分のグチはもらさず
いつも感情が安定していて
私情を家庭内に持ち込まないパパ
・ママの話には話の鼻を折らずに
聞き上手な姿勢でつきあってくれるパパ
・子どもとたくさん遊んでくれて
ときにはビシっと叱る威厳も持ち合わせているパパ
・ママへの愛情表現は欠かさないパパ
・適度にオシャレで、かっこよく
だけどママ以外の女性には見向きもしないパパ
これが彼女たちの求める
「理想のイクメン」です。
ハードル高いですね!!(笑)
そんなパパ、いるのかな〜〜???
ママは、思い描いていた理想と、
現実のダンナとのギャップにストレスを感じます。
パパは、自分の背丈よりもだいぶ高い理想像を突きつけられ、
飽くなき努力を続け疲弊してしまうか、
逆にやる気を失うかのどちらかです。
期待値が高ければ、がっかりする確率も高まります。
「イクメン」という言葉が持ち上げられて、
理想的な響きを帯びれば帯びるほど、
現実の夫婦双方のがっかり度も高まる、
皮肉なことですね。
ばぶばぶでは、あるママが
こんなエピソードを話してくれました。
育児の合間に
ホームベーカリーでパンを焼いていました。
パン作りには発酵時間が必要。
発酵している間は、
ベーカリーは一時休止状態になりますよね。
ちょうどそのタイミングで
パパがキッチンに入ってきました。
食器洗いをしてくれて、
ふとホームベーカリーに目をやると
電源が入ったままになっているでは
ないですか。
ママ想いの、優しいパパなんです。
彼は「よかれ」とご丁寧にも
ベーカリーの電源を抜いてくれました。
キッチンに戻ってきたママは
愕然としました。
え?
電源抜けてる?
なんでー!!!!
発酵中のパン種はボツになってしまいました。
さぁ、こんなとき
パパに対してあなたならどうしますか?
A ガンガンにパパを責めたてる!
B ホームベーカリーは静かに作動中だったことを
柔らかい口調でやんわり伝える
C 黙ってパン種を処理して
なかったことにする
パパに悪気はなかったんです。
食器洗いのついでに
親切心で電源を抜いておいてくれたんです。
彼の行動はたぶん
いわゆる「イクメン」であり
「カジメン」だと思います。
ただ、ホームベーカリーが作動中かどうか
確認せずに安易に判断して
電源を抜いてしまったあたり、
ママの理想とするハイレベルの「イクメン」には
あと一歩のところで残念・・・!!
ということでしょうか。
積極的にキッチンに入ってきてくれて、
洗いものをしてくれて、
しかも「やってあげた感」は微塵もかもし出すことない
彼の行動は、すばらしいです。
だから、
Aの、責める は、
パパの気持ちを考えたら大人気ないよなぁ・・・
と、頭ではわかるけど、
でもでもでもー!
パンがーーー(T . T)
わたしは、人間できてないので
攻め立てる、というほどではなくとも
「パン焼いてたのに!
ちゃんと見てよ!」
って言っちゃうかなーーーーーー。
ここで責めたら
パパは「僕はまた失敗するかもしれない」と
ビビって二度とキッチンに入らなくなるかもしれない。
誰だって、一生懸命やったことを
ダメ出しされ否定されたら
もう余計なことするのはやめておこう・・・
になってしまいます。
ホームベーカリーを使っていることを
事前にパパに伝えていなかった
自分が悪い。
彼女はとっさにそこまで考えました。
えらいですよね〜。
そして、選んだ選択肢は『C』
すばらしい!!!
でも、この悔しさをどこにぶつけていいか
一人で抱えきれなかった彼女は、
実家と、友達と
電話やらラインやらしまくって
グチりまくってスッキリしたそうです(笑)
何も知らないのはパパだけですね。
まぁそれも愛情かな。
「カジメン」は主婦レベルの家事や
育児をサクサクこなすパパのことを指しますが、
日本の主婦の家事のレベルは
世界的に見るとめちゃめちゃ高いこと、
みなさんご存知でしょうか?
日本のママたちは
料理は、和洋中なんでもできます。
しかも味はプロ顔負け
っていう人も少なくありません。
部屋の中はいつも整理整頓されていて
掃除も行き届いていて
それができないと「だらしない奥さん」と
言われてしまう・・・。
昔の日本にあった「理想の家庭」は、
“プロ”の専業主婦が作り上げてきた
スタイルだったのです。
でも今の男性が、
「カジメン」として昔の主婦と同じレベルでの
家事を求められてしまうと、そりゃつらいですよ。
ちなみに、
イクメンが多い国では、なんと
冷凍ピザがよく食べられているそうです。
イクメン先進国として知られる北欧の国ノルウェー。
男女同権が進んでいる国として知られています。
共働き家庭が多く、夫が食事の支度をするのは当たり前。
日本の女性からしてみると、
うらやましいですよね!
ノルウェーでは
パパが食事の支度をするのは当たり前だけど
その定番料理ナンバー1が、
なんと冷凍ピザなのだそうです!
全部が全部そうではないでしょうけど、
ノルウェーのイクメンが
食事の支度をしているといっても、
レンジでチン!しているだけっていう
パターンが普通なんです。
それでも
「ウチのパパはよく料理をしてくれる」
とママからほめてもらえます。
日本には質の高い冷凍食品や
スーパーのお惣菜がありながら、
それらを利用すると「手抜きだ」と
言われてしまいそうな雰囲気があります。
でも、ちょっと待ってください!
昭和の専業主婦のスタンダード
そのままの価値観では、
ハードルが高すぎますよね?!
パパだけじゃなく、
ママだって、
完璧を求められたらしんどいです。
だから「当たり前」のハードルを
みんなで下げましょう!
そうすれば、もっとイクメンやカジメンは増えます!
みんながイクメンになったら、
そこからレベルの底上げをしていけばいいと
思います。
今のママはすべてにおいて
がんばりすぎだー!!
イクメン、カジメンである前に、
パパたちはただの「父親」です。
そして「家庭人」であり「社会人」です。
こんな言葉を作っちゃったばっかりに
理想と現実との狭間で
パパもママも苦しむことになるんだよな。
もっと気楽に、
いきましょ〜〜♪