ママは、ストリッパー!
ばぶばぶには、
さまざまな職業のママが来院されます。
営業職、販売員、保険屋、
看護師、栄養士、医師、弁護士、
理学療法士、教員、保育士、起業家、
デザイナー、アーティスト、芸人、
キャビンアテンダント、アナウンサー
ライター、建築士・・・
バラエティーに富んでます!
わたしは『助産師』という職業で、
ぶっちゃけ、周産期医療バカというか、
それしか知らない世間知らずのお嬢さま(笑)
だから、自分の知らない職種のお話を
聞くことができるのは
博学にもなれて、刺激的でとても楽しいです。
変わりどころでいうと、
大阪ミナミでバーを経営している凄腕ママ。
つわりには、
まったく気づかなかったそうです。
なぜなら、年がら年中
二日酔いだから。(笑)
軽自動車の運転でさえ危ういわたしには
ありえない世界ですが、
10トントラックの長距離運転手を
されている男勝りのママもいます。
さらに、スタイル抜群で
笑顔がめちゃくちゃ素敵な
ママがいらっしゃるのですが
最初、職業の話になったとき、
彼女はニヤリと笑みを浮かべながら
「わたし、ダンサーだったんです」
どうりで!
スタイルも、笑顔の魅せ方も、喋り方も
素人ではないと思っていました。
ダンサーっていっても
ジャンルは多種多様です。
とっさに頭に浮かんだのは
ディズニーやUSJなどテーマパークのパレード?
ヒップホップなんかのインストラクター?
舞台などのミュージカルダンサー?
それともバレエ?
フラダンスなどの民族舞踊?
「違う違う
そういうのじゃなくて
わたしはショーダンサー」
さらに
小悪魔的笑みを浮かべる彼女。
『ショーダンサー?』
って。
ナンジャラホイ。( ? _ ? )
そこでようやく彼女は
正体を明かしてくれました。
「わたし、ストリッパーしてたんです」
ストリッパー・・・
・・・というと?
えーと。
男性客がいっぱいいる最前舞台上で
着てるモノをセクシーに脱ぎ捨てていくヤツ?
・・・えっっっ?!>* ))))><
一般的には
仕事がストリッパーと聞かされりゃ
ドン引きしてしまうと思います。
それだけの情報で
その人の価値を決めつけてしまったり
見下してしまうこともあるかもしれません。
でも、彼女の見た目のセクシーさや
アピール力、ノリの良さ、
凛とした堂々たる生きザマは
本当にさわやかでカッコイイんです!
一般女性がストリッパーになろうと思ったら
なにか光るモノを持っていなければ
到底務まる仕事ではないでしょうし、
厳しい実力世界だからこそ
生半可な努力では続かないでしょう。
そんなたいへんな仕事を
颯爽とやってきた彼女と話していると
恥じることない強固なメンタルと
生き方のポリシーの重さを感じずにいられません。
気品をたたえるほどの揺るぎない自己肯定。
目先の世間体とか常識になど
いっさい影響されない野武士のような貫禄。
ものおじせず、ユーモラスな彼女に
ただ者ではない『何か』を
感じずにはいられません。
ストリッパーの仕事は
一種の芸術品とも評価されていて
それを表現するために厳しいトレーニングが
必要されているそうです。
お色気たっぷりの衣装で
なまめかしく踊りますが
決して舞台から下りることはありません。
よってお客さんはストリッパーの身体に
触れるようなことはない
決まりになっているのだそうです。
現在の旦那さんとは
彼女の仕事を理解した上で
結婚されました。
いつもファミリーで来院され、
とても仲の良いご夫婦です。
子どもが生まれて1年経ち、
仕事復帰を考えたとき
彼女はふと
ストリッパーの仕事に戻ることも
考えたそうです。
なぜなら自分の人生に
誇りを持っているからです。
でも、頭のいい彼女は
その仕事が世間的に肯定されない職種だということを
認識もしていました。
だから、大切な子どものために
華やかな世界から足を洗うことを
決意しました。
で、
事務の仕事で復職。
「地味でしょ〜
笑えますよねー!
でも事務職、それはそれで楽しんでますよ!」
と、彼女は魅力的な笑顔で
くったくなく話してくれました。
さまざまな職種に出会いますが
自分はこのままでいいのかな?
今まで歩んできた道は
間違っていなかったのかな?
もしも他の道を選んでいたら
今の自分はなかったかも?
多くの人が、
考えても仕方がないことを考えては、
別の、もうひとつの人生を
想像したりするかもしれません。
人生の道標なんかどこにもないし、
進むべき道を「こっちが正しいよ」と
教えてくれる羅針盤など存在しません。
どうなるかはわからないけど
わたしたちは自分で選び、やってみます。
失敗すること、間違えることは多々あって
思うようにならないことの方が
ずっと多いかもしれないけど、
どう生きようと、それが自分の人生で、
そんな自分を肯定して
自信を持って生きていくべきなんですよね。
彼女のように、
ちょっと人と違う人生であっても
正解なんかありません。
「正しい仕事」「正しい生き方」
などないと思います。
人と違うことを恐れない彼女は本当に素敵!
人の数だけ人生があり、
歩んだ軌跡も、残った足跡も
みんな違うのがあたりまえです。
だからこそ、
彼女みたいに、
『自分の軸』となるものを
自分のなかに見出すのですね。
大きな目標や、人に評価されることだけが
人生じゃないです。
信念を持って歩むこと・・・
執着せずに柔軟にしなやかな心で
今あるものを感じ、
今を肯定し
堂々と生きていくことの大切さを・・・
元ストリッパーの彼女から
学んだのでした。