HISAKOブログHISAKOブログ
2017.08.07

千成ひょうたん

わたしの家の周辺は自然があふれています。
土と緑に囲まれているので
アスファルトで覆い尽くされた
都会のうだるような暑さに比べたら
多少涼しく感じます。

土といえば、畑!
夏野菜が元気いっぱいに育っています。

きゅうり、大豆、ピーマン、ししとう、おくら
キャベツ、トマト、なす、にんじん、しそ・・・

ときどきばぶばぶでも
収穫した無農薬・無肥料のオーガニック野菜を
来院されるママたちに
おすそ分けしています。

種類ごとに、まとめて植えているのですが、
なぜか、トマトの畝に
野生のキャベツが生えてきたり、
なすの隙間に、にんじんができたり
ピーマンの横にウリが実っていたり、
植えた記憶もないのに
野生の里芋がニョキニョキと群をなして
生えてきたり・・・

単純に考えて、
どこからか風に運ばれて種が飛んできたとか、
以前に植えていたのが野生化したとか
そのような理由なのだと思いますが

「なんでにんじんやねん!」
「え?ここに里芋?」

予想外の野菜が、想定外の場所に
いきなり出没するのは
なかなか刺激的な光景です。

不思議なことに
わざわざ人の手で植えたものじゃない作物のほうが、
病気にかかることもなく
元気に育っていたりします。

過干渉に手をかけすぎると
自分の力で決断し、行動し、
生きていく力が育たない・・・

野菜育ても子育ても、
一緒なんかもしれへんなぁと

自力で勝手に育っている
生命力あふれる野菜たちを見て
母としての自分のあり方を省みる毎日です。

7月のおわりごろ、
そろそろ収穫も終盤に差し掛かり、
勢いが衰えてきたきゅうりのツルの一部が
今になってなぜか元気にニョキニョキ
伸びてきていることに気づきました。

なにごとかと、
しばらく様子を見ていたのですが、

あれ?

できてきた果実は、
真ん中がくびれた雪だるまみたいな形。
これはきゅうりじゃないよね。
ひょうたんか?!

植えてもいないのに、ひょうたん。
なんでやねーん!

きゅうりもひょうたんも
同じウリ科の植物だから、苗はそっくり。
育ってきたツルも、
葉っぱもとてもよく似ています。
だからどこかで混じってしまったのでしょうか?

ひょうたんには
大小さまざまな品種があるようですが
調べてみると、どうやらこれは
『千成びょうたん』。

ひょうたんって食べられるん?

毒があって、
腹痛や嘔吐の原因になるので
食べられないみたいです。
な〜〜〜んだ・・・残念。

ついでなので、
ひょうたんについてちょっと調べてみました。

昔、ひょうたんは、
水筒のような役割で
飲み物を入れる容器として用いられたり
お酒を入れて持ち歩くのに使われていました。

また、作物の種入れだったそうで
「ひょうたんの中に入れた種は必ず芽が出る」
ことから、子宝のご利益があるのだそうな。

実が鈴なりになることや種子が多いこと、
胴にくびれのある形から
ひょうたんは女体にたとえられ、
子孫繁栄・多産を意味するそうです。

そういえば、ひょうたんの丸みって
おなかの大きな妊婦さんみたいです。

末広がりな形は縁起物として
「邪気を吸収する」と伝えられ、
よくない気を封じ込めてくれるという
言い伝えもあります。
ひょうたんを奉っている神社もありますね。

大家族のわが家においては
食べられへんなら話にもならんわ!
と最初は思ったのですが、

そういうちょっと素敵な意味合いを持つ
縁起物のひょうたんが
突如、畑に現れた。。。

ということは!

「きっとイイコトが起こる前兆!」

そうに違いないです^ ^
ありがたや、ありがたや。

さらに
戦国時代には、豊臣秀吉が
戦に勝利したことを場外の味方に知らせるために
酒器に使っていたひょうたんを
竹の先に結んで高々と掲げたことで
より親しまれるものになったそうです。

以来、秀吉は戦に勝つごとに
小さなひょうたんをひとつずつ
増やしました。

「千の房になるぐらいに成功するように」
やがてこれが『千成ひょうたん』と
呼ばれるようになったそうです。

一代でお百姓から天下人になった秀吉にあやかり
千成ひょうたんは、勝利や成功のシンボル、
縁起物として価値が高まっていきました。

現在でも、
大阪府の印章は秀吉にちなんで
千成ひょうたんがモチーフになっているそうです。
わたしは大阪で生まれ育ちましたが
知らんかったです!

秀吉が教えてくれるのは
単なる縁起物としてのひょうたんではなく

どんなことでも
「どうせ無理」とか言ってないで
初心を忘れることなく
ひとつひとつ、努力して積み重ねて
ひょうたんを増やしていけば
人は豊かになれる。

『努力すれば未来は変えられる!』

ってことなのかもしれないと
思いました。

先日、
ある青少年自立支援センターを視察しました。
ひきこもりやニート、不登校など
心の闇を抱えた人たちの更生自立施設です。

その食堂に貼ってあった標語を
ふと思い出しました。

『努力して後悔した人を見たことがない。
練習して下手になる人もいない。
勉強して馬鹿になる人もいない。
何かをして変わった人はいても
何もしないで変わった人はいない』

千成ひょうたんから伝わってくる大切なことって
まさにコレと同じだ!
と思いました。

縁起物のひょうたんは、
人の心を動かし
磨く力があるのかもしれません。

「食べられへんから無意味!」ではなく

もうしばらく、
大事に育てて収穫してみようと思います。

採ったあとは
中身をくり抜いたり、たいへんな処理作業が
待っているようですが
子どもたちと一緒にやってみようと思います!

和の空間、ばぶばぶに
千成ひょうたんはぴったりマッチすると思います。

みんな幸せになれますように。
赤ちゃんが授かりますように。
チャレンジ精神を忘れない豊かな人になれますように。

願いをこめて
祀ってみようかな〜♪

と、野望を膨らませています!

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