おっぱいが足りない気がする
産院の助産師に
「あなたは母乳が出にくい体質だから
ミルクを足したほうがいい」
そう指導され
自分は母乳で育てられないと思い込んで
ミルクを足しているうちに
母乳分泌量が減ってきて
完全ミルクに移行してしまった
というママにしばしば遭遇します。
母乳が出ない体質の人って
本当にいるのでしょうか?
わたしが診ているかぎり、
たいていのママは「母乳不足」ではありません。
「思い込み母乳不足」です。
先天的に乳腺の発達に問題がある場合には
改善の余地なく真の母乳不足になってしまうような
ケースもなくはないですが、
実際、わたしは
真の母乳不足のママは
あまり見かけたことがないです。
まな板に梅干し(^^;;みたいな
ちっちゃいおっぱいのママでも
その奥にある乳腺はちゃんと機能していて
母乳はしっかり出るものです。
母乳は血液の加工品なので
母体は赤ちゃんにおいしい母乳を作ってあげたい一心で
まず自分の身体の回復を優先します。
中途半端に栄養価の低い薄い母乳を
作ってあがいても
空回りするだけなので、あえて母乳分泌するために
働くホルモンを脳から出さずに
一時停止ボタンを押しておいて
先に母体回復を優先します。
あっちもこっちも・・・
欲張らず
優先順位を見極めて
しっかり働くわたしたちの身体、
素晴らしいですよね1
産後まもなくは一時的に
母乳不足になることはありますが、
母体が回復すれば脳からはちゃんと
母乳ホルモンが分泌開始しますので
大丈夫です!
また、だんだんおっぱいが張らなくなった
ちゃんと足りているかどうか心配・・・
という相談を産後数ヶ月経ったママから
よく受けます。
実はこれは、母乳育児が軌道に乗った証拠。
張っているおっぱいは一見、
よく出るいいおっぱいのように思いますが、
赤ちゃんからすれば
乳腺内に溜まった母乳は
生産されてしばらくタンクに貯めておいた
古い母乳。
新鮮じゃないし、冷えて
おいしくありません。
例えるならば、前日に作ったおかずを
ラップして冷蔵庫で保存、
翌日にレンジでチンして食卓に出す。。
そんなイメージです。
いわゆる『たまり乳』です。
授乳間隔があくと
おっぱいに母乳が溜まって重く張ってきます、
出産した→母乳を作らねば!
→どれだけ作ればいいの?
→よくわからーん
→ならばとりあえずがむしゃらに作ってしまえー!
→了解した!
→うおぉぉぉ〜〜〜〜〜〜〜っっっ!
ということで。
よくわからないゆえに
作りすぎてしまうわけですね。
張ったおっぱいで授乳をすると
明らかに軽くなり張りがおさまるので
ママの感覚では
「飲ませることができた!」と安心しますね。
でも人間の身体というのはよくできたもので、
おっぱいは次第に学習していきます。
ムダにおっぱいタンクに母乳を溜め込んでも
母体がしんどいだけやん!
ということに、気づき始めます。
そうか〜
吸われたときに作ったらいいんや!
作り置きして溜めとくのやめよー。
おっぱいは、その気づきを境にして
急に張らなくなってきます。
母体の効率のいい乳汁生成システムが
いよいよ作動です!
これを「さし乳」といいます。
ここまでくるのに、産後4ヶ月ぐらいまで
かかります。
さし乳は、
注文が入ってから
リアルタイムで新鮮な食材を使って作る、
できたてホカホカのご馳走!
今、できたばかりの熱々ラーメン♪
そんなイメージですね!
完全母乳で効率のいいおっぱいとは
張りません。
搾ってもろくに出ません。
母乳パッドに漏れません。
吸われてはじめて分泌します。
張らないから出ない、ではありません。
吸わせれば吸わせるだけ
そこではじめておっぱいは
反応するようになってきて
新鮮でできたてのおいしい母乳を
赤ちゃんに提供することが
できるのです。
母乳が出ない体質の人なんか
ほとんどいません。
「おっぱいが出るから飲む」のではないですよ。
「飲むからおっぱいが出る」のです。
母乳は最初から勝手に出るものではなく、
出るようにしていくものだということを
お忘れなく。
1日10回以上は最低でも
吸わせてくださいね〜!
1日は24時間だから
単純計算で2時間ごとに飲ませる感じに
なりますね。
たまに赤ちゃんが
3時間以上眠ってしまうことも
あると想定すると
1時間ごとの授乳だって
十分あり得ますね。
もう、今年の夏は
おっぱい片付けなくていいです。
裸族でお願いします。^ ^