体の緊張が強い赤ちゃん
試行錯誤しながら一生懸命
赤ちゃんのお世話をする毎日。
わからないこと、不安だらけだけど
ふっくらしてきた赤ちゃんの姿に
少しずつ自信を持てるようになりつつあった
ママの元に赤ちゃん訪問の助産師さんが
やってきました。
元気に育ってますよ!
と、ほめてもらえると思ったのに
「体の緊張が強い赤ちゃん」と指摘され、
ママは一気に自信をなくしてしまいました。
体の緊張が強い赤ちゃんと言われた、
という話はときどき聞きます。
「体の緊張が強い」とは
どのような状態を指すのでしょうか。
体のいたるところの筋肉が
凝り固まって余計な力が入り
リラックスした姿勢をとることができず
しんどさを抱えている赤ちゃんだったり、
しょっちゅうギャン泣きして
全身グイ〜ン!とそっくり返ることの多い
赤ちゃんを「体の緊張が強い」と
表現しているのでしょうか。
さまざまな側面から
赤ちゃんを診ることの必要性は、
日々の仕事の中で痛感しますが、
赤ちゃんがよくグズってそり返るのも
おっぱいを上手に飲めないのも、
向きぐせも、排泄がスムーズにいかないのも
全部、体の緊張が強いことが原因だと説明するのは
ちょっと無理がありすぎるんじゃないかと
思うんですよね。
何らかの健康上の問題に付随する
病的な「体の緊張が強い」以外の
赤ちゃんの行動や症状は
そのほとんどが原因がはっきりわからない
偶然なものばかりです。
なぜなら赤ちゃんは、
そのすべてにおいて発育途中、
未熟だからです。
どんなに偉いお医者さんでも、
「う~んなんでだろうね・・・」
って、なることばかりなんですよ。
わたしたちは、
同じ姿勢で固まった筋肉をほぐして
循環を上げ、緊張を和らげるときに
グーンとのび(反り返り)をしますよね。
赤ちゃんだって同じです。
脊椎、頚椎、腰椎・・・
身体を支える要となる背骨が成長途上で
腹筋、背筋もアンバランスだからこそ
大人以上に、何度も反り返ることで
本能的に生体機能調整をしているんじゃないか
と思います。
背骨がグイーンと引き伸ばされると
本来の自然治癒力が働いて
首や背骨の歪みが改善したり
赤ちゃんの強い緊張につながる
硬膜や脊柱のねじれ、緊張を解いてくれます。
曲げる筋肉や伸ばす筋肉を
バランスよく使えるようになるには
それなりの時間が必要だし、
それまでは何度も力いっぱい突っ張って当たり前
じゃないかな・・・。
仰向け、うつ伏せ、抱っこなど
いろんな姿勢の中で体重を支えたり
手足を動かしたりしながら
力の入れ具合を調節することを学んでいき、
バランスがうまく整う乳時期後半には
体の緊張(反り返り)は
ほとんど見られなくなります。
乳児期前半に目くじら立てて
「体の緊張が強い赤ちゃん」という
わかりづらい表現でママを不安にさせるより
その時期が来るのを
静かに待てばいいだけのことじゃないかな。
つまり、赤ちゃんの体の緊張は、
体の成長と運動能力の発達に伴い生じるもので、
いわば自然な身体の反応だと思います。
胎内環境が悪かったとか
産み方が悪かったたとは
ママの育て方が悪いとか
そういう次元の話ではなく
発達の過程で元気だからこそ
体が緊張しちゃうんだと思うのです!
‥と考えると、
ぜんぜんネガティブなことではなくなりますね。
よく動くめっちゃ元気な赤ちゃん。
グズってギャン泣きしてのけ反られたら
ママはたいへんだけど
今だけの成長過程ととらえて
ゆったりと見守ってあげましょう!