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2019.06.05

HISAKOのお産(第7子)

「後半チームが必要や!」
的外れな思考が頭に浮かんだ6人目から1年6ヶ月後
ばぶばぶは、少しずつ地域に認知されるようになりました。

日に日に、通院してくださるママたちが増え、
1週間のうち半分は、ばぶばぶでおっぱいを診て、
あと半分は、市の母子訪問と、
ちょっと子育てがしんどいママたちを対象にした
専門的養育支援母子訪問、
妊婦教室、地域の子育てサロンの担当助産師などを
掛け持ちするようになりました。

当時はまだ『認定こども園』などなかった時代です。
専業ママだった5人目までは
幼稚園に通わせていましたが、
6人目からは本格的なワーキングママの仲間入りで
0歳児で保育園に入園しました。

仕事と子育てを両立しつつ
新たに保育園のメリットにも気づくことができ、
7人目の誕生を目前に
忙しくも充実した毎日を送っていました。

訪問してきた助産師のおなかが大きいと
産後のママたちに気を遣わせるから、
できるだけ、できるだけ
おなかが目立たないように・・・

また子どもたちが通う小学校から
「いのちの授業」の依頼があり、

それがきっかけで、
いろんな学校へ出張授業に出かけるように
なりました。

また、この頃から
行政の仕事だけでなく、
民間依頼の講演依頼もチラホラと
舞い込んでくるようになりました。

ある日、某こども写真スタジオで開催される
マタニティーイベントの妊婦教室講師に呼ばれました。

複数の店舗で開催されたイベントは、
助産師の妊婦教室のあと、
後半は、ヨガインストラクターによる
マタニティーヨガ体験という構成に
なっていました。

わたし自身も妊婦だったので
他の参加者さんに混じってヨガ体験。

もともと、体を動かすことが好きなので
最初は
「気持ちいいなぁ~」「リフレッシュできるなー」
だけでしたが、

さまざまな店舗のイベントで、
いろんなインストラクターのクラスを
受けさせてもらううちに
あることに気づいちゃったんですよね~!

ヨガとお産は、共通点が多すぎる!

妊娠はヨガだった。
お産はヨガだった。
子育てそのものがヨガだった・・・と!

不平不満を手放し、
身の丈をわきまえ、背伸びすることもなく
謙虚なんだけど自己否定するわけでもなく、
足るを知り、自分の心と身体をあるがままに感じ、
そこから小さな幸せを見出し、
すべてに満足、感謝できる心・・・

これってまさしくお産やん。
子育てそのものやん!

気づいてしまったからには、
「もっと知りたい」「もっと深めたい」
が止まりません。

仕事の隙間を縫って
プライベートで
せっせとヨガスタジオに通い詰めました。

お産を語るなら、
子育てを語るなら、
ヨガを学ばなければならない、と思いました。

いわゆるアーサナ(ポーズ)を極めて
エクササイズとして
筋力のアップやダイエット、リラクゼーションとしての
ヨガの魅力にとりつかれたのではなく

わたしが学びたいと思ったのは、
ヨガ哲学、つまり座学でした。

ヨガには4500年の歴史があり、
その経典には

「ヨガとは心の動きを止めること」

と記されています。

そのときに「真の自分」だけが残ると
伝えられています。

毎日バタバタ暮らしていると
自分の意思に関係なく雑念や思考が湧いてきます。
これが「心の動き」です。

例えばお風呂に入ってホ~~~っとしているとき
思考が止まっている瞬間があったりしますよね。
頭の中がカラッポな状態。

ヨガでは、この思考と思考の中間の、
何も考えていない瞬間こそが
『真の自分』と言われています。

目を閉じてゆったり呼吸をし、
精神を集中させ、雑念のない状態を作り出し、

かといって、ひとりの世界に入るのではなく
あらゆるものと調和している状態を
作り出すのがヨガの目指すべき境地です。

『ヨガ』とはインドの古い言葉
サンスクリット語で「心身のつながり」の意味です。

姿勢をコントロールすれば
心もコントロールできる・・・

これが、ヨガという言葉の意味の、
「つなぐ」の由来です。

お産や子育ても、
同じように「つながり」がなによりも大切ですよね。
ヨガと同じように、
赤ちゃんとママ、互いに心と体を結びつける
素晴らしいものです。

お産のときには
全身の筋肉を使います。
そして自分の身体の感覚に意識を向けますね。

基本的には「身体の感覚」以外のものは
すべてシャットダウンする時間です。

ヨガは、運動なのではなく
「生き方」を教えてくれるものなんです。

生命の息吹、生命のリズムを扱う・・・
考えてみれば、お産もまったく同じでした!

自分の「今」。
向ける意識はただそこだけ。

自分の内側で何が起きているのか、
どんな感覚なのか、
どこが痛いのか、
心地よいのか、

良い・悪いの判断をせずに
ただまっすぐありのままの自分を見つめ、
意識を寄せ、
観察していくことの意味。

すると、日常生活の少々のストレスも
全部ひっくるめて
受け止められるように思えてきたり
ささやかな幸せに気付けたり
感謝できる気持ちになったり。

陣痛という苦しみや、お産への恐怖、
思い通りにならない子育てに対し
心のゆとりを持って
向き合えるようになります。

自分を見つめ直し、
自分の思考を客観的に観ていくことが
できるようになると

普段は気づかない自分の「心のくせ」を
発見することができ、
自分と思考との間にスペースが生まれていくことを
感じることができるのです。

さて、7回目のお産。
ヨガ哲学にちなんで、
心を正しくコントロールするための呼吸法を
駆使して産んでみよう!
と、思いました。

吐く息に気持ちをよせる!
とにかく吐く。
ゆっくり静かに吐く。

クリスマスイブに陣痛が始まって、
あっという間の出産でしたが、

陣痛をそのまま受け入れて
味わうことができ、それが気持ちいいと感じました。

「ウソやろ?
陣痛が気持ちいい?
わけわからん!」

と言われますが、
ホンマなんです。

陣痛は、
恐怖でもなく、不安でもなく
赤ちゃんを押し出すありがたく大きな大きな力。

心と身体って、本当につながっているんだと
確信しました。

心が心底から安定しフラットだと
身体に起こってくる苦痛も
苦痛と感じなくなる・・・

本当にこんなことがあるんだね。

お産は、
自分の心と身体がどのような状態になっているかに
敏感でなくてはなりません。

自分の欲望を理解し、
乗り越える方法を身につけるために
ヨガを学んだ結果、
こんなに素晴らしいお産が待っていたんです!

お産もヨガも
自分の心の声に耳を澄ます時間なのですね。

そしてそれが、
身体にどのように影響を与えているのかを
確認するのです。

肉体的な状態ももちろんですが、
精神的にどのような状態であるのかを
よく理解することで、
幸せな毎日へと自らを導けるのですね。

お産って、
女性の力って

すっげぇなー!!

7人目の出産で、心の片隅に・・・
本格的にヨガを学んで、
インストラクター資格をとりたいという野望が
芽生えました。

学ぶ目的がハッキリしているので
気持ちは揺らぐどころか、
どんどん強くなっていくばかり。

見とれよ。
そのうち絶対、やってやる。

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