HISAKOの出産(第10子)後編
10人目妊娠がわかったのは39歳のとき。
今回も違う産院で産んでみることにしました。
勤務では総合病院も経験しましたが、
自分自身での出産は、
個人クリニックと助産院しか経験していなかったので
総合病院出産にチャレンジしてみることに。
39歳という年齢的なリスクと
多産がもたらすさまざまなリスクを考えると
10人目は大きな病院のほうがいいかもしれない
というのもありました。
サービス重視の個人クリニックとは違い
公立総合病院の妊婦健診はとても機械的で
超音波エコーは初期・中期・後期
3回ぐらいしかなく、
4Dのような現代的なエコーもなく、
やるとしても、従来の2Dモノクロエコーのみ。
採血や尿検査はいちいち専門の部署に回らされ、
他の科の患者さんに混じって
長い行列に並び・・・
ほぉほぉほぉ。
これぞ総合病院
機能性のみ重視。
医学的適応がない時期の超音波エコーは
無意味だからしません、と。
エコーのない妊婦健診
妊婦のモチベーション
さっぱり上がらないなぁと思いました。
機械的ではあるけれど、
小児科や新生児科、NICU、GCU
生まれてくる赤ちゃんにとって
必要時に迅速に医療介入が可能だという視点で
考えると個人クリニックよりも
安心と言えると思います。
また、妊婦がなんらかの合併症を
持っている場合にも、産婦人科以外の専門科と
スムーズな連携の上でフォローしていける点でも
ポイントは高いですよね。
わたしは妊婦を支援する立場なので、
妊婦教室参加は免除してもらってきましたが、
他の助産師さんがどんなクラスを
運営しているのか見ておくのも
勉強になるかもしれないと思い、
10人目にしてはじめて
病院の妊婦教室に参加してみることに。
まずは自己紹介から。
順番に妊婦さんたちが
名前、妊娠週数、初めての妊娠なのか2人目なのかなど、
現在の心境など話していかれます。
1人目とか2人目とか3人目とか
それ、言わなあかん?
かくかくしかじか個人的な事情がありまして、
そこ、触れられたくないんやけどなぁ。
できるだけ目立たないように・・・
ばぶばぶのHISAKOさんって
バレませんように〜!
だんだん順番が近づいてくると
どうしよ、どうしよ。なんて言おう〜
プチパニックです。
普段何百人相手の講演会でも
緊張しないわたしが、
たった20人の参加妊婦さんたちを前に
心臓が飛び出るかと思うぐらい
緊張しました(笑)
で、なんて発言したか。
「経産婦です♡」
って言いました^ ^
「今の心境は・・・赤ちゃんが逆子なので
直るか心配ですぅ♡」
しどろもどろの差し障りない自己紹介
わたしが話し始めた途端に
明らかに数名の妊婦さんの目つきが変わりました。
「ばぶばぶさんですよね・・・?
10人目妊娠中の!!」
「ブログ読んでます!!」
はいー
さっさとバレましたー。
そして会場中がザワつく・・・
え?10人目・・・?
面バレしたところで
助産師さんからお題が出ました。
「38w5dの明け方、
あなたは破水したことに気づきました。
さぁどのような行動をとったらよいでしょう?」
グループで話し合って
発表してくださいと。
わたし、明らかに参加したら
あかんヤツやん。
発言できるはずない(^_^;)
とりあえず一歩引いて黙って見守っていましたが
妊婦さんたちの期待に満ちた視線〜〜〜。
あーもう、わかりましたよ。
ミニセミナーやらせていただきますっ!
結局、妊婦さんたちに
ばぶばぶの名刺配り歩くハメになり、
なんだこりゃ。
営業に来たみたいになってしまいました。
わたしが加わっていたことで、
妊婦教室担当助産師さんも
さぞかしやりづらかったことだろうと思います。
やっぱりわたしは
参加すべきではなかったですかね。
ごめんなさい・・・。
当時のばぶばぶは
自宅の1階で開業していました。
長男、高校1年生。
自宅玄関とばぶばぶの玄関が共有だったので
来院されているママが授乳しているところに
16歳男子が学校から帰ってきて鉢合わせって
教育上よろしくないやろ・・・
ママたちにとってもリラックスできる
よい環境とは言えません。
ということで、
子どもの成長を考えたとき、
そろそろ自宅とは別にばぶばぶを作りたいと
思うようになりました。
妊娠8ヶ月のとき、
ふとしたことである物件を見つけました。
自宅から目と鼻の先。
見つけた翌日には
何かに引き寄せられるように中を見せてもらいました。
当時、築89年の古民家。
ずっと空き家になっていて廃墟同然でしたが、
広くてビックリ!
わたし呼び寄せられてる!
ここしかない!
インスピレーションでした。
ここをリノベーションしたら
素敵な空間になる・・・
そんなイメージが頭の中に溢れ出てきました。
妊娠9ヶ月のとき
改装工事開始。
どんどんオシャレに生まれ変わっていく
古民家ばぶばぶ。
壁は漆喰、
古い柱や天井は磨いて汚れを落としてから
新たに塗装をほどこしましたが、
わたしも、創り上げていく過程に関わりたくて
大きなおなかを抱えてせっせと柱を磨きました。
(天井は妊婦には危険やからダメと言われました)
高校生の息子も、
昨日のブログで書いた
思春期まっさかりの中学生たちも、
小学生たちも総出で
脚立にのぼり、防埃マスクを装着し、
全身木クズだらけになりながら
天井、柱、何日もかけて雑巾で磨くのを
手伝ってくれました。
あ、ちなみに
猛烈な反抗期の娘は
いつも極悪人なわけじゃないんです。
機嫌がいいときはこうしてママの仕事に
付き合ってくれることもありました。
ひょんなことでいきなりイライラスイッチが作動すると
人格が豹変する、ザ・思春期な「だけ」なんだけど、
一旦、反抗モードに入ると
あまりにも理不尽すぎて激しすぎて
母、ノイローゼになりそうです。
小さいころの子育ての悩みなんか
砂つぶほどのものだったなぁと
子どもの思春期を迎えてママは改めて
実感するのでありました。
そしてちょうど同じ時期に
『amo』の執筆を開始しました。
妊娠中はなにかと情緒不安定になりがちです。
人生でたった数回しか経験できない
マタニティーライフを
少しでも笑顔で過ごせますようにとの願いをこめて
助産師HISAKOからのアドバイスと
おなかの赤ちゃんから毎日、出産の日までメールが届く
妊婦さん向けメールマガジンです。
自分が妊娠中だったからこそ、
妊婦さんに向けてのメッセージ『amo』は
心温まるものになったと思います。
わたし自身の出産が目前で
妊娠中になんとしても仕上げようと
がんばりました。
寝る間も惜しんで一心不乱に書き続け
出産数日前になんとか完成させました!