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2019.07.18

羊水がシャンプーの匂いになる?

「妊婦が安モノのシャンプーを使っていると
羊水がシャンプーの匂いになるって
本当ですか?」

先日、ある妊婦さんから質問を受けました。

シャンプーに含まれる有害な化学物質が
頭皮から浸透して血管に入り込み
子宮に流れ込んで蓄積することで
羊水がシャンプーの匂いになるというお話。

なんかどこかで聞いたことあるような・・・。

一部の産科医や助産師が
「分娩介助で、わたしが経験しました!」
と言ってるらしくて、
にわかに妊婦さんたちに恐れられているようですね。

ちなみにわたしは
分娩介助をしていて
羊水がシャンプーの匂い!
と思ったことは、過去に一度もありません。

羊水はどれも普通に
羊水の匂いがしました。
鼻が悪いのかなー(笑)

シャンプーに含まれる化学物質、
つまり界面活性剤は
水と油のように、そのままだと反発しあって
混ざり合わない性質のもの同士をなじませ
均等に混ぜ合わせて安定させる働きをしてくれる
成分です。

水と油をベースにして、
たくさんの種類の原料をなじませて作る
アイスクリーム、ドレッシング、バター、牛乳、
チョコレートなどの食品や

医薬品、歯磨き粉、石けん、洗剤など
相反する成分同士が分離しないように
働いてくれていて

わたしたちはさまざまな場面で 界面活性剤のお世話になりながら
生活しています。

界面活性剤は、なんとなく「体によくない」
という負のイメージが先行していますが、
本来、人間の体や植物中にも存在している成分なので
決して悪いものではありません。

ボディーソープ、シャンプーリンス、化粧品などに
わたしたちが求める機能は
洗浄力、泡立ち、乳化、保湿力など
たくさんありますが、

高い機能だけを追求していくと、
自然界にある天然の界面活性剤 単独では役不足なんですね。

そこで、
人工的な石油系、アルコール系の人工界面活性剤が
登場することになります。

これらは自然界に存在するものに比べると
はるかに泡立ちがよく、
驚くほどに洗浄力があります。

ハイレベルのニーズに応えるために
使用されている界面活性剤は
わたしたちの肌の必要な皮脂まで
取り除いてしまうほど強力です。

なので、もともと敏感肌の人や赤ちゃんだと
洗浄力が強すぎる安価なシャンプーなどを 使うことで肌荒れの原因になる場合があります。

とはいえ、これは
肌の表面で起こる急性的なトラブルであって、
内臓に化学物質が慢性的に蓄積し
毒性を発揮するようなディープな話ではありません。

もしも、
シャンプーに含まれる化学物質が
頭皮から体内に浸透していったとしたら

子宮に流れて溜まる以前に
まず脳の細胞を乳化(溶かす)してしまうはずです。
え・・・それって命の危機やん。

最近は「化学物質過敏症」という病気も
認知されるようになってきています。

ですが、
現在の日本の法律としては
摂取しても100%分解・吸収できる成分しか
使用してはいけないことになっています。

化学物質過敏症は、
ある種の化学物質に対して 身体が過敏に反応し体調を崩す病態であり、

内臓に化学物質がどんどん蓄積されていくという
話とはちょっと違います。

そもそも、界面活性剤の毒性に関して
誰もを納得させ、国が動き出すほどの
信ぴょう性の高い研究論文は
どこにも見当たりません。

肌から吸収する成分として、
塗り薬や貼り薬がありますが

病院や薬局で処方・販売される
『医薬品』については
複雑な仕組みによって
経皮的に体内に吸収されるように作られていて
シャンプーの化学物質の浸透と
混同して考えるには無理があります。

なので、安価なシャンプーを使って
強すぎる洗浄成分によって肌が乾燥し、
そこから誘発される肌トラブルや 化学物質過敏症状が出現する可能性はあっても

子宮にまで有害物質が混入蓄積し
羊水にシャンプーの匂いが移るなんてことは
科学的に考えてありえません。

子宮に溜まるのなら、羊水だけじゃなくて
おりものの匂いや月経血の匂いも
シャンプーみたいになるんじゃないのかな?

肌は、
外からの異物が簡単に体内に入り込まないように
何層もの強いバリア機能を持っています。

仮に化学物質が 表皮の一番上にある角質層を突破できたとしても、
その下には厳重なセキュリティーシステムが
次々に待ち受けています。

さまざまな外的物質の侵入を
防いでくれる肌の防御システムは、
さらに「浸透させるものを選ぶ」 というスゴ技さえも持ち合わせています。
体内に蓄積どころか、 皮膚を通過することすらできないわけです。

なので、
シャンプーに含まれる化学物質を
皮膚から体内に吸収させ蓄積させようと思ったら
生体防御システムに反する
ものすごく難易度の高い技術が問われるわけで

今の科学じゃ到底叶いません。
できたらノーベル賞(笑)

ということで。

羊水が
シャンプーの匂いになるなんてことは
ぜったいにありません!

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