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2020.03.13

自分に帰れ

ばぶばぶ移転の準備、
住居、子どもたちの学校・・・

沖縄移住関連
只今、やることだらけ
追われまくってます!

気づけば月に1回は沖縄に足を運んでいて
おかげで知り合いがたくさんできました。

本土からの移住組、
昔から平安座に暮らす生粋の沖縄人など
さまざまですが、
島人たちはみんなおおらかで親切です。

のんびりゆったりマイペースで
シャイなくせに楽天的(どないやねん笑)

細事にこだわらないけど嫌みがなくて
いい人ばかりです。

お世話になっている島人のひとりに
70歳過ぎの〝おじい〟がいます。

「ぼくはねー
ギャンブルはしないさぁ。
でも女は好きだからねぇ
常に3人~5人ぐらいはそばにいてね、
あ、隠し子もいるんだけどね~」

隠し子って隠すもんじゃないん?
大丈夫なんでしょうかね
堂々と公言してるやん。(笑)

僕よりずっとおもしろい人のところに
連れて行ってあげるよ、と
隣の島の高台の集落へ案内してもらいました。

沖縄固有の赤屋根の古民家
柱がところどころに立っているだけで
建具はどこにもなく、開けっ放しの室内。

なんだここは・・・!?

重要文化財指定の建造物か?
それとも民俗学博物館?

地元で『仙人』と呼ばれているその人の家には
ただ、床が広がっているだけでした。

そもそも、どこからが居住空間で
どこからが外なのかの
境目さえもよくわかりません。

片隅に囲炉裏がありました。
電気もガスもなく、家具もなく、お風呂もなく、
唯一、柱にかけられたハンモッグで
眠っておられるようです。

「あ~魚取りに行ってるのかなぁ
留守だねぇー」

暮らしているのは50代のご夫婦。
ここまでくると、もうぶっ飛んでるとしか
言えません。すごすぎる・・・

柱に掛けられた木板を発見。

「自分に帰れ」

と書いてありました。

沖縄

「自分に帰れ」って
どういう意味なんだろう?

「自分に帰れ」=「本来の自分自身に還れ』

そういうことですよね、きっと。

情報過多で慌ただしい世の中に生きるわたしたちは
ついさまざまなことに惑わされがちになります。

そんな中で、自分は本当は

何を望んでいるのか?
何が一番大切なのか?

みんな当たり前に電気やガス、水道のお世話になり
電化製品に囲まれて生きてますよね。

一昨年の9月、
台風24号で3日間の停電を経験したとき、
インターネットが使えなくなり
スマホの充電ができなくなり、
冷蔵庫が止まり、近くのスーパーが休店になり
信号が止まりました。

電気が使えなくなった静かな夜、
懐中電灯のほのかな灯りの下で
家族間の会話が増えました。
だってほかにすることがないから。

いつもよりたくさんの虫の声や風の音が
聞こえてきました。

電気のない生活は、
外の世界から離れて、自分を振り返る
いい機会になりました。

自然災害による停電は
一時的なことですが、
仙人の暮らしは、電気もガスもないのが通常なわけです。

いったいどんな暮らしぶりなんだろうか。
どんなことを思って
どんな価値観で暮らしているんだろうかと
想像は膨らむばかりです。

欲しいものが手に入らないからこそ
創造力が発揮できるようになるのかな。

というか、
仙人は、欲しいものなんかないのかもしれない。

欲しいものってそれぞれ違うし、
本当は必要じゃなかったりもしますよね。
欲しいものと必要なものも、混同しがちです。

本当に必要なものなんて
ほとんど何もないって気付かされたら
とつもない開放感を感じるのかもしれないです。

そしたらどんなことにも影響されなくなって
生きていくことそのものが
楽になっていくのかもしれません。

仙人の家には当然、時計もありません。
日が昇ると始まって
日が沈めば終わる毎日。
それぐらいシンプルなものなのでしょうね。

本質的には、
わたしたちを動かしているのは
時計じゃありません。

時間は概念であって、
人を支配するものではないと思います。

仙人は超越しすぎていて、
わたしにはとても真似できませんが

沖縄には特有の時間の流れ方がやっぱりあって、
おじいと夕方5時に待ち合わせの約束をしても
悪びれもなく平然と遅刻です。

「5時は、整体に行ってたさー」

そうなんかーーー
おじいっ!( ̄^ ̄)

でも、それも悪くないんですよね。
だってここはそういうところだから。

何度も訪れる沖縄で
かわいい子どもたち、愛する旦那さんと
過ごす大切な時間だったり

島にあるのはそれだけじゃないです。
「どこにいるべきか」とか
「どうあるべきか」とか
そういうのを忘れていきます。

ゆったりと解放された島時間に
心がだんだんほどけていき
心身ともに柔軟になって
物事を広く見つめることができるようになります。

仙人の生きざまが物語るように
欲や目先のことにとらわれることなく
大切なことに気づいていけば
人生に無駄がなくなっていくんだろうなぁ。

旦那との関係も、子育ての悩みも、
ママ友付き合いなどの人間関係も、
仕事のストレスも、

自分の中の曇りや緊張を取り除いて
足を引っ張っているネガティブな思いや
記憶から解放されると

本来の自分に気づいて戻っていき
安らぎや知恵が得られる・・・

『自分に帰れ』って
そういうことなのかな、と思いました。

うまくいかないことがあったときに
悩んだり、周囲や環境のせいにしたり
ときには人を恨んだりしてしまうことも
ありますよね。

戦わない
比較しない

感情にとらわれないように
自分の内面を見つめたり、観察する機会を持つことは
大事ですね。

世の中は回り続けています。
子どもたちは知らない間にどんどん成長していきます。
わたしたちもあっという間に年齢を重ねていきます。

概念としての時間のスピードを
コントロールすることなどできないから、
その流れに身を任せて楽しむ。
沖縄生活はこれに尽きるのかな。

あの家に暮らしている仙人にも
そのうちお会いして
話を聞きたいと思っています。

わたしにとっては電気ガスのない暮らしは
自然体ではありません。
つまり、仙人生活をすることは、
自分を偽り背伸びした状態でしかないと思います。

それって、
「自分に帰れていない」
ですよね~。

だから、真似しようとはまったく思わないけど(^_^;)

この土地で出会った人との繋がりを大切に
新しい関係を紡いでいこうと思っています。

今日夕方に大阪に戻ります!

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