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2023.11.06

乳児の脂漏性湿疹の症状とは?原因と家庭でのケア

助産師HISAKO

執筆:助産院ばぶばぶ院長 助産師HISAKO

2006年開設の「助産院ばぶばぶ」で育児支援を15年以上担当。YouTube「12人産んだ助産師の子育てチャンネル」のフォロワーは50万人以上。自身も12子の母。

こんにちは。助産師HISAKOです。

赤ちゃんの肌はとても繊細です。少しの刺激にも過敏に反応し、さまざまなトラブルが起こりやすいです。

出生後しばらくは頬ずりしたくなるツヤ肌だったのに、生後2〜3週間を超えたある日、

顔にブツ・・・ん?と思っているうちに、ブツブツ・・・そしてみるみるうちにブツブツブツ・・・もう止まらな〜い!(キャー!)

この記事では、新生児期から乳児期前半(3〜4ヶ月まで)に起こりやすい脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)について、正しい知識とケア方法について語らせていただきます!

乳児脂漏性湿疹とは?どんな症状?

脂漏性湿疹(しろうせいしっしん)は、新生児期後半(生後20日頃〜)から生後3〜4ヶ月頃にかけて現れる乳児湿疹の一つです。


主な症状は、

  • 細かい水ぶくれが壊れて黄色い汁が固まったようなものが、かさぶたやウロコのように何層も肌や頭皮に張りつく。
  • 汁が固まったようなものとボコボコと膨らんだ赤いブツブツが混在
  • 洗っても洗っても頭からフケのようなものが次々に出てくる

このような湿疹が前頭部、顔、首周り、胸部などの主に上半身、皮脂腺の多い場所に出ます。

俗に赤ちゃんの匂いは「ほんのり甘いミルクの匂い♡」と表現されますよね。でも実は、脂漏性湿疹が出やすい低月齢の赤ちゃんの顔や頭は、見た目にもギトギト&テカテカしています。

そっと鼻を近づけクンクンしてみると・・・衝撃の臭いにママは一発ノックアウト!脂にまみれた野生的で動物的な強烈な臭いに、思わず大爆笑してしまうことでしょう。(でもクセになる)

乳児脂漏性湿疹の原因は?

第二次性徴を迎えた思春期の子どもたちの顔にニキビができる原因は、性ホルモンの分泌が始まり、皮脂の分泌が急激に増加、毛穴に皮脂が詰まるから。

ママのおなかの中にいる時代の胎児も、母体からたくさんの性ホルモンを譲り受けます。

ですので、生まれたての赤ちゃんはこれらのホルモンの影響をもろに受けてしまいます。

赤ちゃんなのに、思春期同様に皮脂を過剰分泌。

そこへ、赤ちゃん特有の肌のバリア機能の未熟さや、外部からの刺激などが複合的に絡み合って、思春期ニキビならぬ、乳児脂漏性湿疹を引き起こすと考えられています。

乳児脂漏性湿疹は自然に治る?

赤ちゃんは、思春期の子たちのように自力で性ホルモンを作り出す能力はありません。

あくまで、ママから移行した性ホルモンに一時的な影響を受けるだけなので、脂漏性湿疹ができてしまったとしても、多くの場合、生後3〜4ヶ月までに自然におさまっていくことが多いです。

ただし、症状が悪化したり長引く可能性もなきにしもあらず。

だんだんかゆみを感じるようになり、かきつぶしてしまうと、バリア機能の弱った肌に細菌が感染して炎症が悪化。ジュクジュクになります。

小児科、皮膚科の受診のひとつのポイントは、「かゆがる様子があるかないか」

病院では、ステロイド軟膏や保湿剤の処方などが行われます。

脂漏性湿疹(乳児期前半)と乾燥性湿疹(乳児期後半)の違い

新生児期から生後3〜4ヶ月までの脂漏性湿疹は皮脂の過剰分泌が原因であるのに対し

生後5〜6ヶ月以降は、皮脂欠乏による肌の乾燥が主な原因の乾燥性湿疹が目立つようになっていきます。

皮脂の過剰分泌と皮脂の欠乏。脂漏性湿疹と乾燥性湿疹は、なんと原因が真逆なんです!

症状の出方や発症する部位にも若干の違いがあります。ですが、どちらも乳児期に出る湿疹ということから、まとめて「乳児湿疹」と呼ばれます。

脂漏性湿疹とアトピー性皮膚炎の違い

脂漏性湿疹は時期が来れば自然に落ち着くことが多く、かゆみなどの不快感がないのが特徴です。ですが、症状が悪化してきているのに十分な対策を怠って放置すると、

強いかゆみを伴った赤いブツブツやジュクジュクが、顔から始まって次第に下半身に拡がっていくアトピー性皮膚炎に移行することがあります。

最初は軽い脂漏性湿疹だったのに、気づけば根治性のアトピー性皮膚炎へと進行してしまうケースがあるのです。

思春期ニキビも、性ホルモンの分泌が安定してくると自然に落ち着いてきますが、悪化しているのに放置すると、毛穴の中のアクネ菌が繁殖し続けて炎症を起こしてしまったり、デコボコしたニキビ跡になってしまうことがありますよね。

脂漏性湿疹も思春期ニキビと同様に一時的なものですが、炎症をこじらせて、アトピー性皮膚炎に移行してしまうと長期にわたる治療が必要になります。

ですので、軽い脂漏性湿疹のうちに正しいスキンケアで悪化を防ぎましょう!

▼関連記事を読む

乳児湿疹とアトピー性皮膚炎の違い。見分け方や対策は?

お家でできる赤ちゃんの脂漏性湿疹のケア

脂漏性湿疹ができてしまったら、何をすればいいでしょうか。家庭でできるケア方法をご紹介します!

お風呂は1日1回、ママの手のひらでやさしく洗う

お家のお風呂にパパママと一緒に入れるようになるのは生後1ヶ月を過ぎた頃から。新生児期はベビーバスを使用して沐浴をしますよね。

過剰な皮脂が黄色いかさぶた状になって固まっているときは、沐浴の30分ぐらい前にベビーオイルやワセリン、オリーブオイルなどで柔らかくふやかしてから洗うと取り除きやすくなります。

ですが、一度のお風呂でフケやかさぶたをすべて取り除こうと思わないでくださいね。ちょっとずつ、ちょっとずつ・・・ですよ〜!

また、洗い流す必要のない沐浴剤も市販されていますが、沐浴剤にはリンス作用があります。

低月齢の赤ちゃんは、ただでさえ皮脂の過剰分泌があるので、沐浴剤による皮膜をさらに肌に重ねると脂漏性湿疹の悪化につながりかねないので注意しましょう。

石けんや赤ちゃん用ボディソープでなでるように洗いましょう。泡はしっかりと洗い流し、擦らないようタオルでそっと拭き取ります。

わたしが開発した赤ちゃん用洗浄料『ポメロ』は、脂漏性湿疹のできやすい月齢の赤ちゃんの余分な皮脂を洗い落とし、必要な分だけをキープしつつ洗い上げてくれますよ。

お風呂のあとの保湿も忘れずに

「皮脂の過剰分泌があるなら保湿は逆効果では?」と思いますよね。だけどお風呂のあとは、赤ちゃんの肌は一時的に急激に乾燥します。

乾燥すると体は「皮脂が足りてないぞ!」と働くので、皮脂の分泌を余計に増やすことになってしまいます。

そのため、お風呂のあとはきちんと保湿して水分と油分のバランスを整えてあげましょう。

外部からの異物刺激をもろともしない肌は、わたしたち大人の保湿サポートが絶対的に必要です。

弱い肌バリアをすり抜けて体内への異物侵入を防ぐため、保湿剤を使用して毎日欠かさず継続的な保湿ケアを行いましょう。

本来スキンケアは、大人でも赤ちゃんでも手順は同じです。

① ローションで角質層に水分を補う
② 乳液で水分と保湿成分をキープ
③ クリームで水分蒸発を抑える

・・・でもこの手順、地味にめんどうだし、ややこしくて何をどう使っていいのかよくわからないですよね。

そこでわたしは、無添加にこだわり、ミネラル成分豊富な沖縄の海洋深層水をベースに厳選した原料で、赤ちゃん向け保湿料『マシュマロ』をつくりました。

赤ちゃんの肌に必要な水分と油分をバランスよく繰り込み、肌の内部の水分を外に逃がさない保湿に効果を発揮します。

あれこれ塗る手間がないぶん、赤ちゃんの不安定な肌に与える物理的な刺激を最小限にできることも魅力です。

乳児脂漏性湿疹のよくある質問

では、赤ちゃんの脂漏性湿疹に関する疑問や質問をいくつかピックアップして、回答していきますね。

Q. かさぶた、こすったりはがしたりしたくなる〜!

A. かさぶたやフケ、ごそっと取れると快感ですよね!ちょっと負担をかけてでも取り除きたい衝動に駆られるママの気持ち、よくわかります〜!(欲望に負けて過去に何度もやっちゃいました・・・)

無理にはがして肌を傷つけないよう、愛しいわが子のため、グッと我慢です!一気にキレイにしようとせず、優しく少しずつ取り除くことを意識しましょう。

Q. かさぶたがはがれると透明な汁が出てきます。

A. かさぶたの下から出てくる液体は滲出液といいます。

傷ついた肌を修復するための優秀な成分がたくさん含まれていて、脂漏性湿疹の自然治癒にとても重要な役割を果たします。

乾かしたほうがいいと思われる方も多いかもしれませんが、滲出液は出ていて大丈夫です。

ただし、滲出液が固まってかさぶた状に積み重なってしまうと、なめらかな肌を再生することを妨げてしまうので、かさぶたは無理のない範囲で取り除いてあげてくださいね。

Q. 母乳育児をしています。脂漏性湿疹の原因はママの食事も関係していますか?

A.ママの食事内容と赤ちゃんの脂漏性湿疹には関連性はありません。

つまり、母乳の成分が原因で脂漏性湿疹ができることはありません。バランスよくしっかり食べて母乳育児を楽しんでくださいね!

悪化しているかも?と思ったら病院へ

脂漏性湿疹の症状が長引いたり、悪化していると感じたら、早めに病院を受診しましょう。

脂漏性湿疹なのか、その他の肌トラブルなのか、よくわからないときは専門家に適切なアドバイスをしてもらうのが最善です!

「よくわからないこと」ほど、ママを不安にするものはないと思います。

赤ちゃんの肌に何が起きているのか。どんなケアが適切なのか。ハッキリ分かればママの気持ちも少し前向きになれますよね!

まとめ

乳児脂漏性湿疹は、見た目に痛々しくて、赤ちゃんに対してなんだか申し訳なくて謝りたい気持ちになります。

でも、これだけは覚えておいてください。ママのお世話が足りなくて脂漏性湿疹になるわけではありません。

地球に生まれ、育っていく過程で避けることのできない、乳児期前半の皮脂の過剰分泌。それは生理的に誰もがみんな経験する通過点です。

だから、沈んだ顔して「ママのせいでごめんね」なんて無用です。

それよりも、「ママと一緒にキレイな肌をめざそうね!」と笑顔で声をかけてあげてください。

思春期ニキビ同様、多くの場合自然によくなるものですが、悪化させないように適切なケアを継続することはとても大切です。

そうしながら治る時期を根気よく待ちましょう。

第12子が生後2ヶ月だった頃、第6子が思春期真っ只中の中学生でした。

赤ちゃんと中学生、2人とも顔のテカテカがハンパなかったので、どれだけ過剰な皮脂が分泌されているんだろう?と興味津々・・・油とり紙で実験。

「うっひゃ〜想像以上っ!」とびっくりした、助産師HISAKOでした!(よい子はマネしないでね笑)

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助産師HISAKO

執筆:助産院ばぶばぶ 院長 助産師HISAKO

1974年生まれ。
総合病院産科、クリニック勤務を経て2006年大阪市阿倍野に「助産院ばぶばぶ」開設。母乳育児支援・育児相談を中心に、自治体育児支援訪問・妊婦教室を15年間にわたり担当。パパママ向け講演、専門職向けセミナー、教育現場では性教育等の出張授業を展開。

2020年沖縄県うるま市に助産院移転を機に『【12人産んだ】助産師HISAKOの子育てチャンネル』配信開始。妊娠出産育児を科学的根拠に基づき解説、自らの経験から得た学びを元に肩の力が抜ける子育ての考え方のヒントを提案、2023年YouTube登録者50万人以上に。

書籍、雑誌等の執筆活動、テレビラジオ等メディアにも多数出演。

また助産師とママ両面の視点から母子の健康と笑顔に直結する良質の保湿料をはじめ、こだわり商品の開発、製造販売を展開。

プライベートでは1998年から2020年の間に12人を出産。子だくさん助産師として認知されている。

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