赤ちゃんの耳のジュクジュクは乳児湿疹?原因と自宅での対策は?
こんにちは。助産師HISAKOです。
赤ちゃんの耳がカサカサ、ベタベタ、ジュクジュクしている・・・
これって乳児湿疹?外耳炎?病院に行くべき?
ママはとても心配になりますよね。
この記事では赤ちゃんの耳にできる湿疹についてわかりやすく解説します。
これ以上悪化させないようお家でできるケア、そして適切な治療。
ぜひ最後まで読んでいただき、正しい知識を持って小さくかわいい赤ちゃんの耳を健やかに保ってあげましょう!
赤ちゃんの耳に乳児湿疹ができる原因は?
1歳までの赤ちゃんの肌トラブルを総称して『乳児湿疹』と呼びます。
過剰な皮脂、乾燥、摩擦、汗、食物、体質、遺伝的要素など・・・『乳児湿疹』と表現される状態を引き起こす原因はたくさんあります。
身体のどこに現れても不思議はないのですが、耳に症状が現れる場合は、〝耳だからこその理由〟があるんです!
清潔を保ちにくい耳の形状
表面の凹凸が激しい天然木の家具は、とってもオシャレでかわいいけど、ほこりやゴミが溜まりやすいという難点がありますよね。
赤ちゃんの耳もそれと同じで、とってもかわいいんだけど凸凹が激しく、さらに折れ曲がった形状をしているので、身体の他の部位と比較して皮脂や汗が残りやすいのです。
また、向きぐせがある低月齢の赤ちゃんは、いつも決まった側の耳を寝具に押し付けて寝ていることが多いです。
母乳やミルクの吐き戻し、涙、よだれなどの刺激物が耳のくぼみに溜まったまま蒸れてしまうので乳児湿疹ができやすいです。
新生児〜生後4ヶ月頃まで
新生児〜生後4ヶ月頃までは、耳の穴の出口付近から黄色い耳だれのようなベタベタした分泌物が出たり
耳介のくぼみにかさぶたのようなガサガサがたくさんできる『脂漏性湿疹』が起きやすい時期です。
不安定なホルモンバランスによる皮脂の過剰分泌が原因です。
生後4ヶ月以降
皮脂の過剰分泌が落ち着いて、一見モチモチに見える赤ちゃんの肌ですが、皮膚がとても薄いため、十分に水分を蓄えることができません。
水分の少ない肌は外からの刺激に対して過剰に反応しやすい状態です。
赤ちゃんは汗をかきやすく、汗が蒸発するときにも一緒に水分が奪われてしまいます。
生後4ヶ月以降になると、乾燥が主な原因で耳たぶの付け根がカサカサして切れるなど、『乾燥性湿疹』が増えていきます。
耳にできる乳児湿疹の症状とは
耳の裏、耳たぶの付け根、耳の穴の出口など、あらゆる部位に出現します。
カサカサ、ベタベタ、ジュクジュク、臭い、ただれ、汁や膿、赤み、かゆみなど、さまざまな症状が出ます。詳しく見ていきましょう。
耳がカサカサしている
乾燥、衣類、離乳食、汗、涙、よだれなどの刺激や、洗い方が不十分だったり、古い角質がうまく排出されずに残っているときなどに起こります。
赤ちゃんの耳の湿疹で最初に現れる症状です。
耳がベタベタ、ジュクジュクしている
赤ちゃんは抵抗力が弱いので、最初はほんの小さなカサカサした傷でもひっかいたりこすったりすることで、だんだん範囲が広がって赤みが増しベタベタの状態になっていきます。
汁が出たり出血したりを繰り返すうちに、傷口に細菌感染を起こして化膿するとジュクジュクします。
耳の裏側がただれている
家具の裏側はつい掃除をおろそかにしてしまいますよね。耳の裏側もうっかり洗うのを忘れてしまったり、洗い方が不十分になりがちな部位。なぜなら〝裏〟だから!(笑)
耳の裏は、すすぎが足りなかったり、お風呂上がりの拭き取りが中途半端になってしまうことも多いため、肌バリアが傷つき、軽いカサカサの肌荒れから始まって、悪化すると細菌感染を起こしてしまいます。
耳切れが痛そう
ねんね時期の赤ちゃんがグズって泣くと、涙は上から下へ・・・耳に向かって流れ落ちます。
涙、よだれ、汗、皮脂・・・耳のくぼみに溜まったさまざまな刺激物は、最終的に赤ちゃんの耳の付け根部分へと移動します。
そして赤ちゃんは腕が短いですよね〜(笑)
両手を上げたときに、もっとも触りやすい位置にあるのが耳なんです!離乳食まじりのよだれが付着した小さな手で自分の耳をわしづかみにして遊んでいる(?)姿もよく見ます。
つまり、耳の付け根の肌はとくに多くの刺激を受けやすく、赤みを伴ったひび割れ(耳切れ)が起きやすい部位なのです。
耳だれが出てきた
耳だれは、耳の穴から鼓膜までの外耳の皮膚が傷つき、細菌感染を起こす『外耳道炎』の可能性があります。
かゆがったり、不快な臭いがすることも。ひどくなると腫れたり痛がって泣いたりするようになります。
関連記事:乳児湿疹と赤ちゃんのアトピーの違いとは?見分け方や対策は?
耳の乳児湿疹の治療とお家でのスキンケアについて
赤ちゃんの耳にできる乳児湿疹。症状の強弱は、
・刺激の強さ
・刺激の持続時間
この2点に大きく左右されます。
細菌感染による炎症が起きてしまった重症の湿疹の場合は医療機関処方のステロイド薬による治療を行いますが、軽度の場合や悪化させない予防の基本は、原因となる刺激をなるべく減らすこと。
そしてお家での日常の保湿ケアをしっかりと行うことです。
では、自宅でできるスキンケア方法を詳しく見ていきましょう!
汗やよだれはこまめにふき取る
汗やよだれは肌を刺激し、湿疹を悪化させる原因になります。赤ちゃんが汗をかいたり、よだれが出ていたらスタイを有効活用しつつ、柔らかいガーゼなどで優しくおさえ拭き。こすらないようにしましょうね。
その都度洗い流してもいいのですが、洗いすぎると乾燥を促し、かえって湿疹を悪化させてしまうこともあるので注意しましょう。
耳掃除はほどほどに
外耳道炎は耳掃除のしすぎで耳の中を傷つけることで発症することも多いです。
耳垢は自然に外へ排出される仕組みがありますので、1歳ぐらいまでの耳掃除は、耳の入り口と汚れやすい耳介、耳の裏側だけ。ベビー用綿棒で優しく拭う程度に留めましょう。
また、耳だれに気づいたら早めに耳鼻科で診てもらいましょう。
お風呂では耳の裏までていねいに洗う
お風呂では、肌に優しい洗浄料で優しく洗うことが大切です。とくに耳の裏は皮脂や汗がたまりやすい部位なので、忘れずに洗ってあげてくださいね。
皮脂汚れなどが取れにくく固まっているようなら、入浴前にベビーオイルやワセリンを塗ってふやかしておくと、お風呂で洗いやすくなります。
わたしが開発した赤ちゃん向け洗浄料『ポメロ』も使ってみてください。自然素材でつくられているので、耳はもちろん、頭皮から全身まで、デリケートな赤ちゃんの肌を優しく洗い上げることができます。
洗浄料は赤ちゃんの肌に毎日使うものだからこそ、こだわって選んであげてくださいね。
お風呂上がりは水分をしっかりふき取りすぐ保湿
耳はくぼみや凹凸があるので、お風呂上がりはていねいに拭き取ります。乾燥する前にくぼみの中、耳の裏まで保湿ケアをすることで湿疹などの肌トラブルを予防、または最小限に。拭き残しや不十分な保湿は逆に湿疹の原因になることがあります。保湿ケア後の耳に広げたティッシュを当てて、くっついて落ちない程度のしっとり感が目安です。
保湿料は赤ちゃんの肌に合うものを選ぶ
赤ちゃんの肌は敏感なので、保湿ケアの際、使用する保湿料にもこだわってあげましょう。
肌に直接つけるものだから、なるべく刺激の少ないものを選ぶことをおすすめします。
わたしが2年かけてプロデュースした、赤ちゃん向け保湿料『マシュマロ』は、赤ちゃんに安心してお使いいただけるよう、無添加にこだわりました。
ミネラル成分豊富な沖縄の海洋深層水がベースで、乾燥した赤ちゃんの肌に、栄養たっぷりの水分がぐんぐん浸透していきます。赤ちゃんの大切な肌のことを真剣に考えたい方にこそ、試してもらえたらと思います。
症状が長引く・ひどくなっている場合は医療機関へ
赤ちゃんの耳の肌トラブルに気づいたら、まずは上記に紹介したお家でできる対策を試してみてください。
乳児湿疹が悪化すると肌のバリア機能が低下して乾燥が進み、あらゆる刺激物が肌を介して体内に入り込むようになります。
その刺激によって湿疹がさらに悪化、アトピー性皮膚炎を発症させてしまう赤ちゃんもいます。
アトピー性皮膚炎の発症には遺伝的要素や体質などさまざまな要因が複雑に絡み合いますが、耳の乳児湿疹をアトピー性皮膚炎に移行させないよう、必要に応じて以下のような状態のときは医療機関を受診しましょう。
・粉を吹くほど乾燥している
・激しくかゆがる、痛がる
・黄色い汚れが固まっている。
・耳だれ、腫れ
・出血、汁が出てジュクジュクしている
症状が長引いたり、ひどくなったりする場合、小児科、皮膚科、もしくは耳鼻科を受診しましょう。赤ちゃんの肌はデリケートです。
悪化する前に受診して正しいケア方法を教えてもらったり、塗り薬を処方してもらいましょう。
放置して悪化させてしまうとかえって治療に時間がかかり、その分、肌への負担も多くなります。
まとめ
以上、赤ちゃんの耳の乳児湿疹について解説しました。
赤ちゃんの耳はまるで天然木の家具のように凹凸だらけ。汚れやすいからこそ、清潔に保つこと、適切な保湿を行うこと。こまめなケアが大切です!
わが家には天然木でできた大きな座卓があります。自然の曲がりや天板の節によくほこりやゴミ、子どもの食べこぼしが溜まっています。放っておくとカビの原因になったりします。
そうならないように、こまめにお掃除しなきゃと思いながらも、子どもの耳のケアを言い訳に、座卓の掃除を後回しにしているズボラな助産師HISAKOでした!