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2020.07.22

ワクチン同時接種、大丈夫なの?

ヒブワクチン、肺炎球菌ワクチンが国内に導入されたのは
2008年のことでした。

当時わたしは
地域で新生児訪問に回っている助産師でした。

訪問先では必ず
予防接種の説明をしていましたが、

当時はヒブも肺炎球菌も任意接種だったため
保護者の金銭的負担がとても大きく(1回1万円ぐらい!)
受けない(受けられない)選択をする人も
多かったように記憶しています。
(双子やったらどないすんねん、ちゅー話です)

ヒブ、肺炎球菌ワクチンの存在が広く認知されるように
なりつつあった2011年、
これらのワクチンを含む同時接種後の死亡報告が相次ぎ
接種が一時見合わせになり、
指導する助産師としても大混乱!
ということがありました。

その後、厚生労働省でさまざまな検討が行われ
接種と一連の死亡との間には
直接的な因果関係は認めない
という結論になりました。

日本はそもそも予防接種の数が少ないので
今でもせいぜい、
4〜5種類のワクチンの同時接種しか行われませんが、

海外ではもっと以前から
日本の何倍もの数のワクチン接種が行われていて
同時接種におけるリスクは数多く検討されています。

海外における科学的根拠と
膨大な臨床経験の歴史が最大のエビデンスであり、

複数のワクチンを同時接種しても
重い副反応の増加は報告されていないことを理由に
現在では、ワクチンの同時接種による安全性については
心配はないとされています。

だけど、日本は用心深くて保守的な文化をもった国なので
「大丈夫だから!」と言われても、
同時接種はやっぱり不安・・・

安全パイで
ひとつずつ地道にワクチンを打っていく
方法を選択する小児科が当時、激増しました。

なので、
その時期にママになった人たちは
本当にたいへんだったんです!

ヒブ、肺炎球菌、ロタ、四種混合は
1回接種で終わるものではなく、
複数回の接種が必要ですよね。

・・・ってなると、予防接種のために
赤ちゃんを生後2ヶ月から半年間以上にわたって
毎週毎週、小児科に連れていかなくてはならず
ママたちは過密スケジュールに振り回されました。

さまざまな感染症にかかるリスクの少ない
第一子ちゃんはまだいいですよ。

これが2人目、3人目となると、
上の子がさまざまな感染症を
持って帰ってくる環境で育っているわけで

鼻を垂らしている、咳が出ている、などなど、
毎週の予防接種がスムーズに進むはずもなく・・・

1つずつの地道接種では
とてもじゃないけど予定通りに進まず、
やきもきしたのを覚えています。

そんな経緯を経て、
2020年現在では赤ちゃんへのワクチン同時接種は
ごく当たり前の世の中となりました。

生後6ヶ月未満は乳児突然死症候群(SIDS)の
後発時期でもあるので
ちょうどその時期に重なって受けるワクチン接種の直後に
SIDSが紛れ込んでしまうことは避けられません。
(予防接種とSIDSの関連性はないと結論づけられています)

乳児早期から同時接種を積極的に行うことで
予防接種のための受信回数を減らし、
医療資源の効果的運用やSIDSや
予防接種に無関係な発熱などの紛れ込みを
減少させることが大切だというのが今の主流の考え方です。

同時接種、単独接種にかかわらず
「免疫がつく」というワクチンの主作用以外に出てしまう
ワクチンを接種したときに出る反応が
あることは事実です。

具体的には、接種部位の腫れ、発熱、発疹など
これらを「副反応」といいますが

ワクチンの説明書には
ワクチンと関係したのかどうかわからないすべての副反応が
記載されています。

例えば、
ワクチンを受けたあとに風邪をひいて熱が出たとしても
副反応として発熱がカウントされちゃったりするんですよね〜。

本来は、ワクチンとは関係ない反応は
「有害事象」といいます。

日本ではまだ有害事象とワクチンの副反応をわける
という考え方がないので
『予防接種=副反応が多い』
と勘違いを引き起こす誘引にもなっているようです。

ワクチンによる副反応の発熱は、
だいたい接種翌日に起こります。
そして1日で解熱します。

機嫌が悪くミルクも飲めないなど、
明らかに元気がない場合や
熱が2日以上続くようなときは
ワクチン以外の発熱が考えられます。

腫れは、1週間ぐらいで改善します。
どんどん腫れが大きくなって痛がり、
関節が動かせないようなことにならないかぎりは
受診する必要はありません。

あ、ちなみに10年前までは
赤ちゃんのワクチンデビューといえば、
生後3ヶ月でのBCGが
基本中の基本だったんです!

うちの第5子までは、
0歳児のときに受けたワクチンは

BCG→3種混合2回

以上!
たったそれだけでした。(少なっ!)

あれだけ

「BCGが一番大事、結核は怖い!」

って、ママたちに説明していたのに、

2013年に、

・4ヶ月以下の接種で骨炎や骨髄炎などの
副反応が多くなることがわかったこと

・15歳未満の小児結核の発症が劇的に減っていること

・追加された新しいワクチン、
ヒブワクチン、肺炎球菌、4種混合、ロタ、B型肝炎など
BCGより優先して接種しなければならないワクチンが増えたこと

3つの理由により、
指導内容がゴロッと180度変わりました。

意図的にBCGを遅らせないと
ワクチンの数が多すぎて
スケジュールが立てられない!

ということで、
あれだけ最優先と言われ続けていたBCGが
0歳児のワクチンの中で
一番最後でいいということに
変更されました。(もう、わけわからん!)

子育ても、医学も、
時代とともにめまぐるしく変化していきます。

新型コロナウイルスの流行にも通じますが、
時代の流れに乗り遅れることなく
最新知識や価値観を柔軟にアップデートさせつつ
ママたちに向き合っていかなくちゃなぁと思います。

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