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2020.09.03

子どもが発達障害なら、ママは仕事は無理なのか?

発達障害の子どものことについての相談は
とても多いです。

でも実は、
ママたちが思い悩んでいるのは、
子どものことだけではなく
自分自身の『生き方』についてのことも。

わが子に発達障害がある、
もしくはグレーゾーンだと

「母親として、育てにくいこの子との時間を
最優先しなければならない
このまま仕事を継続していくのは無理」

と考えてしまうママがすごく多いです。

発達障害児の子育てと、ママの仕事
両立することはできないのでしょうか?

葛藤はあります。
だけど、忙しい日々の中で少しだけ立ち止まり
今後の子ども、自分自身の働き方について
前向きに考えてみてほしいなと思います。

他の子より育てにくい子だったとしても
小さいうちは体も心も幼いゆえに
ある程度、支配的に封じ込めたり
ごまかしてしまうことも可能。

でも、成長し、
発達障害児が小学生ぐらいになったとき
体力的にも、精神的にも
いろいろ彼らなりにレベルが高度になってきて

ママひとりで抑え込めない場面に何度も
遭遇するようになります。

感情コントロールが難しかったり
ある種の強いこだわりを持っていたり
空気を読めない行動をしてしまったり、
衝動性を抑えられず誰かを傷つけてしまったり。

ママが仕事をしていたら
通常は、放課後は
一般的な学童保育に預けるのですが

特性を持つ発達障害児を
放課後どこで過ごさせるか・・・

不安だらけです。

結局

「ママや学校の先生の目の届かないところで
人に迷惑をかけてしまう」

「放課後、預け先がなくて
仕事を続けられる気がしない」

「仕事をしながらの送り迎え、
勉強や生活面でのサポートが難しい」

それって、全部ママが仕事してるせいで
人一倍配慮の必要な発達障害児への関わりが
足りないがために出てくる悩みだと
思い込んでしまい

ママは、自分の生き方に自己嫌悪と自信喪失、
その精神状態が、敏感な発達障害児に
伝わってしまうという
負のループに陥ってしまいます。

発達障害児の子育てでは、
子どものことだけじゃなく
家族全体に向けたサポートが必須だと
日々、痛感します。

うちの6年生、ななちゃんは
発達障害児です。

自分の主観だけで人の発言をとらえる特性があり、
発言の意図を汲み取るのが苦手。
なので、些細なことでキレやすく、
自分の意見や気持ちを言葉にして相手に伝えることも
とても苦手です。

6年生にもなると勉強もだんだん難しくなってきて
算数なんてとくに!
もうわたしには教えられない~(苦手です・・・)

友達がスッと理解できちゃうことも
ななには理解に時間がかかったりもします。

昔はそんなの、彼女にとっては
どーでもいいことでしたが、

最近は成長してきて
「なんでみんなにできることが自分にはできないんだろう?」
と考えることができるようになってきたのか、
算数や英語には
「どうせ無理!」と拒絶反応を示すことも。

診断名は
ASD(自閉症スペクトラム障害)。

先日、中学進学に向けて
3年ぶりに心理発達検査(WISK)を受けました。

検査の結果は、

『得意なことと苦手なことの凸凹が
かなりハッキリと認められ、
支援学級での対応が望ましい』

6年生になってやっと
学校でも、友達と問題なく過ごせる時間が
増えてきた感じですが

1年ぐらい前までは
ななの成長や学校生活、友達との関わり方に
不安要素しかありませんでした。

わたしはフルタイムで月ー土勤務なので
小学生低学年の間は
他のきょうだいたちと一緒に
ななを普通の学童に預けていたんです。

上の子たち(定形発達)は、みんなそれで
とくに問題はなかったけど、
ななはそうではありませんでした。

学童の指導員さんは教員免許はなく
発達障害児に対する知識も乏しいため、

特別な配慮が必要な、
ななに対する対応の仕方で

あ~それはアカンやつ・・・
怒りのスイッチ入る・・・

が多く、

学童ではしょっちゅう、他学年の子や指導員さんとの
関わりの中でトラブルが起きて

指導員さんの手に負えない事態に発展、
わたしの仕事中に
お迎え要請の電話がかかってくる
こともしばしばでした。

発達障害児は、通常の学童ではなく
『児童放課後等デイサービス』という
専門知識を持ったスタッフが常在している
発達障害児専門の学童に
お世話にならないと難しい・・・

でも・・・

ななの場合、発達障害だとわかったのが
2年生のときで、

わたしは、職場まで片道1時間半の距離
しかも子だくさん。

毎日、仕事を終えてから
保育園、通常の学童、さらに発達支援の学童まで
送り迎えするなんて
とてもじゃないけど回りきれません!!

なので、彼女の発達の凸凹が確定してからも、
通常の学童で
しょっちゅう指導員さんに迷惑をかけつつ
わたしは謝り倒しながらなんとかやり過ごしてきました。

常にななのことが気になって、
電話がかかってくるとドキっとする毎日。

「なるべく早く迎えに行きます、すみません!!」

公私混同しないよう、
何があろうと仕事には集中しなくちゃ
という気持ちもあって

ななを学童に迎えに行けるのは
毎日18時半をすぎました。
帰宅は19時。

それから夕食、宿題・・・って言われても
ただでさえストレスを感じやすく疲れやすい
発達障害の娘、

学校で自分の席に座ってみんなと一緒に
授業を受けることだって、
友達と仲良く話すことだって、
学童で過ごすことだって

定型の子が何の苦労もなくできることが
ななにとっては何倍もがんばらなければ
できないことばかりなんです。

4年生のときは、
朝、登校するまでに小さなストレスが重なれば
もう学校には行けなくなっていたし、

毎日のように学校で暴れて
何名もの先生に力づくで押さえ込まれる場面が
ありました。

平和に1日が終わる日を探すほうが
珍しいぐらい。

そんなだから、
学校から帰ってくると彼女は疲れ果てていて
宿題も、明日の支度もなかなか進みません。

いちいちおだてて、気分を上げて
ほめまくってその気にさせて、手を貸しながら
毎日をやり過ごしていました。

実際、ほんとにたいへんでした・・・

だけど、

「ママ本当によくがんばってるね」

って、誰も言ってくれない。

むしろ、こんなたいへんな子を育ててて、
よくフルで仕事してるよね・・・

と、周囲の保護者さんたちには
思われていたんじゃないかと思います。

子どもが発達障害ということは
他のママさんたちにはなかなか理解してもらえません。

よその子にブチ切れて暴力をふるうことも
多かったため、周囲の目線は辛かった!

その後、4年生に上がるタイミングで
放課後の学童はもう限界だと判断し、
学童を辞めました。

4年生、10歳。
ストレスいっぱいの学童という環境で過ごすより
自宅でのんびり自分の好きなことをして
誰にもじゃまされずに親の帰りを待つほうが
精神衛生上いいだろうとの判断でした。

学校では
発達障害への理解がある支援学級の先生にも恵まれ、
わたしは安心して本音を話すことができました。

シングルマザーで教員として働きながら
統合失調症の娘さんと、定形発達の娘さん、
2児を育てておられる先生だったので

ななのことだけではなく、
自分の仕事に対する姿勢や
想いについてもたくさん聞いてもらいました。

「仕事、セーブしたほうがいいのかな・・・」

「わたしが家にいることが、ななのため?」

わたしの葛藤を
心底から理解してくださいました。

そして、

たくさんたくさん話を聞いてもらい、
さらに毎日の先生との連絡帳(交換日記?)の中に
ななのことだけじゃなく
わたし自身の気持ちを正直に綴っていくうち、
だんだん自分の頭の中が整理されていきました。

わたしが働く理由はなんだろう?
もし、経済的にゆとりがあっても働くのか?

うちは子だくさんで
当時は離婚して
シングルマザーだったんです。

子どもたちを育て上げるために
わたしが働くことは必須だったし、収入が必要でした。

でも、それだけではなく
経済的な心配がなかったとしても
わたしは働きたい。

子どもが大きくなったとき、

「自分はいったい何なんだろう・・・?」

自分を見失うのは嫌だった。

・・・たいへんだったあの頃。

友達との度重なるトラブル。
空気が読めずに一方的にキレて
学校を飛び出して帰ってきてしまうこともあり
心配はつきませんでした。

宿題ができない日もあるし、
学習面のフォローも必要なので、

本当はもっと
わたしが時間的ゆとりを持って
彼女を手伝ってあげるべきなのではないか?

ママであるわたしが仕事をしているから
ななへの配慮が不足し、
寂しい思いをさせてしまっているのではないか・・・

だから、これ以上、
キャリアアップするのは、やめたほうがいいのでは
ないかと迷ってばかりの毎日でした。

ななが中学生になれば
今よりもっと成長してトラブルは減るかもしれない。
そしたらもっとわたしは働きやすくなるかもしれない。

でも、思春期で
今はない悩みをななは抱えて
逆に今よりもっと寂しい思いをさせてしまうかもしれない。

結論を出せずにいるわたしに
支援学級の先生が言ってくれたんですよね。

「時間の長さではなく、質で
ななちゃんとの関わりを充実させていくことが大事なのでは
ないでしょうか?

短い時間を全身全霊傾けて、
彼女に寄り添い一緒に過ごすことが
今のお母さんにできることだと思います。

質を磨けばななちゃんもお母さんもお互いが
その時間を大事にできるようになっていくと思う。

中学生、高校生と成長していけば、
ASDがあろうとなかろうと
彼女は彼女なりに必ず発達し
自立した大人になっていきますよ」

目からうろこでした。

これまで少なからず罪悪感を抱いて
仕事をしていたので

ななが大きくなってきたことで
必ずしも「長い時間一緒にいる」ことだけが
ママとしてできることではない、と
気づくことができました。

なな、そして他の子どもたちが
成長していくのと同時に
わたしも年齢を重ねていきます。

ウダウダ考えて、迷っているうちに
どんどん時間はすぎていくんだよね~。

日々の子育てに追われ、
あっという間に時間がすぎていく毎日。
気づくと46歳になっていました(笑)

ママとしてもがんばりたいけど
わたしは、将来の自分のためにもがんばりたい!

発達障害児の子育てはたいへんだけど
できる範囲で、わたしが置かれた場所で、
わたしなりの花を咲かせればいい。

ずっと家にいて、
完璧を求めようとしなくていいんだよね!

がんばっている世の中のママたちを
応援したいという、
わたしが大切にしたいことや

子どもたちのことも考えながら

発達障害の子も、そのきょうだいたちも、
そしてわたし自身も

「自分らしい人生」

を歩んでいけたらいいなと思います!

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