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2020.09.14

胎盤どうされますか?(2)

胎盤は、血液のかたまりで、
細かな絨毛が密生しています。
まさにおなかの赤ちゃんを育む生命の樹。

ママと胎児は、胎盤、へその緒を介して
栄養分や酸素、老廃物のやりとりをしていますが

ママの血液が赤ちゃんに
そのまま混じり合って流れているわけではなく

胎盤が間に立って、
ママの血液中の栄養や酸素、水分を取り込んで
胎児に送り、

また胎児から送られてきた
二酸化炭素や老廃物も
いったんここを経由してママに送られます。

胎児にとって、なくてはならない
偉大な存在、胎盤。

ほかにも、
免疫機能も備えていたり、
妊娠中に必要なホルモンを作り出し
ママと赤ちゃん双方の生体機能を調整するなど

生命を育む妊婦と
生命を育まれる胎児、

両方にとっての『大母』のような
重要な臓器なんですよね。

胎盤は、赤ちゃんが生まれたあと、
10分ぐらい遅れて産道から排出されます。

出産後の猛烈な脱力感の中で
「これが胎盤です」って言われても
チラ見するのが精一杯かもしれませんが、

「お世話になりました。
ありがとうございました」

手のひとつも合わせるべきだと
わたしは勝手に思っています(笑)

沖縄では今も、
出産後に胎盤を庭に埋めるという風習が
残っているそうです。

なので、沖縄の多くの産婦人科では、
産婦本人に、胎盤をとっておくかおかないかの
チョイス権が与えられます。

助産師さん曰く、
沖縄でも最近は持って帰りたいと希望される人は
ほとんどいなくなったので
産院から提案する『胎盤持ち帰り』は今後
廃止されていく方向かな・・・とおっしゃっていました。

昔から続く、
島特有の出産伝統文化、
やめちゃうなんてもったいない~!

改めて考えてみると
人を含め、地球上の生きとし生けるもののすべては
大地、空、海・・・大自然に守られて
生かされています。

空から降り注ぐ太陽の光や恵みの雨
そして大地で育つ農作物の恩恵を受けて
わたしたちはこの世界に生きていますよね。

生命は海から誕生しました。
実際、胎児が育っていく羊水は
海水とほとんど同じ成分組成です。

胎盤は、羊水に浮かぶ陸となり、
胎児を養っていきます。

って、想像力を膨らませてみると・・・

胎盤なくしては、
自分はおろか、
世界も存在しないんですよね~!

おなかの中で胎児に栄養を与えていた
胎盤を出産後に大地に還すことで

子は大地と強い絆を結び、
自分が存在する場所であり、還る場所であり
故郷である場所を得るのかもしれません。

沖縄の人たちにとって
大地はことのほか大切なもの。
海もまた、しかり。
自然を大切にする風潮がとくに根強いのだと思います。

埋める場所は、家族によってさまざまで
儀式のやり方は明確に伝承されているわけではない
ようです。

それぞれにとって
想いがある場所に好きなように埋めればOK。

代々受け継がれた土地にある大木の下に。
生まれた子のご先祖のお墓のふもとに。

胎盤をへその緒と一緒に大地に還し、
そこに子どもが生まれたことを記念して
好きな樹の苗を植える人もいるのだとか。

埋められた胎盤の上に
植えられた樹の苗が、
大地に根をはり、いつか花を咲かせる・・・

家族にとって
大切な想いが込められたセレモニー、
素敵ですねー!
:.。. o(≧▽≦)o .。.:

とはいえ、内地からの移住者は
圧倒的にマンション暮らしが多いでしょうし、

胎盤を埋める庭がない、
自分たちにとって特別な意味ある場所は手近にない、
というケースも増えています。

そんなときは、
家の近くの母なる海に持って行って
砂浜に埋めることもあるそうですよ。

言い伝えもいろいろあって、

『埋めるときには笑いながら埋める』

というのも。

埋めた胎盤の上を
たくさんの人に笑いながら
踏んでもらうと子どもが丈夫に育つ、とか、

よく笑う愛嬌のいい子になるように、
という願いが込められているそうです。

また、妊活中の女性を呼んできて
埋めた場所をまたがせると子宝に恵まれる、

出産にあやかる縁担ぎのようなことも
あるそうです。

子どもと、大地、海、空、
自然とのつながりができるのは
ワクワクしますね!

そして、ちょっと背筋が凍りそうな
スピリチャルな説も存在します。

胎盤が大切に扱われるのには
赤ちゃんと胎盤がひとつのものとして
捉えられているという解釈があるからだ、という話。

『赤ちゃん』は、胎盤やへその緒もひっくるめて
他界から異人としてやってきて、

新生児はこの世の存在として
迎えられる一方、

胎盤はこの世の秩序に
脅威を与える危険なもの、とイメージされ、
その処理に細心の注意が払われた、
というのです。

だとすると、
胎盤はもうひとりのわが子である
とも言えるかもしれず・・・( ̄▽ ̄;)

大事に扱い、処理してあげないと
どうなるか・・・

おお~ちょっとコワイかも!

おなかの中で一緒に育ち、
前後して生まれて、片方はこの世に、
もう片方は再び異界に・・・

どこかで赤ちゃんの成長を見守って
くれているのかもしれないし、

運命の糸のようなものを
引っ張っているのかもしれません。

ほら、やっぱり、
ちゃんとお礼を言ってお別れすべきやで!!!

笑いながら埋めるのも、

胎盤と赤ちゃんをきちんと分離させ、
赤ちゃんはこの世のものとして、
胎盤はあちらの世界に還して再生を祈る
という意味が込められているからだ、

との説もあるようで・・・
(成仏しておくれぇぇー!!)

わたしは今、妊娠9ヶ月。
どっちにしても、
この胎盤のおかげで12人目の赤ちゃんは
現在スクスクと育っていることに間違いありません。

胎盤にまつわる風習は、
よい、悪いは別として

かつての日本人が持っていた
生命にまつわる豊かな心を感じ、惹かれます。

沖縄でも
胎盤お持ち帰り希望は激減しているらしいけど

「どうされますか?」

って、決まってるでしょ。

ええ!
ありがたくいただいて帰りますとも!

来年には
沖縄・平安座島に
「助産院ばぶばぶ」新築されます。

コロナうんぬんで
当初の予定より半年ほど遅れていますが
ようやく、この10月には
着工できそうな段階です。

今はまだ、
その土地には野生のバナナの木が
生い茂っていますが

12人目の胎盤は
助産院ばぶばぶの建つ大地に
厳かに埋めさせていただこうと思っています。

記念樹ももちろん♪

子宝のパワースポットになるかな?^ ^

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