2ヶ月ベビーの反り返り
生後2ヶ月のはるちゃんのところに
自治体から赤ちゃん訪問の助産師さんが
やってきました。
2700gで生まれて
2ヶ月半の現在の体重は5800g。
ここまでよく育ったなぁ〜
とママは感じていましたが、
訪問してくれた助産師さんから
思いのほか、はるちゃんの身体の反り返りと
全身の筋肉の緊張を指摘されてしまいました。
さまざまな場所の筋肉に余計な力が入って
硬くなっている状態。
だから
おっぱいも、深くくわえられず浅吸いになる。
空気を飲んで苦しそうだし
うんちが1日1回しか出ないのも、
身体の緊張が原因とのことでした。
体重も増えているし、
うんちも毎日出ているし、
おっぱいもトラブルなし。
ママの感覚では試行錯誤しながらも
はるちゃんは元気に育っていると感じていただけに
「今までの子育ては全部間違い」と
否定された気分になったそうです。
血液、リンパ、神経、脳と内臓のやりとりなど、
健康維持に必要なもの、
すべての通り道になる脊椎を調整して
赤ちゃんが反り返らないように
身体が緊張しないようにすること・・・
生まれつき持っている成長力、免疫力、治癒力、
発達力などの力を引き出してあげるというのが
赤ちゃん整体の理論から生じた身体調整方法です。
ですが、現在の『赤ちゃん整体』の理論は
医学的なエビデンスがあるわけではありません。
西洋医学と加えて、違う視点から
赤ちゃんの身体を診ることの必要性は、
日々の仕事の中で痛感しますが、
まだまだ、
小児科の先生ですら、
小児整体や小児カイロの有効性は
周知されていないのが現状です。
その助産師さんはたぶん、
母子整体を詳しく学んでいらっしゃる
スペシャリストなのだろうと思います。
わたしは残念ながら「なんちゃってレベル」しか
母子整体の知識を持っていないので
偉そうに持論を語っても
それこそ根拠に乏しいのですが・・・^^;
赤ちゃんの反り返りを
東洋医学的な見解からだけ見て
断定的に原因を決めつけてしまったり、
その症状に対して、よい、悪い、を決めつけて
ママに伝えることってすごく危険だと思うんです。
妊娠出産、そして赤ちゃんの身体のことは
そのほとんどが原因がわからない偶然なもの
ばかりです。
今の医学でわかってる身体のことって
5%ぐらいなんじゃないでしょうか。
わかりやすい病気以外の
赤ちゃんの行動や症状に関して
残り95%は、その理由や原因を
断定することはできません。
どんなに偉い医者でも、
う~んなんでだろうね
って、なることばかりなんですよ。
って考えると・・・
その助産師さんが指摘されるように
生後2ヶ月の反り返りが『悪いこと』
という科学的根拠はないのが実際のところ
ではないでしょうか。
整体的には
ママのおなかにいたときに
ママの骨盤がゆがんでいることで
赤ちゃんは適切な姿勢をとれず、
成長過程において動きや姿勢に
制限があったのかもしれません。
分娩時に、
赤ちゃんの首に負担がかかった可能性が
あったのかもしれません。
生まれてからは、
やたらと泣いてばかりだったり、
片方の手足を動かしにくくしていたり、
股関節が硬かったり、
身体の緊張が強かったり、
上手におっぱいが飲めなかったり(口を大きく開けない)
便秘がちだったり・・・
向きグセがあり
いつも同じ方向ばかりに首を傾けているなど、
赤ちゃんのこれらの症状は
背骨のゆがみが一つの原因になっているので
赤ちゃんの身体をねじらないように
丸く抱いてあげなければダメ!
ということなのでしょう。
反り返る理由として
いろいろ可能性は考えられますが
どれも因果関係ははっきりしなくて
証明のしようもないことばかりです。
だからわたしは反り返りに関して
常時反り返っている病的なものを除いて
犯人探しをしなくていいと思っています。
そんなこと
まったく気にもしていなかったママに対して
助産師がわざわざ不安を煽るような指摘をして
ママを神経質にさせる必要はないと思うんですよね。
わたしたちは、
同じ姿勢で固まった筋肉をほぐして
循環を上げ、緊張を和らげるときに
グーンとのび(反り返り)をしますよね。
赤ちゃんだって同じじゃないでしょうか。
脊椎、頚椎、腰椎・・・
身体を支える要となる背骨が成長途上で
腹筋、背筋もアンバランスな赤ちゃんだからこそ
大人以上に、何度も反り返ることで
本能的に生体機能調整をしているんじゃ
ないかと思うのです。
背骨がグイーンと引き伸ばされると
本来の自然治癒力が働いて
首や背骨の歪みが改善したり
赤ちゃんの強い緊張につながる
硬膜や脊柱のねじれや緊張を解いたり
するのでしょうね。
曲げる筋肉や伸ばす筋肉をバランスよく
使えるようになるには
それなりの時間が必要だし、
それまでは
何度も力いっぱい突っ張って当たり前
じゃないかな。
つまり、赤ちゃんの反り返りは、
赤ちゃんの体の成長と運動能力の発達に伴い
生じるもので、いわば自然な身体の反応だと
わたしは考えています。
仰向け、うつ伏せ、抱っこなど
いろんな姿勢の中で体重を支えたり
手足を動かしたりしながら
力の入れ具合を調節することを学んでいき、
だからこそ実際、
バランスがうまく整う乳時期後半には
反り返りはあまり見られなくなります。
ママの育て方が悪いとか
そういう次元の話ではなく
発達の過程で元気だから反り返るんだ
と考えると、
赤ちゃんの反り返りは
ネガティブなことではなくなりますね。
整体をはじめとする東洋医学的な身体の診方は、
小児医療の有効な選択肢だと思いますが
日本でまだポピュラーとは言えない
身体の調整方法の情報を
専門知識も技術も持ち合わせていない
一般のママに向けて発信をするのなら、
ママが納得できて安心できるような
細やかな説明は必須でしょう。
理論的背景はもちろんのこと、
プラス面もマイナス面も含めた
反響や影響についての想定が乏しい状態のまま
決して断定的に伝えるべきではないと思います。
「反り返りが気になる。
身体が緊張している」
というネガティブな指摘をするのではなく
「よく動くね~。めっちゃ元気な赤ちゃんだね!
反り返られたら抱きにくくてママはたいへんやけど
元気なことは素晴らしいことだよ。
赤ちゃんの反り返りは
一時期だけしか見ることができないから
今だけの成長過程ととらえて
笑顔で見守ってあげてね」
って、声をかけてあげられたら
よかったかな〜と思います。