先生を負傷させてしまいました(その3)
発達障害のある6年生、ななちゃん。
先週、先生をぶん殴り( ̄◇ ̄;)
ケガをさせてしまうという問題行動を起こしました。
その件で、わたしは学校から呼ばれ
ななの精神状態や心の状況に合わせた
よりよい対応の仕方についての
作戦会議をしてきました。
悪気はないけれど、
臨機応変な状況適応ができず、
ふとした相手の発言や行動に対して
過剰に反応してしまい
攻撃されている!
危険だ、自分を守れ!
と誤認識する思考パターンを持っているななは、
先生や友達に手をあげ痛い思いをさせたり、
暴言を吐き捨てて悲しい気持ちにさせたり
してしまいます。
発達障害のある子どもは
譲ることのできない嫌なことや苦手なことも多いため
その対応には本当に気を遣います。
クラスメイトや先生たち、
みんな厚意を持って扱いの難しいななと
関わってくださっていて、
彼女の心にゆとりがあるときは明るい空気が
流れていることもたくさんあり、
友達とワイワイ笑い合っています。
でも、ひとたびゆとりがなくなると
え??なんで?
という場面で
いきなりななのブチギレスイッチが入るので
なんなんだよ・・・
やってられないよ・・・
周囲は残念な気持ちにもなるはずです。
ななの気持ちを優先してしまうと
クラスの子たちに我慢を強いてしまうことになり、
不満が溜まっていくでしょう。
母としては、そのことに対して、
とても申し訳なく思います。
過去には、がんばって学校に行こうとするななを
止めようかと思ったことがありました。
迷惑かけるから、みんなが傷つくから
義務教育だけど、もう学校行かないで。
ななは不登校でいいよ・・・と。
結局、人のことを思っているふりして、
わたしは母としての自分の心が保てなかったのです。
学校に通う、ということから逃げてしまえば
ななが世間様に対して問題行動を起こさず済みます。
そうすれば、わたしが楽・・・
わたしは、彼女をカゴの中の鳥にしようとしたのです。
今回、学校で
それぐらい思い詰めたことがある
という母の複雑な気持ちを赤裸々に語っていたら
先生が笑顔でこんな話をしてくださったんです。
教師生活を積み上げてきて
先生はあることに気づいたそうです。
発達凸凹のある子がいるクラス
定型発達の子しかいないクラス
両者を比較したときに、
明らかに学級の子どもたちの様子が違うそうです。
独特のペースを持つ発達凸凹の友達が
在籍するクラスの子どもたちは、
とばっちりを食らったり、
理不尽なことに巻き込まれたりしながら
少数派の頭の構造を持つ
友達の立場にたって物事を考える力が
メキメキと伸ばされるそうです。
発達デコボコの子とともに学校生活を送るからこそ
子どもたちは人間として育ててもらえるのだと
先生はおっしゃいました。
小学生は、「自分だったらこうだ」
という思考はできますが
「あの子はきっとこんなふうに感じてるんじゃないかな?」
という相手の気持ちに寄り添った思考は
なかなか難しいそうです。
でも、6年1組の子どもたちは
それぞれの言い分や、その言葉に込められた
意味を考える習慣が
教えたわけでもなく自然にできているそうです。
ななが何かにキレて教室を飛び出していったとき
みんなで考えるそうです。
「たぶん、ななちゃんコレが嫌だったんじゃないかな」
「私はコレが原因でななちゃんが嫌な気持ちに
なったんじゃないかと思う」
それって、なながいるからこそできる
素晴らしい学びなんですよね。
「ななちゃんの存在が
子どもたちの成長にいい影響を
与えてくれてるんですよ。
ななちゃんを産んでくれてありがとう、お母さん!」
嬉しかったです。
みんなを嫌な気持ちにさせたり
身体的に、精神的に、傷つけてばかりの
わが娘なんですが
こんなふうに言ってもらえて
嬉しかったな〜♪( ´▽`)
先生の経験的感覚では
発達デコボコの子がいるクラスと
いないクラスを比較して研究データをとったら
子どもたちの思考パターンに明確な
有意差が出てくるレベル!
とおっしゃっていました。
世の中には、
いろんな子どもがいていいのです。
ななは、これからも学校で
いっぱい迷惑をかけると思いますが、
なながみんなに与え、
みんながななに与え、
全員が豊かな人間に成長していける
素晴らしい場所
それが学校なんだな・・・と感じました。