女性の永久的避妊手術『卵管結紮』
3歳の男の子と1歳の女の子を育てていて
現在3人目妊娠中です。
第1子のときに緊急帝王切開でのお産になり
2人目は予定帝王切開での出産になりました。
今回3回目の帝王切開になるので
避妊の手術を一緒にしたほうがいいと言われたのですが
詳しい話は里帰り先の病院で聞いて
と言われてしまいました。
これ以上子どもを産むつもりはないので
妊娠できなくなることに抵抗はないのですが
生理や体に変化があるのか
手術にどれぐらいのリスクがあるのか、
メリットやデメリットを教えてほしいです。
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女性主体の避妊法はいろいろありますが
外科的な手術による方法を
卵管結紮(けっさつ)といいます。
卵管は女性の下腹部の左右両側にある管で
精子と卵子が出会う場所です。
卵管内で受精した受精卵は
細胞分裂を繰り返しながら
子宮に向かって進んでいきます。
手術によって、
両側の卵管を結んだり、
塞いだり切り離したりして
精子の通過を不可能にし、
卵子と出会えないようにするのが
卵管結紮です。
手術そのものは15分程度の簡単なもので、
帝王切開のついでに行われることが多く、
経膣分娩の場合には、産後1〜2日目に
卵管結紮を行います。
この時期は、まだ子宮が大きいので
おへその部分をほんのちょこっと切るだけで
その真下に卵管が直視でき手術が容易。
麻酔は腰椎麻酔、全身麻酔
選択可能。
もちろん、出産に合わせずとも
手術は可能です。
その場合は下腹部にほんの小さな切開を入れて
内視鏡下で行うことが多いです。
麻酔は基本的に全身麻酔。
ほかにも、おなかには傷を作らず
膣式で行う卵管結紮がありますが
医師が経膣手術の習熟者であることが
求められます。
いずれも入院期間は数日間。
分娩のついでに卵管結紮をした場合、
お産入院の期間が延びることはなく
赤ちゃんと一緒に退院できます。
手術の方法もいろいろあります。
卵管にプラスチックのリングをかけて塞ぐ方法、
クリップで挟んで塞ぐ方法、
卵管の途中を2箇所で縛り間を切り取る方法、
電気メスで電流を流し卵管を焼いて塞ぐ方法
などがあります。
どの術式でも、身体への影響はありません。
ホルモンバランスが崩れるのでは?
セックスに影響がないか?
など、心配されますが
ホルモンの分泌は卵巣が行うので
卵管を閉じても
卵巣が残っていればホルモンバランスが
崩れることもありません。
手術後、普通に排卵もするし、生理も来ます。
性生活にもまったく影響ありません。
卵管結紮は永久避妊法と言われるほど
避妊率はダントツに高いというメリットの反面
デメリットとしては、
また妊娠したくなった場合
元に戻す手術もあるものの、
自然妊娠率は低く、
卵管を使わなくていい妊娠法、
つまり、体外受精や顕微受精での妊娠に
なると思います。
冒頭のママのケースでは
今回3回目の帝王切開とのことなので
卵管結紮は適応だと思います。
ただ
人生は何が起こるかわかりません。
「もう産まない」と思っていても
離婚→再婚だってあり得ます。
死別→再婚だってあり得ます。
わたしがまさしくそのパターンでした。
10人目経膣分娩のとき
卵管結紮を勧められました。
さすがにもう産まない
と思ったけど
「人生何があるかわからない」が
なぜか頭に浮かんで断りました。
まさかその後、離婚
そして再婚するなんて
そのときは1ミリも想像していませんでした。
あのときもし卵管結紮してたら、
ととちゃん、ねねちゃんは
この世に存在していないんですよ。
11人目経膣分娩のときも
「卵管どーする?」聞かれたけど
10人目のときの「人生何があるか・・・」が
よぎって断りました。
昨年、
12人目帝王切開のときも聞かれました。
即決で断りました(笑)
もちろん、人それぞれの価値観があるので
手術することにも大きな意味があります。
日本ではまだあまり普及していませんが
海外なんかじゃ、
卵管結紮は当たり前ですから。
女性主体の避妊法では
ピル内服や子宮内避妊具の挿入でも
しっかりした避妊効果が得られます。
これらの方法は、
もしまた妊娠したくなったときには
内服をやめる、器具を抜いてもらう、
たったそれだけで自然妊娠できる身体が
温存される『一時的』な避妊方法です。
そして、卵管結紮は
『永久的』な避妊方法です。
永久であること・・・
本当に、絶対に、何があっても
今後、妊娠を希望することはないのか?
後悔しないように
よ〜く考えてから決定しましょうね。