『おむつなし育児』に思うこと
『おむつなし育児』に思うこと
赤ちゃんが生まれたら
おむつは紙か布か?
これから育児を始めるママにとって
おむつは関心の高いことでしょう。
さらにもうひとつ、
『おむつなし育児』という方法があることを
ご存知でしょうか。
普段はおむつをつけているけど
赤ちゃん時代からタイミングを見計らって
排泄しそうなときにトイレやおまるに
またがらせる方法です。
早期のトイレトレーニングではなく
気持ちいい〝自然な排泄〟が
目的だとされます。
さてここで素朴な疑問。
〝自然な排泄〟ってなんでしょう。
自然じゃない排泄とは?
おむつなし育児の理論によると
『紙おむつは石油由来の製品なので
体に優しくない』
『布おむつも、本来赤ちゃんは
お股に分厚い布を当てられることを
不快に思っている』
ということですが
ならば、
生理の時に毎月使う
紙ナプキンもNGってことに
なりますよね。
布ナプキンもダメだと?
となると、
経血コントロールをせよ!
ってことになるのかな。
(トイレで意識的に経血を出す高度な技)
ちなみにわたしは
布ナプキンを愛用していますが
あったかくて柔らかくて
気持ちいいですけどね・・・。
(あくまで主観です)
おむつなし育児は、
『こうすればこのようによいことがある、
という科学的因果関係を求めるものではない。
以前は誰もがやっていた、
赤ちゃんをゴキゲンにすこやかに育て、
関わる人間の共感能力をも上げる知恵』
と、されています。
科学的根拠(エビデンス)うんぬん
ちゅー話ではない!
ということですね。
科学的根拠(エビデンス)という言葉は
もともとは、医療の分野で
生まれて使われるようになりました。
現代医療の標準治療とされることは、
研究や論文から統計学的に
導き出された科学的根拠をもとに
行われています。
医療者として、
わたしも常にエビデンスを元にした
アドバイスを意識しています。
でも・・・
日々意識していることと矛盾するかのように
世の中は
科学的根拠だけがすべてじゃない
というのは実感します。
数字や論文からは学べないことが
案外大事だったり
自分自身が心と体で感じること、
五感、直感を信じることは
子育てではとくに大事だと思っています。
医学的には
膀胱や脳が発達して
ある程度おしっこが溜まる感覚がわかるようになり、
溜まったおしっこを出す感覚が
わかるようになってようやくおむつが外れる
と言われていますが(エビデンスあり)
おむつなし育児では
首のすわらない赤ちゃんも
ママがタイミングを察しておまるに
またがらせてあげると
気持ちよく排泄できるよ!ということを
提唱しています。(エビデンスなし)
ということで、
おむつなし育児で
提唱されているいくつかの理論を
語ってみたいと思います。
おむつなし育児のメリット
その1
『排泄のタイミングを
常に気にする必要があるので
ママと赤ちゃんのコミュニケーションがとりやすく
ママの自信につながる』
↓↓
全身全霊で赤ちゃんに注意を向けていれば
排泄のタイミングがわかる・・・
のかもしれないけど、
現代は、ワンオペ育児だったり、
共稼ぎだったり、
大家族だった昔と違って
ママひとりの肩に家事育児の
労働負担や精神的負担がのしかかっている
傾向がありますよね。
そんないっぱいいっぱいの毎日の中で
赤ちゃんの排泄事情に細心の注意を
払うゆとりが、そもそも持てるのだろうか。
それができるママがどれだけ
いるのかな?
子どもに全力を投じ
手探りで赤ちゃんの排泄に
向き合ってこそ、
赤ちゃんの心に寄り添った
赤ちゃん主体の子育てだ
というニュアンスは
赤ちゃんの排泄のタイミングが
よくわからなかったり
見のがしてしまったときに
「自分はわが子をちゃんと
見ることもできないダメママだ・・」
と、逆に自信喪失につなげてしまう危険性も
あるよなぁと思います。
手をかけて、
非言語コミュニケーションによって
赤ちゃんの要求が把握できるママ
=よい母親
と、ならないように。
おむつなし育児でも、おむつあり育児でも
ママが納得して楽しめる方法なら
どっちでもいいんですよ。
子育てにおける大切なことの本質を
取り違えないようにすることが
もっとも大事かなと思います。
おむつで排泄しても
すぐ替えてあげれば
「あなたは十分に赤ちゃんに手をかけてるよ!」
って思うし、
紙おむつでも布おむつでもおむつなしでも
赤ちゃんとのコミュニケーションや
スキンシップの頻度は大差ないはず。
おむつなし育児を知ることで
紙おむつへの偏見や罪悪感につなげないように
してほしいなぁと思います。
おむつありの標準育児の中では
いつもいつもママが赤ちゃんのおしりを
ピカピカに手厚くケアできないことは
あります。
だからおむつはダメなんだ!
赤ちゃんがかわいそう!
と言われたらしんどい・・・。
一生懸命やってても、
あっちゃ〜!
おしりが真っ赤になっちゃったー!
ごめん〜!
な、ことだってあります。
(わたしはあります!)
そんなこんなのハプニングを経験しつつも
総合的に赤ちゃんはすくすくと
育っていくんじゃないかな。
リアル子育てって、そういうものだと思います。
大人の都合で快適な生活を追求するために
おむつに頼ると
赤ちゃんに手をかけなくなってしまう・・・
のかな?
(そんなことないと思う!)
はい、では理論その2。
『おむつなしなら、
おむつが汚れる不快な感覚を
味わうことが減少し、
常に機嫌がよくなる』
↓↓
おむつが濡れていても
不快を教えてくれない子はたくさんいます。
また、濡れて気持ち悪い感覚を
味わうことで排泄の自立が進むわけではない、
というのは
泌尿器科分野では立証されている
事実でもあります。
(あ、いかんいかん、エビデンスだ!)
さすがにうんちが出て
長時間放置されたら
おしりがかぶれて痒くなったり
痛くなったりするので
赤ちゃんは不快でしょうけど
通常、そこまで放置するママは
いないですよね。
はい、理論その3。
『排泄の感覚が早く発達するので
排泄の自立が早くなる』
↓↓
これはその通りだと思います。
そもそも、おむつなし育児と
トイレトレーニングは
まったくの別物です。
おむつなし育児は、
赤ちゃんの排泄を通して
コミュニケーションを図り
ママの直感力を養うことが目的。
トイレトレーニングは
トイレで排泄できることが目的。
なので、両者を比較すること自体が
ナンセンスだと思いますし、
混同しちゃいかんと思います。
おむつなし育児の研究論文では
排泄自立時期が1歳半〜2歳頃と
早まることがわかっています。
(あ、またエビデンスだー)
ただ、それがいいことだとも思いません。
まとめると、
おむつあり育児にも、
おむつなし育児にも、
それぞれメリットデメリットあると思います。
ママが納得した上で
チャレンジしてみる分には
ぜーんぜん、いいと思います!
わたしは、
排泄を通しての赤ちゃんとの
丁寧なコミュニケーションを
図る気力と時間がないので(笑)
標準子育て(おむつあり育児)を
していますが、
それはそれでよし!
おむつなし育児をしないから
子どもの社会性や協調性が育たない
ってわけではないですし、
排泄の自立だってみんな必ず
できるんだし、
慌てない、慌てない♪