不規則抗体って何?
妊娠初期の血液検査では
血液型と不規則抗体の検査をします。
『不規則抗体』
聞きなれない言葉ですよね。
不規則抗体を説明しているサイトは
たくさんあるものの
どこに書いてある内容も
難しすぎてさっぱりわからないのでは
ないでしょうか。^^;
ということで
なるべくわかりやすく
説明してみたいと思います!
血液には、
A型、B型、O型、AB型の
4種類があります。
そして同じA型の人でも
RH +とRH−
にさらに細かく分かれます。
A型の人にB型の血液を輸血したら
拒絶反応が出てえらいことになり
RH−の人にRH+の血液を輸血しても
ダメ。
というのは、なんとなく
聞いたことがあるかと思いますが
型の違う血液同士は水と油。
つまり、仲良く
混じり合うことはありません。
もし、異なるタイプの血液が
体内に入ってきたら
徹底的に攻撃して
排除しようとする免疫機能を
わたしたちは例外なく持っています。
これを「規則抗体」といいます。
じゃあ、A型RH+の人には
A型RH+の血液を輸血すれば安心だね!
と思うのですが
一部、そうではない人がいるんです。
たとえ同じ血液型であっても、
実は血液には微妙に、
いろんな違いがあるんです。
例えば、
同じ人間で、同じ女性でも
価値観が同じ人と
異なる人がいますよね。
人類皆兄弟、とはいうけど、
どうしても合わないな〜・・・
無理だな・・・
という人が必ずいます。
その苦手な人が発する言動(抗原)を
一身に受け止めて
いちいち影響され傷ついてたら
身が持ちません。
なのでわたしたちは経験を通し
苦手な人からはうまく逃げて
自分を守るスキル(抗体)を獲得します。
次に苦手な人に出会っても
対処法を知っていたら
いたずらに傷つかずに済みますね!
もう一つ例をあげると
予防接種では、
その病気のウイルス(抗原)をほんの少し
害がない程度に体内に入れることで
ウイルスに対する対処法
を体が学習します。(抗体)
次にそのウイルスが侵入してきても
やっつける方法を知っているので
効率よく体を守ることができます。
血液もそういうことなんです。
妊娠出産では
赤ちゃんの血液が
母体に微妙に混じることがあります。
その中の
〝ほんのわずかに合わない部分〟に対して
攻撃、排除しようとする
『抗体』が何かの拍子に
作られてしまうことがあるのです。
多様性を尊重し認め合う
時代ですが
自分とほんの少しでも異質なものは
容赦なく拒否!批判!排除!
このように、極端に
働きすぎてしまう免疫機能を、
『不規則抗体』といいます。
自分のものではない
誰かの血液が体内に入る
ことがきっかけで不規則抗体は
作られるので
妊娠出産以外でも輸血などでも
不規則抗体が血液内にできてしまう
ことがあります。
わたしは第12子出産時に
大量出血で輸血をするかしないか
という狭間に立たされました。
輸血をすれば
たぶん通常通り退院できる。
輸血をせずに鉄剤投与でがんばるなら
入院延長。
さぁどっち?と。
入院期間が延長になったとしても
鉄剤投与でなんとか貧血改善できるなら
がんばる、と
わたしは後者を選択しました。
輸血は不規則抗体のリスクになり
もしも不活化抗体ができてしまうと
その抗体の強さによっては
次の妊娠時に赤ちゃんの血液を
母体が悪びれもせず攻撃してしまう
ということが起こります。
〝受け入れない=出血を止まらなくする〟
これを『溶血反応』といいます。
そうするとおなかの赤ちゃんは
うまく育つことができなかったり
生まれてから極度の貧血や
黄疸が強く出たりします。
13人目はないにしても(笑)
今後、事故や病気で
輸血を必要とする事態が起きたときにも
不規則抗体があると免疫機能が暴走して
厄介です。
まだまだ続く人生を考えたとき
回避できるリスクは
極力避けたいと思いました。
妊娠初期の血液検査で
不規則抗体が陽性だった場合には
その抗体の『強さ』(抗体価)を
ときどき検査しながら様子をみていきます。
つまり、拒絶の仕方が
黙って静かに「合わないな・・」と
思っている程度なのか
合わない→攻撃!誹謗中傷!
実際に行動に移しちゃうレベルなのか。
妊娠中にじわじわ抗体価が
上がってくるような場合は
最初は我慢してたけど
もう無理!排除!
ということだから、
大きな病院に移ってしっかり管理
していきます。
不規則抗体が陽性でも
抗体価が低ければ
とくに問題なく赤ちゃんは育ち、
無事に出産できますよ。