離婚の原因はエビフライ
職業柄、わたしは妊婦さんや
赤ちゃんや幼児を連れていらっしゃる
ファミリーについ目がいってしまいます。
先日、名古屋のホテルのレストランで
6ヶ月ぐらいの赤ちゃんを連れたご夫婦が
笑顔で食事をされていました。
突然、パパが立ち上がったかと思うと
無表情で席を離れました。
テーブルに取り残されたママが
「ちょっと待ってよ!
待ってって言ってるでしょ!
なんなのよ!!!!」
引き止めようとしましたが
パパは聞く耳もたず、
振り向くこともなく
そのままレストランを出て行ってしまいました・・・
何があったかはわかりません。
だけど、さっきまで和やかにお食事されていた
ことを考えると
きっと本当に些細なことで
言い争いになってしまったのだと思います。
那覇空港でも。
授乳室で若いご夫婦が3ヶ月ぐらいの
赤ちゃんのおむつ替えをされていました。
慣れない手つきで
ギャン泣きの赤ちゃんのおむつを
2人がかりで替えていらっしゃて
微笑ましい光景だなぁと見ていたのですが、
これまた突然、ママが
「もういい!もういいってば!
触らないで!」
パパにイライラをぶつけました。
何があったかはわかりません。
だけど、一生懸命育児参加しようと
されているパパの姿を考えると
きっと本当に些細なことが
ママの逆鱗に触れてしまったのだと思います。
大分県でタクシーに乗ったとき、
41歳独身男性の運転手さんと仲良くなりました。
最初の結婚は19歳、デキ婚。
若気の至りってやつですよね〜と運転手さん。
幸せな結婚生活は長くは続きませんでした。
奥さんが自宅に男を連れ込んでいる
シビアな現場にバッタリ遭遇し、
どうしても許せず離婚したそうです。
「まぁ、悪いのは彼女だけど
彼女を寂しい気持ちにさせていたのは
きっと僕だったんでしょうね」
そのときの子どもはもう成人していますが
会えていないそうです。
次のパートナー。
結婚しようとは思っていたところ、
先に妊娠が発覚。
今はタクシー運転手をしているけど
当時はなんと、看護師として病院勤務を
していたそうです。
(人生わからんなぁ〜)
でも当時まだ若くお金もなかったので
彼女の実家にマスオさん状態で
住まわせてもらっていたそうです。
義父が少々クセありの人で、
「住まわせてもらってる分際で!」と、
彼のことを見下すような態度と発言が
繰り返されていました。
それでもお世話になっているのは事実だからと、
給与の半分を義実家に納めていたというから
立派ですよね!
とはいえ、
自宅に彼の居場所はなかったでしょうし、
人格否定が繰り返される環境下で
ストレスが溜まっていくのは当然だと思います。
そんなある日、料理が苦手な彼女が
珍しくエビフライを作ってくれたそうです。
一口食べてみると
火が通っていませんでした。
「中がまだ冷たいよ。
高温で揚げすぎたんじゃない?」
と彼が指摘すると
「作ってもらっただけでもありがいと思え!
おまえが言う資格はねぇわ!」
と、義父が激怒したそうです。
ジワジワとストレスが溜まっていたこともあり、
義父の発言についに彼もキレてしまいました。
「事実を言っただけだろ?
じゃあ俺はこの家では
意見も言えないってことか?!」
今すぐ出て行け!
→言われんでも出て行ってやるわ!
数日のホテル住まい。
彼はひとりになって考えました。
妻と子どもを連れて実家を出ようと。
彼女にその旨伝えたら、
まさかの
「私は実家が心地いい。
あなたとは行かない」
ええええ〜〜〜〜〜
そうなのぉぉぉ?!!
〝エビフライがナマだった〟
もちろん破局の本質は
エビフライではありませんが
こんな些細なことがトリガーとなり
まさかの破局です・・・。
「俺、いい旦那だったと思うんですけどね。
でも別れる時に彼女には
あなたは結婚に向いてない不全人間
と罵られました。
何がダメだったのか今もわからないけど
不快にさせていたことは事実なんでしょうね」
子どもと離れたくなかったので
しばらく義実家の近くのマンションに
住んでいましたが、
義父が意地でも子どもに会わせてくれず
この土地にいても虚しいだけだと
他県に移り住むことに。
その後、心臓を患い退職を余儀なくされ
治療と静養のため
故郷、大分に戻ってきたそうです。
実家住まいをしながら
体調が上向きになってきたところで
妹が勤務しているタクシー会社でお世話になることに。
タクシードライバーなんて高齢者の仕事だろ?
と思っていましたが
やってみると
お客さんとのコミュニケーションも
運転も、観光案内もめっちゃ楽しい!
体調も安定し
今はとても充実した日々だそうです。
2人目の妻に「不全人間」と言われたことが
頭を離れないこともあり
もう結婚とかは二度といいかな・・・と
思っているそうです。
名古屋のホテルでのご夫婦も
那覇空港のご夫婦も、
運転手さんも
結婚って。パートナーと暮らすって。
簡単なことじゃないですよね。
それぞれの人生があり、
紆余曲折しながらもみんな
一生懸命に生きてるんだなぁと思いました。
「あ、でもね。
実は僕、愛知に彼女いるんです。
向こうにも諸事情があって、
大分には連れて来れなかったんですけどね」
女性はもう懲りたのかと思いきや
なんや、結局モテモテやんー!笑
波乱万丈の人生模様。
不全人間であったとしても(^◇^;)
いろんな経験を積み重ねた人は
味に深みが増して素敵だと思います。
愛知の彼女と会った日は
名誉挽回の美味しいエビフライで
幸せになってくださいね!!