陣痛と産痛
お産のときに経験する規則的な痛みを
わたしたちは「陣痛」と呼んでいます。
でも実は、
「陣痛」は「痛み」を指す言葉ではないんです。
知ってました?
「陣痛」の定義は、
『お産の時に繰り返し起こる子宮収縮』
であって、
広くは妊娠中のおなかの張り(子宮収縮)も
含まれます。
「陣痛」とは子宮の収縮そのものを指し、
「痛み」を伴うかどうかは、
絶対的な条件ではないんです。
意外でしょう?
なので、「陣痛」には下記のように、
いっぱい種類があるんです。
●妊娠陣痛・・・妊娠経過中にたまにみられる子宮収縮
●前駆陣痛・・・お産が近付いて、比較的頻繁にみられる
不規則な子宮収縮
●分娩陣痛・・・
☆開口陣痛 子宮口が全開するまでの子宮収縮
☆娩出陣痛 赤ちゃん誕生のときの子宮収縮で
いきみ(腹圧)と子宮収縮が同時に起こる。
☆後産陣痛 産後の子宮復古の伴う子宮収縮
ではでは、
お産のときの「痛み」が
「陣痛」と何と呼ぶのか。
正解は「産痛」です。
「産痛」の定義は、
『お産の時の子宮収縮、産道の開大、
骨盤壁や骨盤底の圧迫、
会陰の伸展などによって生じる
痛みを総称したもの』
なぜ「分娩陣痛」が起きると
「産痛」が並行して生じるのか。
その発生機序は、主に子宮の筋肉の酸素欠乏、
筋肉の収縮による神経末端の刺激が原因と
言われています。
「産痛」は、お産に対する恐怖感や緊張、
情緒的なものでひどくなったり弱くなったり
いろいろです。
また、身体的にも、軟産道のかたさ(個人差あり)、
赤ちゃんの大きさ、骨盤の形、疲労、睡眠不足、
貧血があるか、などによって、
計測上同じ陣痛の強さであっても
産婦さんの感じ方に差が出てくるんですね〜。
なので、中には子宮口が全開近くになるまで
「産痛」を訴えない脅威的産婦さんもいらっしゃいます。
わたしも10人目のお産はそうでした。
強い効果的な「陣痛」は来てるけど
それを「産痛」としてはまったく感じませんでした。
よく「うそでしょ?」「冗談でしょー!」と
言われますが、偽りなく本気で
10人目のお産は、痛みを感じませんでした。
強い陣痛は快感だったし、脳がトランス状態になっていたのかも
しれませんが、なにせ楽しくてしかたがないお産でした。
助産師視点から言うと、産婦さんの「産痛」の自覚は
お産進行の診断材料のひとつとして細かく観察しているので、
リラックスがとても上手で
「産痛」に鈍感(?)な産婦さんに当たると、
予測がはずれて大慌てしちゃうことも。(笑)
「陣痛」が子宮収縮を指す言葉なら
広域には、生理痛も「陣痛」の一種には
ならないのかなぁ。
よく「陣痛ってどんな痛みですか?想像がつかない」と
相談を受けますが、
生理痛を知っている人は、お産のときの「産痛」は
すでに経験済みなんですよ。
なぜなら、生理痛も産痛も
どちらも子宮が収縮するための痛みで
メカニズムはほぼ同じだから。
って
説明すると
妊婦さんたちは
!!!!
なるほど!
そうなんですね!
じゃあわたし「産痛」を知ってます!
すっきり晴れやかな表情で
帰って行かれます♪
もう一度言いますよー。
「産痛」は快感です!!!!