はじめてのウンチ
出産を終えたばかりのママから
こんな質問をいただきました。
赤ちゃんが生まれてすぐに
黒いウンチをしたんです!
真っ黒だったのでビックリしてしまって。
大丈夫なんでしょうか!
ということで
今日は生まれたて赤ちゃんの
ウンチのお話をひとつ。
生まれて最初に出るうんちは
「胎便」と呼ばれます。
黒くて粘っこくて、
海苔のつくだ煮みたい。
とてもじゃないけど
うんちには見えません。
それにまったく臭くありません。
実はこの胎便、おしりから出るから
「便」って名前がついているけれど、
全くの無菌、キレイなもんなんですよ。
胎便の中身は胎児期に盛んに飲み込んだ
羊水の水分が抜けたカス、
腸管粘膜の脱落細胞、胎児の胆汁などです。
胎便は早くて生後直後、
遅くても24時間以内に数回に分けて自然に排出されます。
母子同室の産院でも、だいたいママと赤ちゃんが
一緒にいられるようになるのは生後1日目からですよね。
なので、運が悪いとママはわが子のはじめての胎便を
見るタイミングを逃してしまうこともあります。
生まれてはじめて出るわが子のうんち、
数回しか見るチャンスのない貴重なものだから、
見て、触って、体験してもらいたいと思います。
胎便が出たら見せて欲しいって、
是非、助産師さんにお願いしてみましょう!
おなかの中にいる時代には、
胎児は基本的にうんちはしません。
胎児の腸は、動いていません。
では、生まれるとなぜ、腸が動き出すのでしょう。
いろんな説があるんです。
「さい帯血流が停止することで
腸管への血流が増えるから」
「生後に飲み込む空気で腸管が拡張、
その刺激で筋肉が収縮するから」
「胎児期には胎盤から
腸管運動抑制物質が分泌されているから」
けど、現在ではどれが本当なのかはっきり分かっていません。
もしも胎児期に胎便が羊水中に出てしまったら、
何かのストレスや低酸素状態などの障害が急に起こって
赤ちゃんはあえぎ呼吸を起こします。
そして、胎便が気管に詰まって呼吸困難を起こしてしまうので
都合が悪いんですね。
だから胎児は、おなかの中ではおしっこはしても、
うんちはしないようにしてるんです。
人間の身体って
誰かに教わったわけじゃないのに
本当に効率よくうまくできてますよね!
神秘やな〜!