ママの抱っこで赤ちゃんギャン泣き!
「ばぁばが抱っこするとスヤスヤ眠るのに、
わたしが抱っこしたらなんで泣くんー?!」「わたしは赤ちゃんから嫌われてんの?」
「ママとして認めてもらえてへんってこと?」
新生児から生後2~3カ月ぐらいまでの赤ちゃんが
いるママにとても多い悩みです。
ばぶばぶでも赤ちゃんが生まれて間もなくは
ばぁば付き添いで来院されるママも多いですが、
見ててもホント、赤ちゃんたちは
ばぁばが抱っこすると一発で泣き止みます。え?
露骨すぎません?と思うケド。産後で情緒不安定なママたちは
その姿を見せつけられ、
「なんで・・・( ; ; )」
ドーーーーーーンと落ち込んでおられます。
「もうちょっと空気読んだってやー
赤ちゃん!」
その小さな耳元に囁き声で
こっそりお願いしたくなりますが
いやはや、赤ちゃんは正直ですね〜。
最初の2~3カ月を通り過ぎてしまえば
赤ちゃんに嫌われてる!と
大騒ぎして悩んだことも笑い話になるのですが、
今、まさに真っ暗なトンネルの中で
赤ちゃんと向き合っているママたちにとっては
ママを否定されるような態度に
とてもつらい気持ちになるのだろうと思います。
どうして、
ママが抱っこすると
赤ちゃんが泣いてしまうのでしょうね?
赤ちゃんの気持ちになって
考えてみました。
☆☆☆ 理由その1
『ママの抱き方、下手やねんっ!』
はじめて抱っこする赤ちゃん。
小さくてフニャフニャで
どう扱っていいのかわかりません。
首がすわっていないから
どうしても支えるママの両手に
余計な力が入ってしまいます。
自信がなくぎこちない抱き方が
赤ちゃんに伝わります。
緊張して力が入っていると、
赤ちゃんはとうぜん居心地が悪いでしょう。
不必要なところばかりに力が入ってしまい、
肝心の首や背中をしっかり支えられていないから、
不安定で落ち着きません。
また、なんにも考えていなさそうな
月齢の低い赤ちゃんでも
抱かれ方の好みがあるようです。
横抱きより縦抱きが好き
ぎゅっと強めの抱っこがいい
おなかにいたころの背中を丸めた姿勢が落ち着く
など。
てことは。
赤ちゃんは、人の選択をしているのではなくて
単に抱き方の選択をしているだけかも
しれませんね。
ほんま、空気読めよ〜〜!
ママの気持ち考えてあげて〜〜!
です。(^ ^)
一般的に低月齢の時期は、
バスタオルやおくるみでぎゅっと身体を包み込むと、
赤ちゃんはおなかの中を思いだして
落ち着くと言われています。
頭を左胸にあてて心臓の音を聞かせると
落ちつく赤ちゃんもいるようです。
これらはあくまで
『一般的に』という話。
新生児期から
早くも動きが妨げられるような抱き方を
嫌がる赤ちゃんもいれば、
同じ抱っこが続くとすぐに飽きてしまう赤ちゃんも。
横抱きか縦抱きか?
頭はどっち向きにするか?
首はママの腕のどのあたりで支えるか?
赤ちゃんのおしりはどう支えたら落ちつくか?
赤ちゃんの好む抱っこスタイルはさまざまです。
そこに強くこだわるか、
あまり気にしないかも含めて、
赤ちゃんそれぞれの個性はいろいろです。
最初から
上手に抱っこできる人はなかなかいないもの。
ママの工夫で赤ちゃんの好みにあった
抱き方ができるようになったら
抱っこしても泣かなくなりますよ♪
☆☆☆ 理由その2
「ママ、もっと自信持ちぃや!
そっちが暗い顔してたらこっちも暗なるねん!」
ママの精神状態の不安定だと
赤ちゃんは確実に泣きます。
それだけが理由ではないにせよ、
ばぶばぶに来ている3人目、4人目を育てていらっしゃる
ママたちの赤ちゃんは
基本、びっくりするほどおおらか!
少々大きな音がしても、
上の子に踏まれても、
おかまいなしに寝る〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ZZZZ・・・
すごっ!って思います。
経産婦ママはこれまでの経験から、
泣き声にいちいち動転したり、
焦ったりすればするほど、
赤ちゃんのグズグスは長く続き
すんなり眠ってはくれないことを知っています。
さすがですよね!
ママと赤ちゃんは
へその緒が切られたあとも
テレパシーのような何かで繋がっているので
その場のピリピリした雰囲気は
敏感に感じ取り、
ママと同じようにイライラしてグズります。
でも、
そうは言ってもね〜!!
最初の数か月は、
産後の疲れ、慣れない育児のストレス、
環境の変化、慢性的な睡眠不足とイライラのタネがいっぱい!
イライラするな、
あせるな
そんなコト言われたって、
自分ではどうしようもないですよね。
わたしも初めての出産後はそうでした。
赤ちゃんにも伝わってしまうほど
ママがイライラしていると感じたら、
ちょっと赤ちゃんのそばから離れてみましょう。
パパやばぁばにお願いしてみたり、
地域の保育サービスを利用してみたり、
ときには保健センターで保健師さんに
話を聞いてもらったり。
ばぶばぶみたいな駆け込み寺が近所にあれば
そういう場所を有効に使うのもアリ。
とにかくママひとりで
しんどい気持ちを抱え込まないこと。
ゆっくり寝る時間をつくる、
買い物や散歩に出かける、
おいしいものをたらふく食べる、
など
育児ストレスを発散し、
ゆったりした気持ちを取り戻して
赤ちゃんを抱っこしてみましょう。
☆☆☆ 理由その3
「大好きなママやから〜
つい『素』を見せてしまうだけやん!」
ばぶばぶでも、このケースが多いです!
赤ちゃんって案外賢いです。
家だとギャン泣きするのに、
ばぶばぶに到着した途端、
何事もなかったかのように涼しい顔して
ピタっと泣き止む赤ちゃんたち。
ママにしてみれば
「なんやそれー!!」
ですよ。(^^;;
そこで交わされる会話が以下↓↓
「おとなしいね〜。育てやすそうやね」
「家ではこんなんじゃないんですよ!」
「外ヅラ、やねー」
「ほんとにそうですよ!
いつものギャン泣き、見てもらいたいですよ〜」
赤ちゃんがママ以外の人に抱っこされて
おとなしいのは、
「誰?僕に何をする気?」
「知らない人だ〜どうしようー」
人見知りの月齢に達していなくても
いつもと違う雰囲気を察知して
見知らぬ場所、見知らぬ人に
赤ちゃんは固まってしまうことがあります。
あなたのことを、
信頼する特別な相手、
絶対的に守ってくれる人=大好きなママ
と認識しているからこそ、
赤ちゃんは甘えて泣くんです。
いろいろ工夫してるのに赤ちゃんが泣き続けると、
おっぱいが出ていないのでは?とか
世話のしかたが悪い?
泣く理由がわからないことが情けない・・・など、
ママは自分を責める気持ちになりがちです。
わたしはいつも
ママたちには「理由その3」を強調して伝えるように
していますが、
赤ちゃんが泣くのは
「ママと認識され信頼されている証拠!」と考えてみましょう。
「ママなのに泣かれてしまった」ではなく、
「ママだからこそ甘えて泣くことができる」。
そう思えば、泣かれることは
落ち込むどころか
逆に優越感に浸ることだってできるわけです^ ^
☆☆☆ 理由その4
「おっぱいの匂いがするのに
だっこだけなんか〜い!」
赤ちゃんはまだ視力が弱く
かわりに嗅覚や味覚(とくに温度)に敏感。
ママが抱っこすると
胸元からふんわりと大好きなおっぱいのにおいがします。
満腹中枢が発達するのは生後4ヶ月頃なので、
それ以前の月齢では、おなかがすいてようと
すいてなかろうと、おっぱいの匂いがすれば
思わず反応してしまい、
ギャン泣き発動ー!
「おっぱいちょうだいー!」
眠いときにも、
ママが抱くと、もれなく、理由その4発動です。
赤ちゃんは
おっぱいをくわえて
安心して心地よく眠りたい。
ボクは眠いの?
それともおなかすいてるのかな?
おっぱい飲みたいのかな?
あ〜なんかもう、
わけわからへんーーーー!!
って。
ママの胸元からほのかに香るおっぱいのにおいに
赤ちゃん自身も混乱、よくわからなくなり
泣いてしまう、のかもしれません。
おっぱいのにおいでかき乱され葛藤する赤ちゃんの姿・・・
思わず頬ずりしたくなりますね。
かわいすぎるぅぅぅ〜♪♪
以上、ママが抱くと赤ちゃんが泣く理由を4つ、
赤ちゃんの身になって考えてみました。
わたしたちは哺乳類。
哺乳動物の赤ちゃんが生きのびるには、
ママに飲ませてもらうおっぱいだけが頼りです。
一度にたくさんの量が飲めず、
何回も飲ませてもらう必要がある時期は、
赤ちゃんがおっぱいのにおいを感じるたびに泣いて、
ママの注意をひきつけ、
おっぱいを飲ませてもらうようにできている気がします。
ママが赤ちゃんの泣き声を聞いたり、
赤ちゃんのことを思ったりすると、
体内でオキシトシンが分泌されて母乳が作られます。
赤ちゃんの泣き声をスイッチに、
オキシトシン効果でおっぱいが準備される。
それが1日何回も繰り返されることで、
十分な量のおっぱいを作り出し、
飲ませることができるようになっていく仕組み。
抱っこしていて泣かれるのはとてもつらいけれど、
それも赤ちゃんを育てるために
自然が用意してくれた仕掛けだと思えば、
なんとか乗れきれそうな気がしてきますね。
また、ママが泣き声に応えることが
赤ちゃんの脳を刺激し、
母子の絆を強く育てていくのです。
生まれたばかりの赤ちゃんの脳は未完成で、
神経細胞はまばらにしかつながっていません。
手足も自分の意思では十分に動かせないため、
赤ちゃんは生きるために
最低限必要なことだけを反射として
備えて生まれてきます。
たとえば、
頬に触れた乳頭を追いかける、
口の中にいれた乳頭を吸うというように。
まばらな赤ちゃんの
神経細胞どうしをつなぐシナプスを形成し、
複雑な神経回路をつくっていくのはさまざまな刺激です。
とくに大好きな人からの快い刺激が、
赤ちゃんの脳の成長に役立つといわれています。
何度も繰り返される泣き声に反応して、
ママがおっぱいを飲ませたり、
話しかけたり、抱き方を変えたり、
おむつを取り替えたり。
それらのすべてが
赤ちゃんの刺激になって、
脳を発達させていくのでしょうね。
同時に、最初の短期間でママも泣き声に鍛えられ、
赤ちゃんの状態を判断するセンサーを得て、
泣き声に対処するスキルを磨くことが
できるようになっていきます。
最初の数か月
「ママの抱っこしても赤ちゃんが泣く時期」は、
親子の絆、コミュニケーションの
基礎をつくるための特訓期間なのです。
だから
チョットだけ頑張って、
疲れたら少し休みながら
赤ちゃんとともにママも
成長していけるといいですね♪