愛しのおっさん臭
生後1ヶ月の赤ちゃんとママが来院されました。
自治体の『赤ちゃん訪問』で
市の保健師さんが
自宅に様子を見に来られたそうです。
赤ちゃんのほっぺたにできた乳児湿疹を見て
その保健師さんは
「お母さんの食べているものが悪いからだ」
とおっしゃったそうです。
さらに、夜あまり眠ってくれないことを
相談すると
「お母さんが夜更かししているから
リズムができないんですよ」
と。
彼女は上の子と一緒に
夜は21時就寝なんですケド・・・(ー ー;)
乳児湿疹は、
赤ちゃんがママのおなかの中で
大量にもらってくる女性ホルモンが原因で
できます。
その証に、
男の子でも女の子でも
赤ちゃんなのにおっぱいがちょっと膨らんでいたり、
乳頭にしこりができたりすることもあります。
女の子だと、新生児月経といって
生理のような出血が見られることもあり、
何も知らない新米ママはびっくりしてしまいます。
男の子だと、赤ちゃんのくせに
タマタマがパーンと張って
色もちょっと黒くグロテスクだったり。
実はこれら全部、
ママからもらったホルモンが理由なんですね。
そして極めつけが
乳児湿疹に、脂漏性湿疹。
生後2週間ほど経ったある日、
赤ちゃんはハっと気づくんです。
「そういえばわたし、赤ちゃんやった!
そんな大量の女性ホルモンとか、
まだいらんやん!」
そして、それから約3ヶ月間をかけて
過剰な女性ホルモンを
体外に排出する作業をします。
それが、顔にプツプツとたくさんできる
乳児湿疹だったり、
前頭部や眉毛の部分に
脂の固まりが層をなして積み重なる
脂漏性湿疹だったりするわけです。
例えるならば、
思春期を迎えて
ホルモンの影響でニキビっ面の脂ギッシュな
中学生を思い浮かべてもらうと
わかりやすいかと思います。
わたしの11人目のベビーは
幸い乳児湿疹はほとんど出ることなく
キレイな卵肌のまま生後3ヶ月を迎えましたが、
それでもついこないだまで
おでこ、耳の裏、頭、
そのへん一帯、
見事なまで『おっさん臭』が漂っていました。
赤ちゃんって
ミルクの甘い、いい匂い・・・♪
というイメージがあります。
でも実際には
残念ながら赤ちゃんは、加齢臭がします!!!
おっさんの枕の臭い。
おっさんのTシャツの臭い。
ああ、まさしくそれは
紛れもなく加齢臭・・・
パパの加齢臭はできれば嗅ぎたくないけど、
赤ちゃんの臭さはなぜか
クセになります。
その臭いまでもが、愛おしい〜。
おっさん臭にハマったママたちは
ばぶばぶで小さな月齢の赤ちゃんを見つけると
「匂ってもいいですか?」
クンクン嗅いで
トロけそうになっておられます(笑)
あの臭さは、至福ですね〜。
なのに、ととちゃん。
生後3ヶ月を迎え、
早くもおっさんの臭いがしなくなってきました。
わたしは楽しみを奪われ
チーン・・・ってなってます。
夜な夜な、ととちゃんの
耳元で呪いをかけてます。
「まだ首はすわりません」
「まだ寝返りはできません」
「おっさん臭を漂わせます」
よく笑うようになり、
日に日に首がしっかりし、
喃語で話してくれるようになり、
げんこつをしゃぶり、
よだれが増え・・・
すくすく育ってくれていることは嬉しいし、
本当にありがたいことなのですが
その反面、
決して止めることのできない成長が
わたしは寂しくてたまりません。
ああ〜〜〜〜〜〜〜
お願い
おっさん臭よ、
去らないでーーーーーーー。
乳児湿疹は決して
ママの食べたものが
原因ではありませんよ。
おっさんなのが、原因です。←???
そして赤ちゃんが夜、寝ないのは
胎児が夜行性なのを引き継いでいるからです。
生まれたばかりの赤ちゃんは
弱者であり、未熟だからこそ
少しでも敵に襲われる危険性が少ない
暗くて静かな時間に活動するように
生きものの本能が
息づいているのですね〜。
おっさんのくせに(?)
やるおるな、赤ちゃん!!