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2017.05.10

思春期育児「がんばるとハズすよな」

わたしはたくさんの子どもたちに囲まれて
暮らしています。

今年10歳と9歳になる子どもたち
このぐらいの年齢になると
物理的な子育てはとてもラクになってきます。

聞き分けはいい。
それなりに高度な会話がちゃんと成立する。
お留守番もできる。
ほとんどのことは自分でできるようになる。

大きくなったなぁ・・・
成長したなぁ・・・

「あのね、学校でね」
今日のできごとを1から10まで話してくれて。

「ママ大好き」
そう言ってにっこり笑ってくれて。

しかし・・・
子どもの成長を喜び、感慨にふけることができるのは
残念ながら小学校時代までだということを
わたしは経験的に
よ〜〜く知っています(^^;;

12歳、13歳・・・
さぁここからですよ!
思春期特有の激しい反抗期の到来です。

返事をしなくなったり、口ごたえしたり、
暴言を吐いたり、突然キレたり。

幼児期のイヤイヤ期なんて
しんどさのレベルから言えば
比較にもなりません。
本当に本当にキツいです。

愛情をかけて育ててきたのに
なんで?
自分の子育ては間違っていたんだろうか・・・
わからなくなって落ち込みます。

つらすぎて、
ごはんも喉を通らなくなる日もあります。

「反抗期はないと困る。
それはしっかり自我が育っている証拠」

そんなことも聞くけれど
つい売り言葉に買い言葉で
ママのイライラは頂点に達します。
精神的な子育ての真の苦労の始まりです。

大人の保護下で生活し、
それを心地よいと感じていた子ども時代を経て、
成長とともにだんだん自我が発達してくると
彼らはいつまでも保護下にいられないことが
本能的にわかってきます。

今までのガッチリと結びついた親子関係から、
距離を置くために、必死にもがきます。

うちの17歳と16歳は
友達とよくこんな話をするそうです。

「ママってさぁ。
ママっていう生き物やんなー」

思春期の子どもにしてみれば、
ママはひとりの人間ではなくて
「ママ」という別次元に生きる、
特殊な生きものなんだそう。
だから、どう扱っていいかもわからない、と。

うちの17歳はここ半年で
驚くほど思考回路が大人になり、
本当の意味でママであるわたしと対等に
話ができるまで成長しましたが

ほんの数カ月前までは

自立したいけどまだ実力が伴わないイラだち。
いつまでも子ども扱いしてくる大人へのイラだち。
乱暴な態度をとってしまった自分へのイラだち。

乱暴な言葉を使うことで
一生懸命距離を置こうとしたり、

わたしを引きずりおろすことで
対等な立場になろうとしたりしていました。

子どもは子どもで、
自分とも葛藤しているんですよね・・・。

そんなとき、
わたしが同じレベルになって
ヒステリーを起こしてしまっては、
お互いにイヤな思いをするばかりで何も解決しません。

子どものイライラの渦に
巻き込まれてしまわないように
自分の感情をコントロールする力量が問われます。

大人から見て、
「それはちゃうやろ!」と思うことは、

「ママはこう思うで」
どんな態度をとられようとも
親として、言うべきことはキチンと伝えなくはいけません。
そこから逃げたらあかんのです!
(逃げたくなるけど( ;  ; )

価値観は伝えます。
最低限、伝えたらパッと引きます。

反抗期の子どもが
ママの言うことに素直に納得し従うことなんか
ほとんどありませんが、

無理やり納得させようと深追いせず
あとは引いて見守ることが
絶対的に必要なんです。

いつまでもダラダラと言い続けると
ママ自身も感情がエスカレートしてしまいます。
言わなくていいことまで言っちゃったり、
余計な一言を発してしまったり。。。

だから、サッと引く!
その場から退散!

これがわたし流。

このぐらいの年齢になれば、
子どもはもう自分で考えます。
悪いこともわかっています。
なのに、そこを責められ追い詰められると
後に引けなくなってしまい、
余計意地になってしまいます。

ママの前では、
悪いとわかっていても謝れない、
後に引けない。
そんな時期、わたしにもあったなぁ・・・。

思春期の子ども、4~5人育ててきて
経験を積んで、ようやく
大切なことが見えてきました。

でも未熟なわたしは
これだけ思春期育児をしてきても
まだまだ『見守る』が上手にできません。

娘に言われました。

「ママってさ、
一生懸命に子どもに向き合おうとすると
たいていハズすよなー」

そうなんですよね。
なんとかしよう、なんとかしてあげたい、
正しい道に導いてあげたい

そんな気持ちが、
思春期の子育てでは見事に裏目に出てしまうのです。
それをズバリ、子どもに指摘され
ハッとしたと同時に
めっちゃへこんだできごとでした・・・。

でもさ。
だってさ。

あなたのことを愛してるんやもん。
あなたのことが大切なんやもん。
幸せになってほしいから、
どうにかしてあげたいって
心から思ってしまうんうやもん。
それが親ってもんやねんー!

と、必死に訴えたところで。

ティーンエイジャーにとってみりゃ
「そんなん知らんわ。ほっといてくれ」
ですよね・・・。

そのくせ、一歩引くと
「どうせ子どものことなんか
どーでもいいんやろ!」

とか言われるし・・・。

思春期の子どもたちは

「余計なお節介は焼かれたくない。
でも放ったらかしにもされたくない」

という、
とてもややこしい欲求を持っていて

「ああしろ、こうしろ」
口出しをし、
余計なお節介を焼かずに見守ってやることや
押しどころ、退きどころ

難しすぎて、
わたしはしょっちゅう
どうしていいのかわからなくなります。

思春期の子どもは
自分の頭と心で立ち上がろうとします。

自分の頭で考え、自分の心で感じたことに依拠しながら、
自分の行動や人生を決めていこうとします。
だからこそ、考えに迷い、
心のなかに葛藤が生じたりして揺れます。
そして「揺れる」ことを通じて
「自分は自分であっていい」ことに気づき
やがて自立していきます。

見守るとは、放ったらかしにすることではなく。
自分が守られているという安心感を与えること。
自分が見捨てられていないという
手応えを与えること。

って、言われても
ほんまに難しすぎんねんーーーー!!!
やりたくてもそれができんねんーーー!
やってるつもりでも、
それが肝心の子どもに伝わらんねんーーー!

じゃあどうすんの?!

わたしがただひとつ実行しているのは
どんなに子どもに腹が立っても、
悲しい気持ちにさせられても、

ひたすら、愛情たっぷりの料理を作り続けます。
これだけは絶対手を抜きません!

子どもと向き合って話をして、共感してあげたり、
ときには励ましたり。諭したり・・・
それはとっても難しいゆえに
どんなに良かれと思って実行しても
娘が指摘したように
ハズすことがあるわけです。
(てゆーか、ハズしてばっかり)

子どもからどんな態度を取られても
ママの手料理だけは
絶対にハズすことなく、一方的に
愛情を示し続けることができる
便利なツールだと思っています。

ときどき、
せっかく作って置いといた料理も
翌日もなってもそのまま食べられることなく
放置されたまま・・・

正直、本気でへこみます。

それでも!
そんなひどい仕打ちをされても!
わたしは作り続けます。

ママの手料理を食べてくれているうちは大丈夫。
言葉や態度はひどくても、
心の底ではわたしを信頼してくれている、
そんな懐の深い愛情に、
いつか子どもは気付いてくれる

と信じているから・・・。

毎日のお弁当、洗濯・・・
送り迎え

子どものためにできることって、
たったそのぐらいです。
もっと何かしてあげたい!という気持ちに
なってしまうけど

逆に、それ以上はしちゃいけない。
それだけしてあげれたら
十分なんだと思います。

子どもの繰り出してくるパンチに、
いちいち応酬するのではなく、
それをうまくあしらって、
一歩引いたところから変わらない態度で
見守りたいなぁ〜。

初めての思春期子育て
2回目の思春期子育て

そのあたりまで
わたしは「いいママ」であるためには
「いい子」を育てなければならない
という強迫観念にとらわれて
子どもと向き合っていたように思います。

今、思うのは
「いい子」じゃなくてもいいんですよね。
そもそも「いい子」って何?
って思うし。

娘とわたし、
娘と母という関係を超越し、
お互いに脅迫概念からの解放を援助しあえるような
17歳と43歳の、女同士の対等な人間関係を
築けることの大切さに気づいたことが
ここ最近の子育ての学びでした。

イライラしない。
相手の土俵に乗らない。
相手のいうことを真に受けない。
聞き流し、肯定も否定もしない。
常に「オトナな対応」を心がける。

そう。わかってる。
わかってるけど・・・。
うまくできなくても、そう心がけるだけでも
きっとわたし自身の成長につながるのだと信じて
毎日戦っています!

ママだって人間。
疲れていたり、イライラが募っているときは
つい感情的になってしまいますが

10歳、9歳、4歳、3歳、0歳と
まだまだ続きます・・・

彼らが思春期を迎えるころには
わたしはもっと人間的に豊かになって
上手に向かい合うことができるかな。
できたらいいな、と思います。

鳥のヒナはくちばしでたまごの殻をつつき、
生まれてきます。
少しずつ時間をかけて
自分で自分の殻を割っていきます。

親鳥は子どものペースに合わせて、
ヒナのがんばりを応援し、
背中を押してやるように
外から殻をつついてやります。

ヒナがまだつつこうとしていないのに、
親鳥が先につついて殻を破ってしまっては
ヒナは死んでしまいます。

親鳥とヒナのタイミングが合うと、
ヒナはスムーズに生まれることができます。

これは『禅』の教えで
『啐啄同時』といいます。

「そつ」はヒナが内側からたまごの殻をつつくこと。
「たく」は親鳥が外側から殻をつつくこと。

早すぎてもダメ、遅すぎてもダメ・・・・
親子のタイミング、
つまり、子どもが「出よう」としている時を見計らって、
親がサポートする。
そのタイミングが大事だということです。

子どもは一人ひとり違います。
11人産みましたが
全員みんな、個性があり
その子のペースに合わせて
親は関わり方を変えてあげる
必要があると感じています。

わたしは現在
思春期子育てであたふたしていますが

子どもは本来、
自分で伸びていく力を持っています。
関わり方で、その力を伸ばすこともできるし、
つぶしてしまうこともあるのです。

子どもが自分でやろうとしているのを待ちきれず、
先回りして手助けしないこと。

かといって、
どの子も全員、
それにあてはまるかっていうと
そうじゃないのが
実践編子育ての難しいトコロ。

思春期の子育てを乗り越えた時に、
わたしたちは本当の親になるのだと
思います。

わたしはまだ乗り越えられてないから
修行の身!

親としてというよりも、
人間としての力量が問われる思春期育児。
試行錯誤し、間違い、修正し、
泣いたり笑ったりしながら
もっともっと深い学びを得られるレベルに達するまで

負けへんぞぉぉぉぉ〜〜〜〜〜!!!

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