指しゃぶり
生まれて2ヶ月もすると
赤ちゃんは自分のげんこつを
ひたすらペロペロなめる時期を迎えます。
振り回していた手がたまたま唇にあたって、
吸いつくような感じで始まり、
生後3ヶ月を過ぎるころからは
特定の指をリズミカルにしゃぶるようになり、
手が口から離れると泣き出すようなことも出てきます。
顔じゅう、よだれまみれで
たいへんなことに!(^^;;
いわゆる指しゃぶり、
王道は親指ですが、なかには変り種で
薬指だったり、人差し指と小指の2本セットだったり
親指以外の4本まとめしゃぶりだったり、
その子によってレパートリーはさまざまです。
もちろん、
赤ちゃん全員が指しゃぶりをするわけではなくて
まったくしない子もいます。
ときどき、育児書には
指しゃぶりをこんなふうに紹介しています。
『おなかがすいているサイン』
『愛情不足』
『母乳が足りていない』
なんでやねーん!!( *`ω´)
ですね。
ママたちは一生懸命、赤ちゃんに向き合い
試行錯誤しながら愛情たっぷりに
育てていますよね。
なのに、『愛情不足』ってか!!
ほんま、なんでやねーん!!( *`ω´)
どんなに愛情たっぷりであっても、
しっかりおっぱいやミルクを飲ませていても
指しゃぶりはするときはするんですよー!
指しゃぶりが頻繁に見られるようになり、
そこにグズリが加わったりしたもんなら
身近な人から
「ほら、やっぱり!
おっぱいが足りてないのよ
かわいそうに・・・」
根拠のないことをさんざん言われて
不安になってしまうママが
ばぶばぶにはたくさん来られます。
赤ちゃんは口に触れたものに吸いつく
原始反射を持っています。
さまざまな身体の感覚器のなかでも
口と舌の感覚が最初に発達するので、
なんでも口に入れて吸いつくことで
いろんなことを感じ取ります。
そもそも、彼らはおなかの中にいるときから
妊娠7ヶ月ころから指しゃぶりを開始します。
胎児期の指しゃぶりは、おっぱいやミルクを
飲むための練習です。
妊婦健診でエコーをしたときに
運よくかわいらしい姿を拝めることもあります♪
生まれてから、
最初は、たまたま手が近くにあったから吸い付いただけで、
別に「指しゃぶりをしよう!」と思ったわけではなく、
新生児から2ヶ月ぐらいまでは
それが自分の『手』であることもわかっていません。
無意識の世界ですね(笑)
このような反射があるからこそ、
おっぱいやミルクを飲むという
生きていく上で絶対な本能的行動ができるのですから
すごいですよね〜。
そして生まれて3ヶ月ぐらいになると
無意識だった行動に
「お? これはなんや?」
『それ』を指だと認識しているかどうかは定かではありませんが(笑)
成長とともに『それ』の存在に次第に気付き始めます。
「お! 動くんか!」
4〜5ヶ月になれば
『それ』に興味を示すようになり、物の形や大きさ、感触を確かめ、
手と目の強調運動を学び、
意思を持ってしゃぶるようになっていきます。
また、なにかをチュクチュク吸う行動には
不安や緊張を解消させる効果があり、
鎮静作用があるということも明らかにされています。
とにかく好奇心旺盛の赤ちゃん!
脳の発達においても、
指しゃぶりは大きな効果があると言われています。
自然の摂理である行動だから、
無理にやめさせる必要はないし、
悩む必要もありません。
では指しゃぶりをしない子は
好奇心がなく、脳の発達もよくないのか?
というと、そういうことではないので
勘違いしないようにしてください。
いろんな子がいていいのです。
個性を大事にしましょうね!
ちなみにうちの11人の子どもたちは
7人は指しゃぶりをしていましたが
4人はまったくしませんでした。
現在10歳(小4)の子は、
8歳ぐらいまで寝るときに無意識に
指しゃぶりをしていました。
おかげで爪の形が変形し、
指にタコができていましたが、
とくにとがめることもなく、
自然に様子をみていました。
4年生になった今は、
そういえばまったく吸わなくなってます。
歯並びやかみ合わせに影響することから
指しゃぶりが習慣化している子は
注意が必要という意見もありますが、
経験上、
そんなに目くじら立てなくても
時期が来れば自然にしなくなります。
子どもは安心感を得るために指しゃぶりをするので、
怒ったり、否定したりするのは
あまりにもかわいそうだと思います。
大人でも、リラックスしたいときに
コーヒーを飲んだり
チョコレートを食べたり、
心と身体をOFFにする『なにか』を
みんな何かしら持っていると思います。
それを「ダメ!」って
厳しく規制されたら
どんな気持ちになるでしょうか・・・。
なので、4〜5歳になっても
指しゃぶりが直らなかったとしても、
たぶんそれは、
例えばテレビをぼーっと観ていて
暇なときだったり、
眠いときの入眠儀式だったり、
四六時中、指が口に入っているという
赤ちゃん時代のそれとは
状況が変わってきているはず。
ならば、ゆっくりのんびり、
自然にしなくなる日を待ってあげましょう!
あまり神経質にならずに
子どもに安心感を与えること。
それさえ心がけてあげれば
十分だと思います。