変顔
『変顔』という言葉。
最近よく使われますよね。
辞書で調べてみると
『普段はしないこっけいな表情、へんな顔』
と書いてありました。
見た人が思わず笑ってしまうような、
おかしな顔、表情を作って
それを自撮りしてSNSなどに投稿することも
若者の間で流行っています。
うちの子たちを密かに観察していると
高校生は当然、変顔をバンバン
ツイートしているし、
小学生は、
「クラスの変顔大会で優勝した!」
って意気揚々と帰ってくるし、
保育園児は鏡の前で
白目をむいたり、口を斜めにひねってみたり
日々、変顔練習をしています。
大阪人だからでしょうか?
ウケ狙いに余念がありません。
ウケるためなら努力を惜しみません。
笑いさえとれれば、こっちのもの!
変顔でウケることに毎日かなりのエネルギー消費を
しているように見えます。
(アホですね)
友達との関係で、高い評価を得るため
変顔のレパートリーを増やすべく鏡の前で日々血のにじむ努力!
(そこまでするか)
子どもいわく、
堂々と人前で変顔を披露できるのは
あるレベルで「わたしイケてる!」と
思っている子だけなのだそうです。
それは美形だとか
愛嬌のある顔だとかいう
いわゆるビジュアル面ではなくて
どんな顔つきだったとしても
そんな自分を肯定し、自信を持っているからこそ、
変顔で笑いをとれる心のゆとりが生まれるのだそうです。
顔を含め、自分の容姿や性格、
自分の存在価値そのものを否定し、
大きなコンプレックスを持っている子は
とてもじゃないけど変顔にチャレンジするなんて
敷居が高すぎてできません。
整ったパーツ、というような意味ではなく
「わたしってカワイイ!」
と思っている子が
「変顔でもカワイイやろ!
どないや!」
を、アピール。
清楚な美しさをかもしだす写真と、
対照的な変顔。
この極端な2枚を露出することで
ユーモアのある自分を見せつけることができます。
SNSでウケれば、
自分の人気度を確認することができて
みんなに高く評価されることで
妙に安心する・・・という現代っ子の心理構図が
垣間見えるような気がしました。
単純に、「美しい」よりも、
「キモかわいい」のほうが
飽きないし、おもしろい!
ということもあるだろうけど
女子の場合は、自分だけかわいく写ろうとすると
ナルシストと思われそう。
だったり、
ノリが悪い子と言われて嫌われそう
だったり、
同性にどう見られるか?を
気にするゆえの変顔もあるのかなぁ
という気がしました。
男子の場合は
自分はユーモアのあるおもしろい人間!
をアピールしたい気持ちが
密かに隠れているかも・・・?
そういえば、2歳〜5歳ぐらいの
小さな子どもも、
カメラを向けると変顔をキメてくれますよね。
「うちの子、最近変な顔の写真しか
ないんです〜」
そうおっしゃるママによく出会います。
ちっちゃい子の変顔は、
周囲の気を引きたかったり
写真を撮られることが恥ずかしくて
照れ隠しの意味合いが強い気がします。
キレイな顏で撮られたいという
気持ちの反面、
ただの笑顔で写るだけじゃつまらない!
何か人と違う行動をとりたい!
一般的な行動や、常識的な考えに
反発して、枠にはめられることなく
自由でいたい!
という
自己主張の表れが「変顔」なのかもしれません。
うちの17歳のスマホには
恐ろしいことに自撮り画像が300枚以上保存されていて
(ずいぶん削除しての300枚らしい)
変顔に関しては、毎日欠かさずせっせと撮っては
友達に送りつけまくっています。
もはや原型の顔がどんなんかも
よくわからなくなっておりますが、
彼女いわく、
「自分の顔を鏡で何度も研究して
自撮りを続けてたら、ポジティブになるんやで!」
たしかにな!
自撮りは、ありのままの自分の存在を
認めて肯定する行為やな!
ポジティブになれる
そうかもしれんと思いました!!