母乳バンク
アメリカ在住、2児の母
みどりママは一時帰国のたびに必ず
ばぶばぶでおっぱいケアを受けて帰られます。
いやもう〜本当によく出るおっぱいで、
赤ちゃん1人に飲んでもらうぐらいじゃ、
持て余してしまいます。
分泌過多のおっぱいは、
注意しなければ乳房内に母乳がうっ滞しやすく
乳腺炎などのトラブルを起こしやすいです。
必ずしも『よく出るおっぱい=いいおっぱい』
とは言えません。
アメリカでは乳腺炎になったとき
専門家(?)から提供されるアドバイスは
「ホットシャワーを浴びなさい!」
なのだそうです・・・。
まだ炎症が起きる直前で
乳腺がしっかり開通していて、
単に母乳がたまりすぎているだけなら
ホットシャワーで循環をよくしてから
ドドーンと赤ちゃんに飲んでもらえば
危機回避ということになるでしょう。
でも、すでに乳腺が炎症を起こして膿が溜まり、
おっぱいが真っ赤に腫れ上がっている状態のときでも
基本、ホットシャワーなのがアメリカ方式なんですね。
異国のおっぱい文化の話を聞きながら
この出過ぎのおっぱいを
母乳外来のない場所で、
上手に自己コントロールされているなぁと
感心しながらおっぱいケアをしていました。
そのとき、
彼女のスマホに一通のメールが届きました。
「そうそう。
HISAKOさん、これ知ってます?」
見せてくれたのは、
『母乳バンク』からのメールでした。
母乳は赤ちゃんにとって、
さまざまな病気を防ぐだけではなく、
もっと長いスパンで、将来にわたって
子どもによい効果をもたらすことが
わかってきています。
多くの研究と統計の結果、
ここ数年、世界の多くの国々で
母乳バンクが新設されています。
ばぶばぶにも、妊娠26w
たった480gで生まれた赤ちゃんが
今、完全母乳ですくすく育っておられます。
これほど小さな早産児でも助けられることができるぐらい
医学は発展しましたが、
満期で生まれた赤ちゃんたちに比べたら
内臓機能も未熟だし、免疫力も格段に弱く
生死にかかわる病気にかかるリスクも高いです。
480gの赤ちゃんの元気な発育が物語っているように、
粉ミルクで育てたときよりも母乳で育てたときのほうが
致命的な病気にかかりにくいことがわかっています。
母乳は身体を成長させる栄養以外に、
病気から赤ちゃんを守る薬としての
効果がたくさんあるのです。
ばぶばぶで日々感じるのは、
ほとんどのママは母乳で赤ちゃんを育てることが可能だということ。
ただ、正しい母乳の知識や、授乳の方法、
赤ちゃんの発達的特性に関しての認識不足が災いして、
適切ではない授乳方法、不必要なミルクの補足、
無知ゆえに二次的な母乳不足を招いているケースが多いです。
そんななか、100人に5人ぐらいは、
なんらかの理由で
母乳が出ない、または出ても
赤ちゃんに与えることができないママもいらっしゃるのが現実です。
そのような場合でも、
生まれてきた赤ちゃんには
最善の栄養を与えてあげたい・・・!!!
これは医療者、家族、
みんなの共通の願いだと思います。
おなかの中で、赤ちゃんに横隔膜ヘルニアが発覚。
生まれたあと、手術を経て3ヶ月間入院、
鼻からミルクを流し込むためのチューブや、
酸素が手放せない状態ではあるけれど、
今週やっと!自宅に帰れることになった赤ちゃんが
ばぶばぶにおられます。
ママは産後すぐから赤ちゃんのために
毎日時間を見つけてはせっせと搾乳をして
1日も休むことなく病院に母乳を運び続けておられました。
赤ちゃんが小さく生まれたり、
なんらかの病気があって入院を余儀なくされ、
母子分離になっても、
彼女を筆頭に、日本のママたちの多くは本当に献身的。
母乳を運ぶママの愛があるからこそ、
日本の新生児医療は世界でも
トップクラスの成績につながっていると考えられているんです。
昔は、ママのおっぱいが出ないとき、
ほかのママの母乳をわけてもらう『もらい乳』が
珍しくありませんでした。
今でもばぶばぶではときどき、
実姉妹のママ同士が、
それぞれの赤ちゃんにもらい乳をしている
微笑ましい光景に出会うことがありますが、
母乳は血液なので、現在の考え方としては
もらい乳は、感染管理上好ましくないと考えられています。
ほかのママの母乳を赤ちゃんに与える場合は、
母乳提供者の健康状態を把握し、
血液や母乳から感染するウイルスや病原体を持っていないかどうか
母乳の安全性をきちんと検査して、
さらに低音殺菌処理などの厳重な管理が必要です。
日本での母乳バンクの歴史はまだ5年ほど。
ドナー登録するためには、
まずは自分の子どもに与える母乳が最優先となり、
基本的には献血するときと同じように
血液検査に異常がないことが条件です。
もちろん、乳腺炎を起こしているとき、
アルコールを摂取して数時間の母乳は提供できません。
アメリカ在住のみどりママは、
溢れんばかりの自らの母乳を
せっせと母乳バンクに提供し続けておられました。
気づけばトータル数百リットルにも達していて、
そのことをお知らせする、
アメリカの母乳バンクからのメールでした。
な〜るほど、
彼女の分泌過多のおっぱいが
トラブルを起こさず無事だったのは、
こういう理由があったのかもしれません!
いったい、彼女の母乳が
どれだけたくさんの赤ちゃんの命をつなげたのでしょうか。
そう考えると、心がほっこり
暖かくなりました。
『日本母乳バンク』
関心のある方はぜひ、サイトをチェックしてみてくださいね!
https://jhmba.or.jp
あなたの母乳が
命をつなぐかもしれない・・・
素敵なことだと思います!
このブログは
ママたちの心を救う材料として役立つことを願い
がんばって更新しています。