赤ちゃんのウソ泣き
わたしの11番目の子ども、ととちゃんは、
現在1歳9ヶ月です。
最近すっかり知恵がついてきて
わかりやすくウソ泣きをするようになりました。
気に入らないことがあると
わざわざママや兄ちゃん姉ちゃんに
見える場所に移動して
「かわいそうなワタシ」を死にもの狂いで演出します。
この世の終わりみたいに大音量で泣いてるけど、
よーく観察したらまるで涙は出ていません。
おおおおお
泣いてるようで泣いてへんやん。
完全に『かまってちょーだい』ですやん。
ととちゃんのウソ泣きは
どう考えても、ウソやん、かまちょやん、と思うけど、
もっと小さな低月齢の赤ちゃんでも、
泣いてるんだけど、涙出てへんで?
ってことがありますよね。
涙が出るメカニズムは、いろいろあります。
機能的な理由としては、
乾燥やホコリなどから目を守るため。
常に涙で角膜を潤わせておくことで
生きていく上で大切な感覚器官である『目』を
守っているんですね。
クリっと大きな目の人が、
「虫がしょっちゅう飛び込んでくるねん!」
涙目になりながら虫に向かって(?)
本気で怒ってたりしますが、
異物が目の中に入ってくると
防御反応として、大量の涙を分泌することで
洗い流そうとする機能を持っているんですね。
誰かが教えたわけじゃないのに
自然にそーいうことをやっちゃうって、
わたしたちは天才ですね!
驚異的なディフェンス機能があるはずなのに
赤ちゃんは、目の中にまつげが入っていても
しれー・・・と、無反応だったりします。
「それ絶対痛いやん!」
大人は、なんとかして取り除いてあげたいって
思うのだけど、
当の本人は「なんのことでっしゃろか?」
ケロっとしていて拍子抜けです。
赤ちゃんは大人に比べて
眼球を覆っている涙の量そのものが多いそうです。
確かに、赤ちゃんの黒目って
キラキラウルウルしてますよね。
ウルウルおめめは赤ちゃん最大の武器です。
あの目で見つめられたら、イチコロです。
いいよなぁ
ドライアイとか、ないんやなぁ。
わたしなんか長時間パソコンに向かってたら
目が乾いてカスカスなるけどなぁ〜。
うらやましいです。
若いってステキ♡
そんなわけで赤ちゃんは
目の中に異物が入っても、気づきもしません。
鈍いわけではなくて、大量の涙で
いつも眼球を守っているから
痛みや違和感そのものがないんですね。
また、わたしたちは
心が揺さぶられたときにも涙が出ます。
感情って、出しすぎてもアカンって言われるし、
出さへんすぎてもアカンって言われるし、
どないしたらいいんでしょうね。
わたしは感情人間なので、
いろんな理由で単純に心が上向いたり
下向いたり、右向いたり左向いたり、
しょっちゅうポロポロ泣いてます。
でも、数え切れないぐらい存在する
ありとあらゆる感情を
フルに使えるようになるには
人生経験が必要です。
感情による涙は、
新生児時代にはほとんど流すことはありません。
なぜなら、脳が未熟すぎて感情を操る能力さえも
ないからです。(なんてかわいいんだ!)
生後3~4ヶ月になってようやく
『好き・嫌い』『快・不快』
おなかすいた、おむつ気持ち悪い、眠いなど、
生命に関わる最低限の低次元感情が芽生えます。
不快や痛みを感じたときに涙が出ます。
『悲しい』『寂しい』『悔しい』などの高度な感情が
涙腺を刺激するようになるのはもう少しあとのこと。
生後半年ぐらいからと言われています。
そして少し成長すると、
嬉しいとき、感動したとき、
おもしろすぎたときにも涙が出ます。
さらに成長すると、「もらい泣き」なんていう高度な技も
持ち合わせたりして
『涙』が出る理由は、年齢とともに
多様に広がっていくのです。
赤ちゃんは、自分の身体に降りかかってきた『何か』が
生命に関わる重大なものであるかを
一瞬のうちに評価して、快・不快を判断し、
感情を作り出していきます。
大人になったら
大事な決断をしなければいけないことが
何度もありますが、
いくら考えても何が正解かわからない、
答えが出ないようなときは
生後2〜3ヶ月までの赤ちゃんのように
「生存に関わる項目が優先!」
というシンプルな視点で物事を考えて、
『好き・嫌い』『快・不快』というような
原始的感情に身を任せてみると
案外、的確な判断ができるのかもしれませんね。
1歳児ととちゃんは、まぎれもなく
自分の気持ちや要求を伝えるために泣いたふりが
できるようになりましたが、
どうせウソ泣きするなら、
真珠のような大粒の涙をホロリと絞り出してみろ!!
さらに磨きのかかったハイグレードなウソ泣きを
目指してもらおうと思います。
中途半端は許しません。