心の目で見なアカンで
2歳になったばかりのえいたくんが
道端でいきなり叫びました。
「あ!カニ!
カニーーーー!」
え?カニ?
この街中にカニなんている?
どこどこ?
場違いで唐突な『カニ発言』に
戸惑ったママの反応に、5歳のお兄ちゃん、
はるくんがすかさずダメ出しをしました。
「ママ。心の目で見なアカンで」
たった5年しか生きてないくせに。
こんな高度なこと、どこで学んできたんでしょうね。
深くて重い言葉にドキっとさせられたママでした。
ー心の目。
物理的に目に映るものだけが
一概に真実とは言えないですよね。
「心で見なくちゃ、ものごとはよく見えないってことさ」
「かんじんなことは目に見えないんだよ」
『星の王子さま』の一節にある有名な言葉です。
子どものように心の曇りがなく、純真な心で
ものごとを見ることで
本当に大切なことに気づくんだよっていう
メッセージが込められていて
多くの人たちが感銘を受けるフレーズです。
例えば多くの赤ちゃんが、
部屋のいつも同じ場所に向かって宇宙語で話しかけたり、
微笑んだりすることがあります。
まるで誰かがそこにいて交信しているみたいです。
でも、残念ながら、
大人の柔軟性のない既成概念と
当たり前と思われる一般常識のもとでは
赤ちゃんが『見ているもの』は
見えることはないでしょう。
子どもには見えるけど、大人には見えない
典型例が、ジプリの『となりのトトロ』かな。
ものごとの本質、本当に大切なものは
純真無垢な子どもの心と
さまざまな周囲からの声に惑わされることなく
真実をまっすぐに洞察する智慧の目が必要です。
目はフシ穴とも言いますが、
目で見て正しく判断しているつもりでも、
自分にとって都合のいい見方しかできないと
何が本当で、何がうわべなのかを推し量ることはできません。
自由奔放には生きられない
こんな社会に生きるわたしたちは、
つい、目に見えるものばかりに引っ張られ、
世間体に影響され、本当の価値観を抑圧されて
操り人形みたいに自分をなくしてしまいがちです。
目に見えない多くのものに
支えられて生きているはずなのに
近視眼的なものしか信じなくなると
些細なことに感動できないつまらない人間に
なっていきます。
えいとくんの「カニ!」が表すように
子どもの心の目って本当にすごいです。
ひらめき重視。
損得を計算しない壮大なものごとの見方、
見習いたいですね。
相手の気持ちを感じとったり、
考えを推測したりするときにも心の目は不可欠です。
相手の立場になると
さまざまな気持ちが読み取れるようになります。
心が変われば行動が変わり
行動が変われば人間関係も変わります!
わたしたちにとって、肝心なこと、
本当に大切なことはなんなのか。
心の目でしっかり見つけていきたいって
思います。
さて、冒頭の「カニ」。
はるくんの「心の目で見ないとダメ」という指摘に
ママは先入観を取り去って
心の目を発動させて周囲を観察してみたそうです。
すると隣に、真っ赤な車が停まっていました。
なるほど、
赤=カニ。
「ほんまや!カニやな!」
独創的な目のつけどころに気づき、
共感できて嬉しかったそうです。
すると5歳はるくんから衝撃の一言が・・・。
「ちゃうやん。これは赤い車やろ」
ママ、がんばったのに。
心の目で見ることができた矢先の
まさかの一撃でした。
情け知らずの5歳児に
ママ、めげるわ。(笑)
まだまだ修行が足りません。( ´ ▽ ` )