妊娠中・授乳中に安心して使える解熱鎮痛剤
こう見えてわたしは小心者です。
子どもの頃から強めのストレスがかかると
必ず頭痛になりました。
妊婦だったときも、しょっちゅう頭痛。
11回の妊娠、毎回のことでした。
妊娠中はホルモンの影響で骨盤がゆるみます。
赤ちゃんが骨盤を通過するための準備が
妊娠中から始まるためです。
おなかが大きくなって
血管が圧迫され循環が滞り
妊娠していないときと比べて
思うように動けなかったり、行動そのものが規制されたり
体調がいまひとつ優れなかったり、
ストレスも感じやすいですよね。
これらの理由に加え、
わたしはむくみやすい体質なので
とくに頭痛を起こしやすかったんだろうと思います。
出産時には、自然分娩、帝王切開にかかわらず
骨盤はさらに大きく開きます。
バランスよく開くだけならいいけど、
ゆがみやズレが生じたまま放置されると
神経や血管を圧迫して
産後の頭痛となって現れます。
また、授乳が始まると
どうしても前かがみの姿勢になることが多いので
背骨、肩や首に負担がかかり血流が悪くなります。
夜中は数時間ごとに起きなければなりません。
授乳中のママは必然的に寝不足になり、
頭痛になります。
赤ちゃんのお世話に必死になりすぎて
ママが水分不足になりがちなのも頭痛の原因になるし、
赤ちゃんを長時間抱っこすることも
痛みを引き起こすリスクになります。
頭痛以外にも、生理痛、歯痛、発熱など
体調不良を引き起こすことは
妊娠中(生理痛はないけど)、産後、
人間だから当然あります。
妊娠中や授乳中に
身体のどこかが痛むとき、
薬を飲むかどうか、悩みますよね。
おなかの赤ちゃん、授乳中の赤ちゃんに
少しでも影響がないように
我慢できるなら、薬に頼らず乗り切りたい・・・
でも、痛い。辛い。
しんどい・・・
あ”〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!٩(๑`^´๑)۶ (;_;)
薬が飲めないなんて、拷問だー!
妊娠中、授乳中は病気もできんのか!
それがママの気持ちです。
痛みは、免疫力を下げてしまいます。
子育ては体力勝負だから、無理なく、負担なく、
痛みがひどいときは一旦それを
取り除くことを優先してほしいと思います。
もちろん、安心して使える薬、
ちょっと注意したほうがいい薬、
いろいろあるので、
「できることはする」「できることしかしない」
という考え方をベースに
薬が飲みづらい妊娠中や授乳中を
肩の力を抜いて乗り越えてほしいです。
わたしの頭痛のように、
多くのママたちが日常、
お世話になる頻度が高いのが
解熱鎮痛剤じゃないでしょうか。
市販薬だと、
バファリン、イブ、ノーシン、セデス、
ナロンエース、タイレノール
このあたりがポピュラーですね。
病院で処方してもらう場合には
カロナール、またはロキソニンを処方されることが
多いかと思います。
カロナールは、アセトアミノフェンが主成分で
痛みそのものを直球で攻めるのではなく、
間接的に脳の中枢神経や体温調節中枢に
回り道して働きかけます。
体温中枢に作用すると、熱放散を増大させて熱を下げ
神経中枢に作用すると、痛みを感じにくくしてくれます。
間接的に作用するから、効果は緩やかですが、
妊婦や子どもにも負担が少なく安全性は高いので、
老若男女問わず
「まずはカロナールから始めてみましょう」
ってことになります。
薬であるかぎり、
どんなものも副作用がゼロということはなくて
報告されているカロナールの副作用は、
食欲不振や胃もたれですが、
自覚として感じないことがほとんどです。
カロナールと似たような効果を持つロキソニンは、
非ステロイド性抗炎症薬。
痛みや炎症に対して直接アプローチをかけます。
直球だからカロナールより強い効果がありますが、
消化器症状の副作用は
カロナールに比べてかなり出現しやすいために
胃薬とセットで処方されることが多いです。
さて、授乳中のママがカロナールを内服しても
まったく問題ないよ〜という根拠を
お話しておきたいと思います。
内服から2時間後に
母乳中のカロナール血中濃度はMAXとなり、
そこから2~3時間後に血中濃度は1/2以下(半減期)になり、
薬の効果は4〜5時間で完全に消えます。
ママがカロナールを内服してから
1時間後、3時間後、6時間後の
赤ちゃんのおしっこを調べた結果、
いずれも薬の成分は検出されませんでした。
ということは、
カロナールは
ママの体温調節中枢や神経中枢には作用しても
母乳を介して赤ちゃんには
まったく影響しないと考えられます。
ただ、そう言われても
授乳中はなるべく薬の使用は避けたいという
ママ心はよくわかります。
どうしても心配だという人は、
内服直前に授乳するか、内服後30分以内、
内服後4時間以上での授乳ならば、
『天地がひっくり返っても絶対に!』
安心安全だと思います。
子どもが熱を出したときも、
カロナールはお約束のように処方されます。
錠剤が飲めない小さな子たちには
オレンジ風味の顆粒のカロナールや
シロップのカロナールが処方されますよね。
(ごまかしてあるけど、結局苦いんだよな〜)
赤ちゃんから子どもにも、
気軽に処方されるお薬だからこそ、
授乳中や妊娠中でも大丈夫!というのが
わかると思います。
カロナールは医師が処方するお薬なので、
処方箋がなければ、
ドラッグストアでは購入することはできません。
子どもの場合は必ず受診して処方してもらうのが
鉄則ですが、ママが内服する場合は
もしドラッグストアで購入するとしたら
商品名は『タイレノール』。
カロナールと同じアセトアミノフェンを
主成分としていて、正しく使用すればカロナール同様に
副作用はほとんどなく、安心して使える解熱鎮痛剤です。
1回飲めば、だいたい30分ぐらいで効いてきて
4時間は効いているはずです。
わたしは先日、親知らずの抜歯をしました。
術後、歯がなくなった部分が
骨と神経がむき出しのままになってしまい、
猛烈な痛みに襲われました。
なるべく薬には頼りたくないのですが、
あまりにも痛くて
3週間にわたって、鎮痛剤が手放せない状況になりました。
最初はカロナールを処方されましたが、
まーったく!
効きません!!
最低でも4時間経ってから次の内服が原則ですが、
脈を打つような激しい痛みは
ほとんど変わらずで、拷問でした。
カロナールには痛みを和らげる効果がありますが、
残念ながらすべての痛みに効くわけじゃありません。
偏頭痛や神経痛のような特殊な強い痛みには
カロナールでは効き目を発揮できないことがあります。
1回飲んで効かない場合には、
安易に薬を追加する前に、
その痛みに薬があっているのかを考えることが大事です。
わたしの抜歯術後の痛みは
強すぎたために
カロナールは合っていなかったわけですが、
4時間あけないといけないところを
2時間ごとに「効かない、効かない」と
言いながら追加で内服してしまいました。
用量を守らず勝手に回数を増やしたところで
そもそも薬が合っていないから
効くわけもなく・・・
で、数日我慢したあげく、
やっぱり無理!!となり、
ロキソニンに変えてもらいました。
炎症部位に直接作用するロキソニン内服、3週間。
効果は強いけど副作用出現率も高いロキソニンは
長期常用はしないほうがいいんですが、
しかたがない。
幸いわたしは胃が強いので、
副作用はまったく出現しませんでしたが
なんかもう、危険ドラッグ中毒者みたいでした。
カロナールで効かないときは
授乳中でもロキソニンも赤ちゃんに影響はしないので
ママは内服OKです!
ただしロキソニンは妊娠後期は禁忌です。
胎盤を流れる血流を阻害する可能性があるからです。
妊娠後期の痛みには、カロナールが安全。
産後は、会陰切開や帝王切開の傷、
痔になってしまったときの痛み止めとしても
産院ではロキソニンを処方します。
この場合、なぜカロナールじゃないかというと、
明らかな炎症(傷)がそこにあるために
神経中枢に間接的に作用する薬より
炎症に直接作用するタイプの薬じゃないと
効果が期待できないからです。
産後直後でも処方されるロキソニンが
授乳中にダメなはずはありませんね。
これからインフルエンザが流行る時期に入ってきます。
インフルの可能性があるとき、
効果のマイルドなカロナールじゃ熱は下がらないし、
関節の痛みも軽減しないので、
もうちょっと効果の高いロキソニンを内服したくなりますが、
インフルのときだけは気をつけて!
ロキソニンを飲むと脳症などを引き起こすこともあるので
内服するのならカロナールでお願いします!
ちなみに、子どもは
カロナールは内服できますが、
ロキソニンは禁止されています。
市販薬はやめてきちんと医師の指示を仰ぎましょう。
余談ですが、
『カロナール』という名前はどうやって
つけられたかご存知でしょうか。
なんと、
「はやく軽くなる」からきてるそうです。
カルクナル→カルナール→カロナール。
テキトーかぁぁ〜〜〜〜!(笑)
タイレノールA 20錠(第2類医薬品)
ロキソニンS 12錠 (第1類医薬品)
タイレノールA 20錠 (第2類医薬品)
ロキソニンS 12錠×5箱(第1類医薬品)
※タイレノールはカロナールと同じ成分です。