HISAKOブログHISAKOブログ
2019.01.29

いつ「差し乳」になるんやろ?

溢れんばかりに母乳が出て、
赤ちゃんが溺れてしまうぐらいによく出るおっぱいは
分泌量が少なめのママから見れば
うらやましい話ですよね。

でも実際には、分泌過多のママたちは
切実に悩んでおられます。

ちょっと油断して授乳間隔をあけたもんなら、
おっぱいは岩みたいにガチガチに固まって、
痛みを伴い、今にも爆発するんじゃないかという
恐ろしい状態になります。

「乳腺炎になったらどうしよう」
「乳腺が詰まったら・・・」
「しこりになってしまう!」

という、おっぱいトラブルへの恐怖と不安に
常に支配されます。

「溜まり乳」「差し乳」という
造語を聞いたことがあるでしょうか。

四六時中、必要以上に母乳を大量生産して、
常に張っているおっぱいを
俗に「溜まり乳」と呼びます。

妊娠中の乳房内では、
数ヶ月後、赤ちゃん誕生に向けて
母乳を効率よく分泌するための母乳生成細胞が
たくさん作られます。

出産してすぐの乳房に
たくさん存在しているこの細胞は、

何度も吸わせることで
赤ちゃんに必要なだけの細胞数を認識し、
余分な細胞は退化させていきます。

なので、赤ちゃんがおっぱいを吸わなければ
必要な細胞数認識ができずに、
すごいスピードで
どんどんその数を減らしていくことが知られています。

また、吸わせれば吸わせるほど
母乳生成ホルモン(プロラクチン)の分泌はぐんぐん増えます。
人間の体というのはよくできたもので、
頻回授乳によって、プロラクチンの数と母乳生成細胞の数を
ピタリと合わせてくるんですよ。
すごいですよね~!

つまり、母乳生成細胞とは
母乳を作れ!と命令を下す
プロラクチンを受け止めて母乳を作る工場でもあり

受注(プロラクチン)
生産機械(母乳生産細胞)

が成り立つわけです。

産後間もなくから数ヶ月は
受注=生産の連動システムが不安定で試行錯誤なので
無駄に母乳を作りすぎる「溜まり乳」になりやすく、

連動システムが
うまく軌道に乗り始めるのが、生後4ヶ月のころです。

工場がうまく回り始めると
生産しすぎたり、少なすぎたりすることなく
適量の母乳が分泌されるようになってきます。

この安定した状態を
俗に「差し乳」と呼ぶのです。

生後3ヶ月までは
油断するとすぐパンパンになっていたおっぱいが、
いつしかふにゃふにゃのままキープの「差し乳」に
なっていくのは、生理的にはとても自然な変化で、

普段は作りすぎず
赤ちゃんが吸う刺激をもらってはじめて、
受注生産するようになるので、
授乳生活がとても楽になります。

でも実は決して「差し乳」だからといって、
そんなに張らないからといって、
「吸われない限り、からっぽ」
なわけではありません。

生後4ヶ月以後、受注生産システムが安定すると
赤ちゃんが吸い始めると母乳生産ラインが動き始めて、
効率よく母乳が作られるタイプのおっぱいへと
変化していくものの、

それ以降も母乳は基本的に
24時間不休で生産されています。
それは卒乳するまでずっと変わることはありません。

つまり、普段はヘロヘロの
「差し乳」と呼ばれる状態になっても、
それなりに乳房内には母乳は溜まっていて、
からっぽになることはあり得ません。

授乳していない空きの時間に
あらかじめ作り置きしておく母乳の量は、
乳房内に溜まっている母乳の量によって変化します。

乳房内にたくさんの母乳があるときは
新たな母乳の生産スピードはゆっくりになるし、
逆に乳房内に溜まっている母乳の量が少ないと
生産スピードが上がることがわかっています。

ということは、受注生産ラインが
安定しない生後4ヶ月までに
「張ってから飲ませる」という授乳方法を繰り返せば
母乳の生産スピードはどんどん落ちてしまいますね。

「わたしのおっぱいは溜まり乳ですよね・・・
いったいいつになったら差し乳に変わりますか?」

泣きついて来られるママが
たくさんいます。

一般的に、「溜まり乳」と言われているのは、
『うっ積』(血液が溜まりすぎている)
『うっ滞』(母乳が溜まりすぎている)
のどちらかで、

出産直後なら『うっ積』

産後1ヶ月以降なら『うっ滞』
いわゆる「分泌過多」と言われる状態です。

分泌過多は、吹き出すように母乳が出るけれど、
放っておくとトラブルになりやすい状態です。

普通に考えたら、
赤ちゃんはたくさん飲めて
ぐんぐん体重が増えるように思われがちですが、

落ち着いてゆったり飲めないために
適切な授乳態勢がとれず、途中でむせて飲めなくなり、
逆に体重が伸び悩むというケースもあります。

そうすると、分泌過多なのに赤ちゃんは
何度も何度もおっぱいを欲しがってぐずって泣くので
授乳回数は常識範囲を超えて増えてしまいます。

でも、吸わせてもまたむせて途中で離してしまうから、
おっぱいは吸わせても吸わせても張ったまま・・・。

適切に飲めていないのに、何度も吸わせることになり、
その刺激だけが母体の脳に伝わって、
「オキシトシン」という母乳噴出ホルモンを
過剰に分泌します。

そして、さらに母乳を作りすぎてしまうという
悪循環になってしまうのですね。

産後間もなく、まだ母乳が十分に作られない時期は
ひたすら頻回授乳を。

「溜まり乳」の時期には、
赤ちゃんが欲しがるままに飲ませますが、
授乳に加え、さらに搾乳をしてしまうと
「差し乳」への移行が遅くなるので気をつけましょう。

張りすぎていて赤ちゃんが溺れそうなときは
事前にほんの少し圧抜き(搾乳ではないですよ)を
してからくわえさせるようにしましょうね。

【新登場】よりお得に、大容量になった「新マシュマロ」を大発表するで〜!
一覧に戻る

人気記事

2023.03.06

お菓子のレイ

2021.04.15

あれ?抜けないぞ?

2021.06.04

母乳育児は痩せるのか?

2019.09.27

げっぷは「出させるもの」じゃないんだよ

2023.01.26

インスタグラムに挑戦!