HISAKOブログHISAKOブログ
2019.05.30

HISAKOのお産(第5子)前編

わたしが大好きな産科医は
5人の子どものパパです。

子だくさんの先生だからこそ
同じく子だくさんを目指すわたしの気持ちに
いつも絶妙に寄り添ってくれました。

だから5人目も先生のもとで・・・!
という気持ちもあるけれど

これが最後のお産かもしれないから
渋っていないでずっと夢見てきた助産院での出産に
挑戦してみようと思いました。

でも、助産院出産は、
病院のように何か問題が起きたときに
「医療の力でなんとかしてあげる」
スタンスではありません。

医療行為をしない助産院で産みたいのなら、
避けられる問題は妊婦が自己管理で
回避していく意思の強さ、意識の高さが
求められます。

「産ませてもらう」のではなく
「産む」という意識で臨まなければなりません。

食生活、生活リズム、運動

気をつけていても問題が起きてしまった場合は
提携している病院に転院になります。

やむなく転院になっても、お産のときには、
もともとお世話になっていた助産院の助産師が
責任を持って介助に入ってくれます。
帝王切開のときにも同様です。

自然なお産ができるように
妊婦自身にできることを努力していく・・・

妊婦にできることで、もっとも重要なのは
体重管理です。

わたしはいつも10kgぐらい増えてしまいます。
食べづわりで、気をつけたくても
気をつけられない・・・(言い訳かな?)

助産院で産みたいけど、
厳しい体重管理に耐えられる気がしなくて
気づけば5人目になっていました。

お産の醍醐味を味わうのは、やっぱり助産院。
産む力、生まれる力を信じて
自分の産みたいように産んでみたい。
病院とは違うお産体験の先に
どんな気づきがあるんだろう・・・?

助産院のお産は
学生のときに
自然出産のゼミで見学させてもらいました。
病院のお産とは、なにもかもが違う
暖かくて人情味溢れたお産でした。

子どもたちも含め、
畳のお部屋で家族みんなで力を合わせ
迎える出産。

4人目出産の産婦さんでしたが、
新しい命を生み出そうとするその姿は
本当に本当に美しくて・・・!

当時19歳だったわたしは感動しすぎて
ひとりでボロボロに泣きました。
出産を終えた張本人が苦笑いするぐらい
感動しました。

「助産師になりたい・・・!」

そう確信したのは、あの瞬間でした。

4人目までいろんな産院で産んできたけど、
もしかしたら最後のお産かもしれない5人目、
集大成は、助産院で。

できるかな・・・
わたしにできるだろうか・・・。

勇気を出して、分娩取り扱い助産院へ。
ここの助産師さん、いろいろこだわりが強く
なかなか厳しい方だということは
知っていましたが、
当時、立地的に通える開業助産院は
そこしかありませんでした。

彼女は母子手帳4冊をペラペラめくって、
話し始めました。

「助産師やったらわかるよねぇ?
なんで毎回、妊娠中こんなに体重増えてんの?
赤ちゃんみんなやたら大きいけど、
あなたの管理不足のせいで
ぶくぶく浮腫んだ状態で生まれてきてるわけよねぇ?」

確かに生まれてきた子、
全員3500g超です(4人目は4253g)

でも、だからって

「自己管理できてない」
「ぶくぶく浮腫んでる」

そんな言い方するぅぅ?!?!

あなたは助産院で出産する資格なんかない。
助産師のくせに健康管理もできないクズ。

遠回しに(いや、直球で)
言われた気がしました。

とどめは

「あなた、つわりは?
まさかパンや肉、食べてるんじゃないでしょうね?!」

ふつーに食べてます・・・
食べづわりで、食べてないと気持ち悪いねん。
これでも必死でやってる。
そんな言い方しないでよ。

でも、そこまで不摂生な食生活はしてません。
つわりでしんどい中、
子どもたちの栄養を考えて
毎日ちゃんと手作りしてます。
いろんな食材使うように心がけ
野菜たっぷりメニュー作ってます!!

たまには外食だって行きます。
子どもたちが大好きなファーストフードもときどき食べます。

朝は昔から必ずパンです。
棺桶にパンは絶対入れてと
子どもたちにお願いしているほどのパン大好きです。

それがそんなにダメなことなんでしょうか?

わたしの話に、
助産師さんは失笑(ひどい・・・)。

野菜はオーガニックが基本。
肉はなんどきも食べるべきではない。
パンは月に1回、
天然酵母のパンをガシガシ噛みなさい、

あなただけじゃないわよ、
子どもたちも同じよ!

と言われてしまいました。

それができるのなら
お産とってあげてもいいけど
できないのなら
あなたは病院で産むべきだと思うわ。
ここは自己管理できない人がくる場所じゃ
ないから、と。

極めつけ

「あなた、ばぶばぶで妊婦さんたちに
どんな指導してるの?!」

助産院からの帰り。
どの道を通ったかもよく覚えていません。

温かい助産院で家族みんなで味わう
素敵なお産の夢はこっぱみじんに消え失せました。

わたしは、子どもたちは駄菓子だって食べさせます。
だって、添加物の問題はあっても、
あの色彩マジック、わくわくを楽しませてあげたいから。

肉料理も多いけど、
それで母親としての価値を
全否定されるってどうなんやろ・・・

わたし、あかんのかな。
あかん母親なんかな。

助産師としても、
意識の低いあかん専門家なんかな。

ばぶばぶでの指導は、
指導っちゅーより、妊婦さんやママに寄り添い
共感しながらできる範囲でよりよい方向性に導く方針。

そんな生易しい対応してる時点で
開業助産師として失格なんかな・・・
もっと上から厳格に指導すべきなんかな・・・

体調悪いから余計に
思考はどんどんネガティブ方向、
負のスパイラル。

みんなに笑顔になってもらいたいだけ。
みんなに自信を持ってもらいたいだけ。

そんな一心で
一生懸命にやってきたけど、
そもそも全部間違えてたのかな・・・

希望に胸を膨らませて助産院に出向いたのに
いろんな思いがこみあげてきて泣けてきました。

そのまま、
ふら〜っと切迫早産で入院中の友達のところへ行きました。

話を聞いてくれた友達は

「でも、そんなHISAKOを慕ってきてくれるママたちが
数え切れないほどいるのが事実でしょ?
自信持ってよ。ばぶばぶは変える必要ないよ。
HISAKOの魅力がそのままばぶばぶでしょ!」

そう言ってくれました。

吹っ切れました。
そうだよな。わたしはこのままでいいんだ。
たとえ変人扱いされても、
わたしはわたしだ!

かつて見学させてもらった
あのときのような感動的なお産を、
わたしも体験してみたかった・・・

そんな思いは拭うことができませんでしたが、
気持ちを切り替えて
「やっぱりわたしは病院で産むわ!」

5児パパ産科医のお世話になることに決めました。

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