子育ては「なんくるないさ」沖縄
助産院ばぶばぶは、
もうすぐ沖縄県に移転します。
「お気楽ですね~」
「うらやましいなぁ」
そんなふうに言われることもあるけど、
旅行で行くのと暮らすのとでは
まったく視点が変わってきます。
沖縄は
知れば知るほど強烈な個性と魅力のある場所です。
琉球王国時代に
独自の文化が形成されたこともあって
日本だけど日本じゃないような
異国感を味わうことができます。
異空間だからこそ
ハテナなこともいっぱいあって
良くも悪くも惹き込まれていく~!
大阪人といえば、
「会話に必ずオチがある」
「おもしろくノリがいいが笑いに厳しい」
「声がデカイ」
確かに、ご指摘のとおり
そういう側面はあるかもしれないけど
大阪人やからって
みんながみんなそうじゃないです。
イメージ先行の思い込みってすごいなぁ
と思うことがいっぱいあります。
沖縄人といえば
「のんびりおおらか」
「故郷愛が強く地域のつながりが濃い」
「沖縄時間、ルーズ」
大阪人のイメージと同様に
沖縄人も、その傾向はあるものの
特性が誇張され先入観になって伝えられて
いるんじゃないかと思います。
よく、沖縄土産のお店で
「なんくるないさ」
と書かれたタオルやTシャツを
見かけます。
なんくるないさ。
→ま、どうにかなるやろ、気にすんな!
クヨクヨしたってしょうがないさ!
気楽に考えようよ!
前向きで素敵な言葉だと思いますが、
悩んでもどうにもならないのはわかってるけど
悩んでしまうときに言われると、
軽すぎて逆に落ち込むかも。
観光スポットでは沖縄の象徴みたいに
「なんくるないさ」に出会うのに
移転準備でたびたびお世話になっている
大勢の沖縄の人たちが日常会話で
「なんくるないさ」
と言ってるのは聞いたことがなくて不思議でした。
先日、
沖縄の子育て世代が読むフリーペーパー
「太陽のえくぼ」事務所を訪れました。
「ばぶばぶ移転準備進んでますか?」
「いや~なかなか難航してまして・・・」
そんな話の中でわたしが
「なんくるないさ、ですね!
がんばりますね」
と言ったんです。
わたしは、この沖縄言葉を
そのままの意味でとらえていました。
移転準備なかなか進まないけど
なんとかなるさ!と。
ですが、「なんくるなさいさ」は
実はとても重い沖縄言葉で
そう軽々しく使う言葉ではないそうです。
江戸時代、
琉球王国は薩摩藩(鹿児島)の支配下になり、
同時に中国にも支配され、
明治維新で突然、
日本の一部、沖縄県にされてしまい
琉球王国は消滅しました。
戦時中は戦地となり、
たくさんの命が奪われ
戦争が終わるとアメリカの支配下になり・・・
時代に振り回された悲劇の歴史が
「なんくるないさ」の言葉を生んだのだそうです。
まぁなんとかなるよ~アハハー
単純、無責任、楽観的な見通しを
意味する言葉ではなかったのですね。
本当は
「まくとぅそーけ、なんくるないさ」
というそうです。
「まくとぅそーけ」=正しいこと
世の中は辛いことや
うまくいかないことが多いけど
自分に正直に、誠実に生きていけば
いつか、今の苦悩も
笑顔で語れるようになる日がくるんだよ。
自分を信じて今を精一杯生きなさいね
生きることを真剣に考え、
辛さの中から導き出された
力強い言葉なのですね。
沖縄人がこの言葉を
簡単に発さない理由がわかりました。
「なんくるないさ」の本当の意味を考えたとき
子育てそのものやなぁと思いました。
子どもは親の期待を裏切ってばかり。
いえ、期待すること自体が
親の価値観の押し付けであって、
子どもを人として尊重できていないわけですが、
親は、子どもが大切だからこそ
期待してしまいますよね。
うまくいかないことばかりなのが子育てです。
へこんだり、挫折したり、イライラしたり、
がんばればがんばるだけ評価されなかったり
理不尽の連続だけど
子どもを信じて、自分を信じて
がんばりましょうね!
ママが自分のベストを尽くしたのなら
必ず、明るい未来がやってくる!
なんくるないさ!