妊娠中 血乳が出た!
ばぶばぶでは、
妊娠中からのおっぱいケアを行っています。
妊娠中に乳頭から分泌されるのは
正しくは「母乳」ではなく
「母乳様分泌物」といいますが、
妊娠中から産後1週間ぐらいの間に
母乳、もしくは母乳様分泌物に
血が混じることがあります。
これを「血乳」と言います。
母乳は血液から作られます。
血は赤なのに、
どうして母乳は白いのか不思議ですよね。
それは、血液中の栄養分や白血球などは移行するけれども、
赤血球成分そのものは移行しないからなんです。
だけど母体は生まれてくる赤ちゃんに
十分な母乳を飲ませてあげようと準備を開始して
急激に乳房内に新しい血管を増やします。
そのスピードが早すぎて、
丁寧に新生血管が作られず、
一部、粗雑でもろくて
弱い血管(乳腺)ができてしまいます。
弱い新生血管は
ちょっとの刺激で毛細血管の壁がひび割れを
起こしやすいんです。
そこに不適切なおっぱいマッサージや
搾乳器の乱用などが加わると
乳腺の発達が未熟で本来なら除外されるはずの
赤血球が破れた乳管に入ってしまい
血乳になってしまいます。
乳頭に傷があって、
外傷性の出血が認められる場合もあり、
その場合はケアの方法も違ってくるため
どこからの出血なのかの判別は絶対条件なのですが、
傷が見当たらない場合の出血は
乳管からの出血とみて、
それなりのケアが必要となります。
多少の血乳ならいいですが、
搾っても搾っても、けっこうな量の血乳が出るときは
赤ちゃんが嫌がって飲んでくれなかったり
血が混ざったものを吐いたり、
黒っぽい(血液混入)うんちが出ることがあるので、
直接飲ませることができなくなります。
ばぶばぶでも、
妊娠中から産後間もなく、血乳が出るママは
けっこういます。
100人中10人ぐらいかなぁ〜。
経産婦より初めての妊娠、初めての出産のことが多いです。
経産婦は授乳生活を経験しているので、
母体がすでに学習していて
血乳を作るなんていう初歩的な失敗はしないんですね〜。
助産師としては、
粗雑に作られた新生血管(乳腺)は
ぜひ、妊娠中に発見しておきたいです!!!!
赤ちゃんが生まれてくるまでに
事前にきちんと乳輪・乳頭ケアし、
血乳対策をした上で授乳本番に備えて準備してあげれば
赤ちゃんが生まれたあとに
『授乳禁』を防ぐことができるのです。
妊娠中におっぱいケアをしなかったために
産後すぐからしばらく授乳禁止・・・
血乳がなくなるまで、せっせと搾っては捨てる、を
繰り返さなければいけないなんて。
おっぱいを飲ませてあげられないなんて。
悲しすぎますよね。
産院によっては
「自分でおっぱいお手入れしといてね」
簡単な乳房ケアの方法を妊婦さんに指導しているところも
あるみたいですが、
そもそも妊婦さんは、乳頭が敏感になってて
痛くてあまり触れないパターンが多いです。
「妊娠中はときどき自分でやってました」
というママのおっぱいを診せてもらうと、
ほとんどが効果的なお手入れができていません。
はっきりいって、
何もしていないも同然のおっぱいです。
産後に、ばぶばぶ来院されるママたちの多くが
こういう状態なんです。
一旦生成した血乳は、そのまま放置していて
問題が解決するはずはありません。
ほっといて、そのうち自動的に
血乳が出なくなるのではなく、
適切なケアを施してあげ、
乳腺内に溜まった血乳を排出しきり、
大掃除が完了して
そこからようやく白いきれいな母乳が
生成され始めるのです・・・。
妊娠中から産後すぐに認める血乳の多くは、
しこりがあるわけでも、
ママに不快感があるわけでもなく、
血が出ること以外に症状はありません。
が、産後ずいぶん経ってからも
ひどい乳腺炎を起こしたときに血乳が
見られることがあります。
炎症を起こして化膿した乳菅は
拡張して、毛細血管から血液が漏れてきます。
熱が出る、ひどい頭痛、関節痛、
しこり、熱感、おっぱいの痛みなど
乳腺炎の症状があるときは
早めに助産師さんに診てもらってくださいね。
ちなみに、血乳は乳がんでも認められるので
ときどきばぶばぶにも
「ガンかもしれませんー!!」と
半泣きになって来院されるママがいらっしゃいますが、
乳腺炎の症状があるのなら乳がんではないはずです。
数日しっかり搾乳して、乳腺炎が改善して
血乳が出る回数が徐々に減ってくるようであれば
大丈夫です。