(5)助産院ばぶばぶ 移転します!
温暖な気候、
ストレスを溜めない陽気な人柄が
生まれる風土が長寿を運ぶ沖縄。
せわしなく時間に追われる
大阪での生活が当たり前のわたしにとっては
『島時間』は衝撃でした。
暑い島だから、
夕方涼しくなってから人々は動き出し、
夜更けまで黒糖焼酎を飲み明かし、
暑い日中は寝て過ごす・・・
上記はちょっと極端な例ではありますが、
なんともうらやましい島時間です。
うちには、
自閉症スペクトラム(発達障害)の子がいます。
彼女は、
感情の振幅や、微妙な心のニュアンス、
誰でも直感的に理解できるような人の気持ちを
敏感に感じ取って場の空気に合った行動をとるのが
苦手という『特性』を持っています。
大多数と異なる個性的な行動をとったり、
頭に浮かんだまま、無神経な態度や
言葉を発してしまう傾向があるのですが
誰が悪いわけでもなく、
ましてや育て方には関係なく、
先天的な脳の特性のために
物事の捉え方や視点に、
大多数のそれとズレがあり、
何かが欠如しているというより
違う角度から世界を見つめているのだと
わたしは認識しています。
発達障害といっても、
そのすべてに共通する脳の特性が
あるわけではありません。
平均的な軌跡とは異なるプロセスを示すところに
その特徴があって、
表出される個性は十人十色。
例えば彼女は、
環境音をシャットアウトすることが難しいという
特性を持っています。
大多数は、雑音だらけの環境の中でも
自分の名前が呼ばれれば聞き取れるように
脳が巧みに情報を処理してくれますが、
先生の歩く靴音、隣の子が教科書をめくる音、
チョークの音、こそこそ話す友達の声・・・
騒音の多い場所では
いろんなノイズが同じ音量で同時に耳に入ってきて
日によって、その場所にリラックスした状態で
いることが難しくなります。
教室の騒音の中で、
さらに抽象的(自分のすべきことが具体的に示されない)
な内容の授業は大の苦手。
そのかわり、静かな環境で、
わかりやすく整理された情報だけが
決まった文字の大きさで提供される本などには、
人並みはずれた集中力を発揮します。
発達障害は、
どこからが〝障害〟で、どこからが〝正常〟という
明確な線引きはできません。
言葉の理解力もあり、知性も十分備えていて、
一見、何の障害も感じられないので、
側からみて「ちょっと個性の強い子ども」として
普通に扱われている場合も多いです。
でも、
ちょっとした友達の一言に過剰反応し、
感情が抑えられなくなって大爆発。
もうすぐ小学5年生になりますが、
今のままの環境で過ごすことに
限界を感じ始めています。
知的能力には問題ないけれど、
得意なことと不得意なことのアンバランスが
彼女の生きにくさにつながっていて
世間一般的な視点からいうと
たびたび問題行動を起こす彼女は
確実に周囲に多大な迷惑をおかけする
迷惑な子どもだと思います。
こんなにたびたび
社会に迷惑をかけるのは申し訳ないので
どうにか改善させる方向に
仕向けていかなければならない・・・のでしょうが、
彼女は彼女なりに
精一杯がんばっているんです。
これ以上「がんばれ」とお尻を叩くのは
あまりにもかわいそう・・・。
彼女自身が変わっていくことも
当然必要なのですが、
周囲の大人が理解してあげようという気持ちで
決して叱りつけることがないように、
ひとつずつ静かに優しく丁寧に教え、
少しの変化にも敏感に気づいてあげて、
前よりもできるようになったことには
オーバーアクションで反応してあげて、
本人にわかりやすく伝える。
「成長できている」
「達成に向かっている」
そんな実感、もっと成長できるかもという希望、
考えたことを楽しんでできる充実感、
これらは、力強く生きていくための力になると思います。
好きなことはとことん楽しめるのが
彼女の魅力であり、才能です。
発達障害の子にとって、
余計なノイズだらけ、情報過多の世の中は
どんなに疲れる毎日でしょうか。
聞こえてくる音も、目に見えるものも、
匂いも、いろんなものが多すぎて混乱し、
ストレスを溜め込んでしまう、
そんな毎日のなかで
『平均』とか『普通』とか『標準』とか
大多数の姿を基に形成された社会に
特性のある子を無理に合わせ込むように
矯正させようとすることは、
あまりにも酷な気がします。
幅広い個性を包みこむ社会のあり方を考え、
その構築を目指すことが大事だと
改めて感じますが、
その反面、
発達障害があっても
現代社会で器用に生きていくためには、
ノイズから完全に隔離することはもちろん、
できないし、してはいけません。
彼女のこれからの課題は、
耳障り、目障りな情報と上手に付き合っていくこと。
そのストレスをいかにしてコントロールし、
自分を保つか、だと思います。
ただ、彼女には、
都会の情報過多はメリットどころか
しんどさを助長するだけだから
減らしていい分だけは、減らしてあげたい。
型にはまらない沖縄の大自然に移り住み、
ゆったりした島時間に身を任せ
いつもどおりに寝て、起きて
いつもどおりに学校に通い、
そんなあたりまえな毎日が幸せ
そんなふうに
感じることができるような環境を
与えてあげたいのです。
幸せは、自分の中にあります。
それは外側に探しにいくものではないということ。
その大切なことに
美しさを持って気づかせてくれるのが
大自然だと思います。
疲れたときには海を眺めて
綺麗な雲の隙間からのぞくおひさまから
元気をもらって、
心穏やかに過ごせる心地いい自然界のノイズと
柔らかな空気の環境を
人一倍がんばっている娘へ。
美しい自然とのふれあいで
本当の安心感と充実感、満たされた気持ち、
感謝を体験することが
日常を豊かにしてくれるということを
他の子どもたちも含め、
みんなでシェアしていきたいと思っています。
毎朝、
「大自然さん、ありがとうー!」
お礼をいうことを日課としています。
自然とふれあいは、自分とのふれあい。
感じつくすことで、自分の美しさや地球のうつくしさに
気づいていきます。
そして、人間としての基本的な考え方、
生活リズム、行動パターンを正しい方向へ。
日々立ち止まり
子どもとともに学んでいきたくて
沖縄の地を選びました。
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