卵子年齢
最近40代の妊婦さんやママが目立ちます。
ばぶばぶでも、1日に1人は必ず40代ママが来院されるほど
高齢出産は多いです。
その反面、不妊に悩む女性も本当に多くて
ゴールの見えない治療の闇に呑み込まれ
心身を病んでいく姿もしょっちゅう見ています。
年齢とともに自然妊娠率はどんどん低下していくのは、
周知の事実です。
たとえ、高度生殖医療の力を借りたとしても、
妊娠率は決して、いつまでも高い水準を
キープできるわけではありません。
わたしの年齢(46歳)ならば、
自然妊娠はもはや奇跡的なできごとです。
どんなにタイミングをはかって子作りをしたとしても、
残念なことに妊娠率はほぼ0%ではないでしょうか。
悲しいけれど、それが現実・・・。
たとえ奇跡が起きたとしても、
流産率は50%を超えてきます。
こういう統計を目の前に突きつけられると
42歳までに11人産んだわたしでさえ、
今後は無事に妊娠出産できる気がしません。
わたしたち女性の卵巣の中には、
原始卵胞といって、
卵子のもとになる細胞がたくさん存在します。
オギャーとこの世に生まれた瞬間の卵巣には、
すでに原始卵胞が200万個も蓄えられているんです。
1歳、2歳、5歳、10歳・・・
年齢が進むごとに、原始卵胞はどんどん
自然消滅していきます。
思春期を迎え、初経を迎える頃には
生まれたときの1/10
すでに20万個まで減っています。
さらに、その後も減っていき、
1回の生理周期ごとに1000個ずつなくなっていきます。
例えば、わたしと同じ46歳の女性。
初経は14歳で、30代で2人の子どもを出産したと仮定します。
妊娠→出産→授乳、
それぞれ18ヶ月ずつ生理がなかったとすると、
彼女がこれまでに排卵してきた回数は350回ぐらいだという
計算になります。
わたしは初経が遅く、17歳のときでした。
23歳から42歳まで妊娠出産授乳を11回繰り返してきたため
排卵回数を数えてみたら
46歳の現在までに50回程度でした!
ということは、
一般的な同年代の女性に比べて
わたしの排卵回数は1/7しかないんですね~(笑)
妊娠出産授乳をすれば
卵巣は休みなく動くことから解放され、
その期間だけはゆっくりお休みできます。
休憩があってこそ、しっかり働けるのであって、
ずっと働き続けたらどうなっちゃうでしょうか。
最近多い、子宮や卵巣の病気やホルモンバランスの乱れ、
不妊は、そのような理由も潜んでいます。
じゃあ、卵巣年齢を若い状態になるべく保つように
わたしみたいに産み続けたらいいやん!
・・・って・・・
いやいや、そういうわけにはいきません。(T ^ T)
高齢になってから
赤ちゃんが欲しいと思うシュチュエーションは
誰にでもあり得ることです。
実際、ばぶばぶには
43歳、44歳で出産されたママや 45歳の妊婦さんが通院されています。
人生、何があるかわかりませんよ!
年齢を重ねてから、新しい相手との子どもがどうしても欲しい!
ということも
絶対ないとは言えないわけですから。
いざ、そのときになって、
卵巣年齢が老化していることが発覚し、
「残りの卵子がない!」になったら残念すぎます。
30代「今は妊娠したくない」の時期は、
無駄な排卵を抑制して、卵巣をしっかり休ませる。
卵子を浪費させない、疲弊しない。
賢く、防御対策をとっておくことで
卵巣やホルモンバランスを整え、
なるべく長く、妊娠しやすい身体をキープしておくことの重要性・・・
不妊で悩むママたち、高齢妊活を見ていて、
限りある資源(卵子)を大事にしてほしいと痛感します。
これって、歳をとってからのシミシワを防ぐため、
いつまでも若々しい肌でいるため、
若いうちから紫外線対策をしっかりしておく、というのに
似てるかな~。
卵子の数には限りがあるから。
何もしなくても年々減っていく卵子を、
少しでも卵巣内に保てるように・・・。
排卵する回数が少なければ少ないほど
卵子の減少を抑えることができるのなら、
妊娠率の低下も、極力抑えることができますね。
ピルを上手に活用するなど
若々しい卵巣を保つ選択肢が、
もっともっとポピュラーになるといいなぁと思います。
女性の持つ原始卵胞は減ることはあれど
どうがんばっても増やすことはできません。
年齢とともに卵子も歳を重ねていき、どんどん老化していきます。
たとえ排卵したとしても、
卵子としての受胎機能が衰えていてそもそも妊娠成立できなかったり、
染色体異常を保つ卵子も増え、流産や先天的な疾患を抱えて
生まれてくる赤ちゃんが増えてしまいます。
それに比べて男性の精子は、
精子のもとになる細胞を、いくつになっても
いつでも新しく作り出すことができるんです!
いいよなぁ・・・
ズルイよなぁ・・・
女性も毎月の性周期ごとに、新鮮な卵子を作れたらいいのに。
でもきっと、そんなことして
いくつになっても妊娠出産できたとしたら、
体力勝負の子育てに支障をきたすかもしれませんね。
子どもを育てきる前にママが病気になっても困ります。
だからこそ、女性には
妊娠出産のタイムリミットを
神様は設けられたのかもしれませんね・・・。
でもー。
いいよなぁ、男性。
やっぱりズルイ。