
【女性必見】鉄分不足の症状と原因とは?健康と美のための改善方法

目次
こんにちは、助産師HISAKOです。
妊娠・出産・育児はもちろん、働く女性や更年期を迎える女性にとっても、毎日を元気に乗り切るには「栄養」がとっても大事。でも忙しい毎日、ついつい自分のことは後回しにしてしまいますよね。
「貧血気味で〜」「なんとなく不調で〜」という話はよく聞きますが、実際、鉄分不足で元気半減の女性は多いんです!
あなたが笑顔で毎日を過ごせることを願って、この記事では、女性にとって鉄分不足がもたらす影響や、症状、改善方法についてお話します。
鉄分は女性にとってなぜ重要なの?
女性は月経、妊娠・出産、授乳などの生理的な要因から男性に比べて鉄分不足になりやすい傾向があります。
血液中には、体中に酸素を運んだり、いらない二酸化炭素を体の外に出す、とても重要な役割をするヘモグロビンというたんぱく質が存在します。
ヘモグロビンの材料は鉄分。不足すると体が酸素不足になって、慢性的な疲れや肌荒れ、冷え性、生理不順や不妊、メンタルの落ち込みなど、美容と健康にありとあらゆる不調を呼んできます。
もしかしたらあなたも?日本人女性の6割が隠れ貧血!
「ちゃんと食べてるつもりなのに、なんかずっとだるい…なんで?」
「朝起きるのがつらくて、鏡を見たら顔色もイマイチで嫌になる…」
「なんとなく気持ちが沈んで、ネガティブなことばかり考えてしまう…」
そんな日が続いているとしたら、それ、実は“鉄分不足”のサインかもしれません!

女性は、毎月の月経や、妊娠・出産・授乳など、鉄分をたくさん必要とするライフイベントだらけです。
栄養バランスが大事なのは知ってるけど、家事、子育て、仕事・・・毎日バタバタで、自分の食事はつい適当に済ませてしまう・・・そんな女性は多いですよね。
案の定、食事から摂れる鉄の量は…
「ぜ〜んぜん!足りていない!」
それがリアルな私たちの現状だったりします。
つまり、「朝から元気に動けない」「夕方になるとぐったり」「肌のくすみが気になる」…さまざまな日々のモヤモヤは、鉄分不足が関係しているのかもしれません。
厚生労働省の調査では、20〜30代の女性の鉄分摂取量は、推奨されている量の「6割程度しか摂れていない」というデータ*1*2も!
さらに、「約6割以上の女性が“隠れ貧血”の可能性がある」*3*4とも言われています。「私は大丈夫!」とは言いきれない数字ですよね。
これは、ヘモグロビンとは別に、体内に貯蔵しておくべき鉄分が不足している状態。隠れ貧血では、慢性的な鉄分不足に体が慣れてしまうので、症状を自覚しにくいという危うさがあり、気づかないうちにジワジワと体に負担をかけていくことになります。
【セルフチェック】女性が気づきにくい鉄分不足の主な症状
ここまで読んで心配になってきませんか?
鉄分不足による症状はさまざまですが、以下のチェックリストで簡単に確認できます。
以下の症状が3つ以上当てはまる場合、鉄分不足の可能性があります。当てはまる項目が多かったり、症状が重い、なかなか改善しない場合は、医療機関を受診しましょう。
身体的な症状
☐疲れやすく、倦怠感が抜けない
☐頭痛やめまいが頻繁にある
☐よく体調を崩す
☐手足が冷えやすい
☐爪が割れやすく、髪がパサつく
☐肌が青白い、肌荒れがひどい
☐冷え性がひどい
☐月経不順、月経痛、不妊
精神的な症状
☐些細なことでイライラする
☐情緒が不安定になりやすい
☐集中力が続かず、仕事や家事に支障が出る
☐睡眠が浅く、不眠気味になる
💡HISAKOポイント!
当てはまる項目が多いあなたは、まず鉄分不足を疑って!
妊娠中〜産後は、普段より多めの鉄分が必要。また、子育て中のママは自分の栄養がおろそかになりがちで、実は隠れ貧血があるのに気づいていないという場合もあるので注意が必要です。
女性が鉄分不足になりやすい3つの原因
毎月の月経による鉄分の大量消費
月経中は血液とともに鉄分が失われ、慢性的な鉄分不足に陥りがちです。
妊娠・出産・授乳期における鉄分の需要増加
赤ちゃんの成長に必要な鉄分を母体から提供するため、この期間はとくに鉄分摂取が重要です。
ダイエット・食生活の偏りによる栄養不足
無理なダイエットや偏食は、鉄分不足の大きな原因になります。
ストレスによる鉄分の消費量増加
子育て中、持続的なストレスがあると、その分たくさんの鉄分を消費します。
💡HISAKOポイント!
どうですか?思い当たる節はありましたか?
そういえば、これまでもずっと不調を抱えていたけど、「まぁこんなもんだろう」と、見て見ぬふりをしていたかも・・・そんなあなたこそ、これを機に、ちゃんと鉄分に向き合ったほうがいいかもしれませんよ!
女性におすすめ!鉄分不足を改善する効果的な方法
食生活から改善する

- ヘム鉄(肉類、魚介類、レバーなど)を積極的に摂る。
- 非ヘム鉄(ほうれん草、小松菜、大豆製品など)はビタミンCと一緒に摂取すると吸収率が高まる。
鉄分サプリメントの活用
吸収率の良いヘム鉄は、赤みの肉などのたんぱく質食材に多く含まれますが、食事で1日あたりの鉄分摂取量を補おうとすると、「こんなに食べられない〜!」という大量の食材が必要だったりします。
鉄分は必要だけど、オーバーカロリーも困りもの・・・それなら、鉄分サプリメントを上手に活用して手軽に鉄分補給してみるのはいかがでしょうか。
月日はあっという間に過ぎていきます。元気いっぱいの40代、50代を迎えたいですよね。不調続きで取り返しがつかなくなる前に!予防のケアとしても栄養摂取を意識しましょう!
💡HISAKOポイント!
鉄分サプリメントを選ぶ際「ヘム鉄は胃腸の具合が悪くなってダメなんです・・・」という人が一定数います。そんなあなたは、胃腸への負担が少ないのに吸収効率の良い「フェリチン鉄」を選ぶといいですよ🎵
ほかにも鉄鍋や、鉄器を使った摂取方法もありますが、毎日継続して続けないと意味がないので、「続けやすさ」を意識して考えてみてくださいね!
【Q&A】女性が鉄分を摂る際によくある質問
女性に適した鉄分の摂取量は?
成人女性では1日あたり約10~11mgの鉄分摂取が推奨*されています。
サプリメントで摂取する場合は1日の摂取量が含まれている「栄養機能食品(鉄)」であるかどうかに着目してみましょう。
妊娠中・授乳中も鉄分は摂るべき?
もちろんです!むしろ積極的に摂取してください。
妊娠初期は1日9mg前後、妊娠中期〜後期は1日20~25g
授乳中は月経の有無により異なります。月経なしの場合は8.5~12mg。月経ありの場合は13~16.5mg程度が目安*2です。
鉄分摂取に副作用やリスクはあるの?
はい、過剰摂取は吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など消化器への症状や肝臓や臓器の機能不全になることがあります。
鉄分には耐容上限量が定められており、成人女性で40mg/日(10代以下などは上限量が低くなるのでご注意ください)成人男性で50mgと厚生労働省が発表*2しています。
食事からの過剰摂取で耐容上限量に達する可能性はかなり低いですが、サプリメント活用の場合は過剰摂取や誤飲によって耐容上限量に達する可能性があります。必ず用法を守るようにしてください。
とくに小さいお子さまが誤飲しないよう、サプリメントは手の届かない場所に保管するようにしましょう。(耐容上限量が低く急性鉄中毒のリスクがあります)
子どもの鉄分摂取は気にしたほうがいい?
はい、小学校高学年〜中学生頃のお子さまは、多くの鉄分が必要な時期です。
思春期は急激な成長に伴い血液量が増えるため、鉄分をより多く必要とする時期です。部活などで運動量が増えたり、女子は月経が始まり、ダイエットを気にする年代であることも加わって、鉄分が不足しやすくなります。
● 摂取の目安(日本人の食事摂取基準より)
- 12〜14歳女子:1日あたり約10.5mg(月経ありの場合)
- 耐容上限量:約45mg/日(過剰摂取にならないよう注意)
● 摂取方法と注意点
- 食事からの摂取が基本(赤身肉、レバー、豆類など)
- 必要に応じて、補助的に鉄分入り飲料やサプリメントを使う場合は、必ず子ども向け製品を。大人用だと、過剰摂取による鉄中毒のリスクがあります。
最後に
いかがだったでしょうか。
つい放置しがちな心身の地味な不調・・・「実は根本的な栄養不足から来るものだった!」というケースが多々あることをお解りいただけたでしょうか。
鉄分不足は女性の健康や美容に大きな影響を与えます。食生活の見直しやサプリメントを上手に取り入れることで、効率よく鉄分を補給し、毎日の活力や美しさを取り戻しましょう。
ぜひ、あなたに合った鉄分サプリメントを見つけてみてくださいね!
脚注・参考データ
*1 厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年):20〜29歳女性の鉄分平均摂取量は約5.9mg。推奨量は10.5mg。
*2 日本人の食事摂取基準(2020年版)
*3 栄養改善学会「女性の鉄欠乏性貧血に関する実態調査」:20〜40代女性の約65%に鉄欠乏リスク
*4 公益財団法人日本栄養士会:女性の鉄不足と貧血についての警鐘(2009年調査)