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2024.02.08

乳児湿疹がひどくなる原因とは?ピークはいつ?対処法・スキンケア方法を解説

助産師HISAKO

執筆:助産院ばぶばぶ院長 助産師HISAKO

2006年開設の「助産院ばぶばぶ」で育児支援を15年以上担当。YouTube「12人産んだ助産師の子育てチャンネル」のフォロワーは50万人以上。自身も12子の母。

こんにちは。助産師HISAKOです。

乳児湿疹とは新生児から1歳までの乳児期によく見られる湿疹などの肌トラブルの総称です。

乳児湿疹は「赤ちゃんあるある」の肌トラブルで、決して珍しい話ではないけれど、ひどくなるとやっぱり心配になりますよね。

「SNSで調べてよさそうな方法を試したけど効果が感じられない」

「おすすめされたスキンケア商品、使ってみたけどよくならない」

頭がこんがらがってワケがわからなくなっているママの多いこと多いこと!

その悲痛な声を代弁するならば
「結局、うちの子に合うスキンケアはどれやねん!」ですよね〜。

あなたの赤ちゃんの乳児湿疹には、どんな対処をするのが正解なのでしょう。

この記事では、乳児湿疹がひどくなる原因と、正しい対処法を詳しく解説していきます。

どうして乳児湿疹がひどくなるの?

乳児湿疹は清潔と保湿の基本ケアをコツコツと継続すれば自然とよくなることがほとんどですが、一部の赤ちゃんでは悪化していくことがあります。

改善or悪化、明暗を分けるモノとはいったい何なのか。

抑えておくべきは以下のたった2つのステップです。

ステップ1:すべての赤ちゃんの肌に共通する基本を知る

『赤ちゃんは肌バリア機能が弱い』

肌の「バリア機能」とは、肌がうるおいで満たされている状態を言います。

乾燥、摩擦、紫外線、雑菌など、さまざまな外部刺激から身体を守るために肌に備わった優秀な機能です。

健康な身体、健康な肌を保つためには、バリア機能が正常であることが必須ですが、赤ちゃんの肌は大人に比べて薄いので根本的にバリア機能も弱めです。

それゆえに外部刺激に肌が過剰に反応し、正しく対処しないとどんどん湿疹がひどくなっていくことがあります。

するとバリア機能はさらに低下し、細菌感染のリスクを高めるなどの悪循環に陥ることも。

そうならないために、成長し肌が自然に強くなっていくまでの期間は、乳児湿疹の発症を予防、悪化を食い止めるための適切な対処をしてあげる必要があります。

ステップ2:乳児湿疹を悪化させている原因は何かを知る

『赤ちゃんの肌には個人差がある』

肌のバリア機能はすべての赤ちゃんに共通して弱い。

だから守ってあげなければならない。ということがお解りいただけたでしょうか。

そこへ生まれ持った各々異なる肌質、そして赤ちゃんの月齢、季節、生活環境などの要素が加わって、さらにバリア機能が低下することで乳児湿疹は悪化します。

💡HISAKOポイント!
『もともとのバリア機能の弱さ+それぞれの原因=乳児湿疹の悪化(バリア機能の低下)』という式が成り立ちます。

例えば、子どもは強制的にやらされるお勉強が嫌いですよね。

勉強嫌いは共通でも、そうなった原因はそれぞれ個人差があります。

先生が怖い。遊ぶのが好き。集中力がない。苦手意識や劣等感。興味に偏りがある・・・などいろいろです。

勉強というのは本来、知的好奇心を満たすワクワク楽しいものであってほしい!と思っているので、楽しみながら学べる対処法をあれこれ考えますが

各々の「嫌いな原因」に沿った対処をしないと、子どもはいつまで経っても勉強のおもしろさには気づけません。

つまり、原因によって好ましい対処法は変わってくるのです。

乳児湿疹も同じで、悪化の原因を見極めることが、改善へのなによりもの近道です。

では、赤ちゃんの乳児湿疹が悪化する主要な原因(赤ちゃんの肌の個人差)を6つに分けてお話します。

そしてそれぞれに適切な対処法について具体的に探っていきましょう。

乳児湿疹が悪化する原因1:皮脂

新生児〜生後3ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんは、皮脂腺の働きが活発で皮脂の分泌が過剰です。

テカテカの肌は毛穴を詰まらせ、炎症を引き起こし、湿疹を悪化させる原因となります。

皮脂に対する勘違いしがちな対処法

ベタベタが気になるので、つい1日に何度も洗浄力高めの洗浄料でゴシゴシしたくなるかもしれませんね。

ただでさえテカテカしている肌だから、保湿ケアはしないほうがいいと思っている人も多いかもしれません。

皮脂に対する正しい対処法

肌に強い刺激のある洗浄料は、必要な皮脂まで取り除いてしまう可能性があります。

なので、うるおい成分含有の肌への刺激が少ない洗浄料を選び、洗うのは1日1〜2回で十分です。

意外かもしれませんが、ベタベタの肌にもしっとり保湿力のある洗浄料選ぶこと。そして洗い過ぎないことが大事です。

💡HISAKOポイント!
わたしが開発した赤ちゃん用洗浄料『ポメロ』は、皮脂の分泌過剰で乳児湿疹が悪化してしまった赤ちゃんの肌を適度にうるおしながら洗い上げます。

洗ったあと一時的に肌は乾燥しますが、ここで保湿を怠ると、肌は「もっと皮脂を分泌しなくちゃ!」と働き、逆効果です。

赤ちゃんの肌ケアには水分の補給と適度な油分が大切。

保湿料はサラッとしたテクスチャの水分多めタイプを選びましょう。

油分の多いオイルや軟膏タイプの保湿料は皮脂腺を詰まらせる要因になるので気をつけましょう。

皮脂の分泌過剰の月齢の赤ちゃんは、お風呂から上がって30分もすればまたベタベタになったりもしますが、それでも乳児湿疹を悪化させないためには保湿ケアは絶対です!

乳児湿疹が悪化する原因2:乾燥

赤ちゃんの肌はバリア機能が弱いので、肌内部の水分が不足して大人より乾燥しやすいです。

オイリーベタベタ肌の生後3ヶ月までと異なり、生後4〜5ヶ月からは一気にカサカサの乾燥肌へと移行します。

とくに空気が乾燥する寒い季節は要注意。夏も紫外線や汗をかくことで肌の乾燥は進みます。

季節問わずエアコンを使った環境下では、肌は乾燥、乳児湿疹が悪化しやすくなります。

乾燥に対する勘違いしがちな対処法

冬は寒いのでお風呂でのお湯の温度は高めに設定しがち。入浴時間もつい長めになりますよね。

お風呂上がりの保湿ケアでは、しっかり保湿されている実感が得られる油分多めのクリームやオイルタイプの保湿料を使って乾燥している部分のみを重点的にケアしたくなるかもしれません。

そして、冬の衣類や寝具は綿素材では寒くてかわいそうな気がして、毛布やフリースなど、もふもふ素材を選んでいませんか?

乾燥に対する正しい対処法

皮脂の分泌過剰と同じく、洗浄料は低刺激性のもので優しく洗います。

ガーゼ等の繊維摩擦も赤ちゃんの肌には刺激になるので、ママの手のひらでなでるように洗いましょう。

また、お湯の温度が高いことや長湯は乾燥を助長するため、低めの温度で短時間で済ませましょう。

💡HISAKOポイント!
保湿ケアは、湯上がり5分以内にお願いします!乾燥した肌にはまず最初に水分多めの保湿料を浸透させ、上から油分多めのクリームやオイルタイプの保湿料で内部水分が蒸発するのを防ぐように蓋をするダブル保湿がおすすめ。

保湿タイミングはお風呂上がりに限らず、乾燥を感じたら1日何度でもOK!

外出から帰って来たときやおむつ替えに合わせてこまめに保湿するといいですね。

衣類や寝具はどんな季節でも綿が基本です。

乾燥肌は外部からの刺激にとても敏感になるので、あらゆる刺激に注意が必要です。

エアコン使用時はお部屋の加湿もお忘れなく。

わたしがプロデュースした、赤ちゃん向け保湿料『マシュマロ』は無添加にこだわり、ミネラル成分豊富な沖縄の海洋深層水をベースに厳選した原料でつくりました。

乾燥が原因で乳児湿疹が悪化しているときにも、なるべく重ねづけをしなくて済むよう、サラサラとベタベタの真ん中を行く絶妙なテクスチャを追求しました。

スッと伸びるので赤ちゃんが嫌がらず、時短できるので保湿ケアらくらくです🎵

乳児湿疹が悪化する原因3:よだれ 

よだれの量は赤ちゃんによって個人差が大きいです。

通常、生後2ヶ月頃から増えてきますが

おててを舐めたり、指しゃぶりをする際に口の周りやほっぺに母乳やミルク、離乳食の成分入りのよだれを塗りたくり、それが肌の刺激となって乳児湿疹を悪化させてしまいます。

いわゆる「よだれかぶれ」ですね。

よだれに対する勘違いしがちな対処法

よだれが流れるたびに、着けているスタイやガーゼやティッシュでこまめに拭き取りたくなりますよね。

離乳食のあとも、濡れティッシュで口の周りの汚れをゴシゴシ擦りたくなります。

お口の周りだから、保湿料を舐めてしまうのが怖い・・・という理由で保湿を避けているママもいるかもしれません。

よだれに対する正しい対処法

清潔にしたお口周りに油分多めのワセリンなどの保湿料を塗って、いろいろな成分が含まれたよだれが肌の刺激にならないように保護しておきます。

ガーゼの繊維刺激や拭き取り後の乾燥でもバリア機能が低下し乳児湿疹が悪化しやすくなりますので、よだれを拭き取るときは擦らないで押さえ拭きにしましょう!

💡HISAKOポイント!
離乳食前にお口周りをワセリン保護をしておけば、付着した食べ汚しもスルッと落ちますよ。ちなみにワセリンは粘膜にも使える安全性の高い保湿料です!

乳児湿疹が悪化する原因4:おむつをつけたおしり

おむつの中は常に蒸れた環境であると同時に、おしっこやうんちの成分が肌の刺激となり、乳児湿疹ができてしまいます。いわゆる「おむつかぶれ」です。

意識してこまめにおむつ替えをしていても、うんちの回数が多い赤ちゃんはとくに、ちょっと油断するとおしりが真っ赤にただれてしまうことがあります。

おしりに対する勘違いしがちな対処法

おしりの乳児湿疹の原因は「蒸れること」なので、

おむつ替えのとき、しっかりおしりを乾燥させてサラサラの状態にしてからおむつをつけたほうがいい気がして、うちわでパタパタしていませんか?

また、うんちを拭き取るとき、清潔にすることを最優先にするあまり、無意識におしり拭きでシートで強く擦っているかもしれません。

おしりに対する正しい対処法

おしり拭きシートを使うときは優しいタッチで拭き取る意識を持ちましょう。

うまく拭き取れないときはシャワーで流して大丈夫ですが、洗ったあとは必ず保湿ケアを!

乳児湿疹でおしりの肌のバリア機能が低下しているときはうんちの刺激で滲みて痛がることも多いので、あらかじめ肛門周りに油分の多いワセリンなどの保湿剤を塗って、排泄物の刺激から肌を保護してあげましょう。

💡HISAKOポイント!
おしりは乾燥させるよりワセリンで保湿保護が得策です!つまり、うちわパタパタは不要ですよ〜。

乳児湿疹が悪化する原因5:汗

赤ちゃんは新陳代謝が活発なので、本当によく汗をかきます。

暑い季節はもちろん、冬でもびっしょり汗をかいていて驚くことがありますよね。

着せすぎだったり、体温調節のための寝汗だったり、いやはや、若いって素敵!(笑)

汗をそのままにしておくことで汗に含まれる成分が肌への刺激となり、乳児湿疹になってしまいます。いわゆる「あせも」ですね。

汗に対する勘違いしがちな対処法

汗をかいてベタベタな肌に保湿はいらないよね、と思うかもしれません。

あせもができているとなおさら、肌に何かを塗るよりも乾燥させたほうがいいような気がしますよね。

何度もシャワー浴をして清潔を保つのが一番だと思っていませんか?

汗に対する正しい対処法

汗を放置すると蒸発して肌表面を乾燥させることがあるので、こまめに優しく拭き取ってあげましょう。

シャワー浴はほどほどに。

実は汗には肌を守る成分も含まれていて、何度もシャワーをしてしまうと必要な皮脂まで取り除いてしまうことで肌が乾燥し、乳児湿疹が悪化する原因になります。

💡HISAKOポイント!
あせもができていても保湿は絶対!いえ、あせもができているからこそしっかり保湿です。夏は水分多めの保湿料、冬は水分多めの保湿料+油分多めの保湿料で蓋をします。

乳児湿疹が悪化する原因6:体質と遺伝的素因

上記5つの原因に沿った対処をしても、乳児湿疹が悪化していく場合があります。

それはもしかしたら、パパママのアレルギー体質だったり、肌質が遺伝している可能性。

また、赤ちゃん個人の持って生まれた肌質が関係していることもあります。

体質と遺伝的素因に対する勘違いしがちな対処

適切と思われるケアをしても肌の状態が悪化していくとき、藁をもすがる気持ちでSNSなどで高評価の洗浄料や保湿料を自己判断で次々に試してみたくなりますよね。

科学的根拠はないけれど、赤ちゃんの肌に「よい」とされる民間療法などにもすがりたくなってしまうかもしれません。

体質と遺伝的素因に対する正しい対処

どんどん悪化していく重度の乳児湿疹の場合は、細菌感染、炎症やアレルギー反応の可能性があります。

炎症が起きている肌は、清潔と保湿だけではなく、病院で処方されるステロイド薬が必要になることも。

保湿や洗浄料選びはあくまで予防や改善のきっかけとして導入することをおすすめします。

乳児湿疹の「悪化」をどう見極めるか?

乳児湿疹が悪化する具体的な原因を6つ、上記にまとめてみました。あなたの赤ちゃんの湿疹の原因はどれに相当するのかを見極めることから始めてみましょう。

あわせて勘違いしがちな対処法を実践していないかチェック、上記の各原因ごとの正しい対処法を試してみてください。

💡HISAKOポイント!
ただし、乳児湿疹はすぐによくなるものではありません。
正しいケアを継続してみて現状維持、もしくは少しずつよくなっている感じがするなら、そのまま根気よく継続してみましょう。

勉強嫌いの子どもたちにあれこれ対処してみたものの、どんどん嫌いになり、なんなら笑顔が消えていくようなとき

わたしはママの力だけでは足りないと判断し、教育のプロである学校の先生や第三者に相談し、違う視点からのアドバイスをもらうように心がけています。

同じように、乳児湿疹も正しいと思われる対処をしても明らかに状態が悪くなっていると感じるとき・・・

真っ赤にただれてくるとか、ジュクジュクの汁が出始めるとか、出血する、赤ちゃんが痒がって苦痛そうにしているなど

ママの直感で「これはまずいぞ」と思ったときは、自己判断で放置しないようにしましょう。

乳児湿疹のピークはいつ?病院へいく目安は?

乳児湿疹は生後3週間目ぐらいから出始め、生後2〜4ヶ月頃がピークです。

そして乳児期後半、1歳に近づくにつれ少しずつ改善して、気にならなくなっていく場合が多いです。

もちろん、個々の赤ちゃんによって異なるので、自宅でのケアによる改善が見られない時、また、症状が急激に悪化した場合、赤ちゃんが痛みや不快感を強く訴える場合は病院へ相談しましょうね。

う〜ん・・・判断が難しい・・・と感じました?

そういうときは、小難しく考えずあなたの直感を大事にしてみてください!ママの直感はすごいんだから。あなどるなかれ、あなたの直感!

まとめ

たかが乳児湿疹、されど乳児湿疹。多くの赤ちゃんが経験する肌トラブルの一つですが、多くの場合、適切な対処で改善することができます。

肌質のタイプは生まれ持ったものなので、変えることはできませんが、赤ちゃんの肌質を知り、乳児湿疹の原因に着目した対処をすることで肌の状態は着実に変わっていきます。

先日、わが家の小学5年生男子が「学校考えたヤツ、殴りたい!」とボヤいていました(笑)。

彼が勉強嫌いな原因は、「興味のないことをさせられるのがつまらない」です。だったら、興味のあることをとことん追求してみよう!原因に沿った対策を現在進行中で試しているところです。

少しずつ勉強嫌いを食い止めることができるのか。それともこのまま悪化していくのか。さて、結果はどう出るか?乞うご期待!

乳児湿疹も勉強嫌いも、対策してすぐに結果が出るわけではないけど、子どもの持っている潜在能力を信じて、根気よく丁寧にケアを継続しましょうね!

家族みんなの笑顔と幸せのために、一緒にがんばりましょう!

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助産師HISAKO

執筆:助産院ばぶばぶ 院長 助産師HISAKO

1974年生まれ。
総合病院産科、クリニック勤務を経て2006年大阪市阿倍野に「助産院ばぶばぶ」開設。母乳育児支援・育児相談を中心に、自治体育児支援訪問・妊婦教室を15年間にわたり担当。パパママ向け講演、専門職向けセミナー、教育現場では性教育等の出張授業を展開。

2020年沖縄県うるま市に助産院移転を機に『【12人産んだ】助産師HISAKOの子育てチャンネル』配信開始。妊娠出産育児を科学的根拠に基づき解説、自らの経験から得た学びを元に肩の力が抜ける子育ての考え方のヒントを提案、2023年YouTube登録者50万人以上に。

書籍、雑誌等の執筆活動、テレビラジオ等メディアにも多数出演。

また助産師とママ両面の視点から母子の健康と笑顔に直結する良質の保湿料をはじめ、こだわり商品の開発、製造販売を展開。

プライベートでは1998年から2020年の間に12人を出産。子だくさん助産師として認知されている。

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