脂漏性湿疹
赤ちゃんは、おなかの中にいた時に
ママからたくさんの女性ホルモンをもらって生まれてきます。
赤ちゃんなのに、乳頭の周囲に小さなしこりがあったり、
ほんのわずかにおっぱいが膨らんでいるように見えたり、
女の子は、新生児月経といって少量の出血を認めることがあります。
男の子は、おちんちんが黒っぽく着色して
陰嚢がパーンと張ったように立派であることも。
さらには、4ヶ月ぐらいまでの赤ちゃんの頭は
まるで加齢臭のような、
おじさん臭がすることがありますよね。
さっきお風呂に入ったばかりなのに、
1時間もすればもう臭い!!
なんで?!
これら、実はすべて
ママからもらったホルモンの影響なのです。
性ホルモンが活発になる思春期には
皮脂の分泌が盛んになって、顔にニキビができたり、
髪も1日洗わないだけでベタベタになったり
フケが増えたりします。
赤ちゃんもそれと同じような状態だと考えてもらえば
わかりやすいかと思います。
生後半月頃から、3~4ヶ月頃にかけて、
耳の周辺や、まゆげの周囲、おでこから前頭部など
とくに皮脂腺が多いところに
黄色いかさぶたのような固まりが
層になって出てくることがあります。
赤くポツポツ盛り上がった湿疹や、
フケのようなカサカサしたものが
とめどなく出てくることも。
これらを脂漏性湿疹と言います。
生まれて間もない赤ちゃんは、
皮脂の分泌が盛んなのに、毛穴はまだまだ未発達です。
ですので、肌に汗や皮脂が詰まりやすく、
皮脂と汚れが混ざって固まると脂漏性湿疹になります。
皮脂腺が多いのは、基本的に首から上なので、
脂漏性湿疹も、肩より下にできることはありません。
赤ちゃんの体質によって、
ママからもらったホルモンが脂漏性湿疹という形で
出る子もいれば、まったく出ない子もいますが、
皮脂の分泌過多という
原因そのものに働きかけることはできないので、
分泌された皮脂を、いかにそこに溜めないか。
つまり、過剰な皮脂汚れを落とし、
清潔を保ち、しっかり保湿してあげることが
一番のケアになります。
ただし、赤ちゃんの肌は薄くデリケートです。
ゴシゴシ洗いは禁物です。
皮脂を取り除きすぎても、肌はバリア機能を失い、
トラブルを起こす原因を作ってしまいますから、
赤ちゃん用の低刺激のシャンプーやボディソープで
やさしく洗い、お風呂のあとは乾燥する前に
手早く保湿剤でケアしてあげてくださいね。
湿疹が出てからケアをするのではなくて、
出る前からの予防が大切です。
湿疹が出てしまったあとも
基本のケアは変える必要はありません。
適度な皮脂よごれの洗浄
たっぷりの保湿
この2つに尽きます!!
症状が重くなってきて、患部がジュクジュクしてきたり、
激しく痒がるような時は、
弱くなった肌のバリアを突破して細菌感染を起こし、
アレルギーを発症するリスクとなる場合もあるので
小児科か皮膚科を受診しましょう。
もしも医師の判断で短期間のステロイド塗布が
必要だというときにも、
適度な皮脂よごれの洗浄
たっぷりの保湿
保湿剤でしっかり肌を保護した上から
指示されたお薬を使ってあげると
浸透が良くなり効果的です。
「こんなふうにしてしまったのは
私のせい・・・?」
母乳で育てているママだと
「私の食べたものが悪かったんでしょうか?」
違いますよ。
脂漏性湿疹には避けることのできない発症のメカニズムが
はっきりと存在しているのですから
誰のせいでもありません。
脂漏性湿疹は、皮脂の分泌が落ち着く
生後3~4ヶ月になると次第によくなってきますから
どうかママは自分を責めないでくださいね。